ポップアップ・ブックカフェ「Books & Bee (蜜蜂)」 イベントレポート＃2 - トークセッション (後編)
2022年4月22日(金), 23日(土)に、第4回目のブックカフェを開催いたしました。詳細はこちら
おかげさまで無事に終了しましたことを改めて感謝申し上げます！
今回も当日の様子を数回に分けてレポートをお届けいたします。
1. ポップアップブックカフェ の様子
2.トークセッション （浅間ガーデン養蜂場 小金沢さん・長岡さん）前編
3.トークセッション 後編⇦今回はこちら！
4. 蜜蝋キャンドルワークショップ（蜜蝋キャンドル作家 glim 上田さん）
大変そうですけど、養蜂家の仕事を続けるモチベーションってなんでしょうか。
（小金沢さん）
養蜂って地球の循環の一部になれる仕事だと思うんです。蜜蜂がいれば、いろいろな植物につながることができる。巣脾を持ち上げた時の重量感、おぉー溜まってる、やったーという時の充実感も、何ものにも変え難いですね。
（長岡さん）
最初は、分析すれば正解が分かるだろうと思っていた。効率いいやり方があると思って始めた。自分が変えてやろうと思っていた。でも本当に考えることが多い。蜜蜂の状態をみて、いい循環が出来上がっている群があっても、分ぼうして出て行ってしまったとか。蜜蜂の調子がよくても、アカシアの花がダメになるとうまくいかなくて去年は透明なアカシアが取れないとか。悔しい。思い通りにならなさ。実験と、愛を込めてやったことの結果が短い時間で出て、それを繰り返していくのがやりがいになっている。
今日はお二人の息の合った対話を聞かせていただきました。普段のお仕事ではどんなふうに役割分担されているんですか。
現場では常に情報を共有して、一緒にやっているという感じです。二人が見ているポイントがそれぞれ違うので、当然、得られる情報も違ってきます。それぞれの情報や意見を合わせて、一緒に考えていますね。疑うことが大事で、どんなことにも正解がないので、たとえ師匠である父の言うことでも、それだけではだめです。父親は35年以上やっていますけど、僕たちの意見も聞いてくれる。そういう柔軟性も必要だと思います。
地域の養蜂家と交流があるけど、それぞれやり方はびっくりするほど違うんです。何が正解というのではなくて、環境や状況によって、いかに臨機応変にやれるかが大事ですね。
最後に、これからどんなことをしたいか教えてください。
（小金沢さん）
僕は、ダンスをやっていることからも分かると思いますが、目立ちたがり屋です。でもそれをあからさまに見せたくはない（笑）。もともと両親が、地元で地域の子ども相手に影絵をエンターテイメントとしてやっていました。子どもの頃からそれを見て、すごいことだなぁと思っていて。養蜂もそれにつながると思うんです。先日、ハニーマルシェというイベントをやってみました。すごく楽しかったし、可能性も感じたんです。今後は、蜂蜜という生産物、商品を使うだけではなく、養蜂の現場も活用して、生産とエンターテイメントを結びつけるような活動を広げていきたいと思っています。
（長岡さん）
蜜蜂の社会性を学んで、それを伝えていくことですね。蜜蜂と一緒に生きていると、家族と一緒に働くことができるということが分かりました。僕たちの蜂蜜という商品の美味しさも、他の商品と比べるとみなさんに分かってもらえて、コミュニケーションも生まれる。料理にもつながる。蜂の巣も蜜蝋になり、実際、妻が松ぼっくりに蜜蝋を染み込ませて作品を作ったりしています。それらを、気持ちを込めて、お世話になった人にお渡しできる。つまり、自分が好きな人に全力で尽くしていると、それでお金も得られて生活ができるということなんです。やりたいことに集中して、仲間と楽しく働けて、社会的にもつながることができる。本当にいい仕事だと思っているので、これを続けて、その価値を伝えていきたいです。
予定していた90分は、お二人のテンポのいい会話であっという間に終了。養蜂という仕事、蜜蜂の不思議な生態、蜂蜜の奥深さに理解が深まっただけではなく、蜜蜂や家族、地球環境に対するお二人の熱意と深い愛を感じることができました。お越しいただき、ありがとうございました！
（後日談）
ポップアップブックカフェの2日目、なんと小金沢さんのお父様が会場に来て下さいました。蜂の本がこんなに集められているなんて！と感心して、1冊ずつ丁寧に、熱心にご覧になっていました。そしてなんと、帰宅後に2冊購入されたそうです。プロの養蜂家に本と出会っていただけるなんて、選書者冥利に尽きます。何より、その研究熱心なお姿に、こちらも背筋が伸びました。足を運んでくださって（そして、購入したと報告のお電話までくださって）本当にありがとうございました！
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
蜜蝋キャンドルワークショップのレポートに続きます🕯
お楽しみに！
お知らせ
2023年最初のイベントは1月26日開催予定の読書会です：）お申し込み受付中！詳細はこちらから📚
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？