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おまけ(つけあげ)

 「百二十九(つけあげ)」で、自家製の「つけあげ」〈105〉について書いた。

 「つけあげ」は鹿児島県人のソウルフードに近い。漁港がある街には何軒も「つけあげ」などの練り物を作るお店(メーカー)があり、それぞれ独自の配合と味付けを施している。

 わたし自身は、のちに郷里の町と合併した串木野市にあるメーカーの味が気に入っている。一般的に甘いといわれるつけあげの中でも、串木野のものはより甘いらしいが、その味つけも含めて。帰省の際は、わざわざ練り物屋さんまでは行かないが、スーパーなどで串木野のつけあげを必ず買って、肴にする(だいたいわたしだけが喜んで食べているが)。

 ただ近年の健康志向もあって、甘くてカロリーの高いつけあげは敬遠されがちだとも聞く。やはり串木野にある老舗「日高水産」が近年売り出した、グレープシードオイルで揚げたつけあげは、伝統的な味わいを残しながら軽く、群を抜いておいしい。

 個人商店に近い練り物屋さんが徐々に姿を消すことは防げないとしても、時代に合った形で残って行ってほしいと願う。

〈105〉鹿児島以外で「さつまあげ」と呼ばれる練り物。北部九州では「てんぷら」と呼ぶ。
※写真は かごしまの食 >つけあげ より拝借しました。

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