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しくみとコミュニケーション、どちらが大事?(前編)

こんにちは。aRの三好です。
今日は【しくみとコミュニケーションどちらが大事?】をテーマにお話をしていきます。経営者の方と組織のお話をする際、2つのパターンに分かれることがあると感じます。
1つ目は「最近他社でも取り入れている〇〇というしくみを取り入れたいので教えてほしい」といった「しくみありき」のお話。
2つ目は「しくみよりもコミュニケーションが大事なので、極力しくみは取り入れたくない」といった「コミュニケーション至上主義」 これら2つを比較しながら、組織作りで大事にすべきポイントを2回に渡り解説していきます。

しくみありきについて

「〇〇というしくみを取り入れたい」といった「しくみありき」のパターンについて。勢いのあるベンチャー企業や経営者がロジカルな組織に多く見られます。最先端の時流をキャッチするアンテナを常に張られていて、事業の目的を明確にしながら、ダイナミックに事業を推進されるのも特徴です。

そこで時々起こることが、しくみを取り入れながら「組織をより良くしたい」という想いは非常に熱いものの、会社全体への浸透方法が綿密に練られていない中でのキックオフとなったり、社内の意見よりも社外のプロのノウハウを信頼しがちで、「素晴らしい制度はできたけれども運用できない」というケースがでてきます。

気づけば、しくみを取り入れることが目的となってしまい、いわゆる「仏作って魂入れず」といった状態で「コンサルを入れたけど、高いフィーだけ払って成果でなかったよね…」という典型的なコンサルアレルギーが出来上がってしまいます。過去の私自身の経験としても、このようなケースはよく見てきました。

防止するための具体的なステップとは?

こういった社内での食い違いを防ぐためには下記のステップが必要です。
①しくみを取り入れる目的を明確にする
自社は何で困っているのか?そのしくみ以外に解決する方法はないのか?など、客観的に自社の状況を捉えた上で、しくみを取り入れる目的や背景を明確に、言語化します。

②プロジェクトチームを発足する
経営幹部や管理職でプロジェクトを組む、各部署からメンバーを招集するなど、様々な方法があります。このメンバー選びも、会社からの強いメッセージとなりますので、なぜこのメンバーなのかという理由を明確にしておく必要があります。

③浸透方法・効果測定方法を決定する
どのようにしくみを浸透させるのか、効果はどのように測定するのかを決めます。浸透の際のあるあるですが、②で決定したプロジェクトメンバーが各部署からの招集の場合(プロジェクトメンバー=管理職となっていない場合)は、現場でメンバーが動きにくくならないよう会社からの配慮が必要です。なぜなら、自分が入っていないプロジェクトでしくみ作りが進むことを快く思わない管理職も少なからず存在するからです。
プロジェクトをスムーズに推進するためにも「定期的に会社から管理職に対しプロジェクトの進捗を報告する」といったことや「今回のプロジェクトに関してはプロジェクトメンバーである部下のサポートに徹することを確約してほしいと会社からリクエストする」といったことなども有効です。

④自分たちの言葉を使いしくみを作り上げる
しくみ作りの完成を急ぐあまり、言葉が自分たちのものになっていないケースや外からの借り物で作ってしまうケースがあります。
そもそも、しくみ作りに完成はありません。一度出来たものを現場で使い、ブラッシュアップさせながら運用を継続するプロセスが、しくみ作りであり組織作りです。テンプレートや借り物ではなく、時間をかけてでも自分たちの言葉を紡ぎ出しましょう。

⑤トップ(またはプロジェクト責任者)から全体への説明
しくみを浸透させる際、各プロジェクトメンバーに説明を任せてしまうケースがあります。もちろん最終的には現場で運用しますので、メンバーや管理職が推進していくことにはなります。ただ、その前にしくみを作るに至った背景や、このしくみを運用した先にどういう組織にしたいのかはトップにしか話せないことです。トップの言葉を補足する形でプロジェクト責任者が詳細説明をすることは良いのですが、根幹の部分はやはりトップからの言葉が不可欠となります。

⑥あらかじめ決めた効果測定のPDCAを回す
何度もお伝えしているように、しくみは一度作れば完成というものではありません。現場で効果測定をしながらPDCAを回していきます。また、長期視点でも「前回作ったしくみは今の自社にフィットしているのかどうか」を常に振り返ります。

これら①~⑥を苦しみながらも(正解がないので苦しい作業です)、愚直に取り組むことこそがしくみ作りであり組織作りです。

いかがでしたでしょうか?
次回はコミュニケーション至上主義について解説します。


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