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この4ヵ月間の休業者数の「激減」が、コロナ不況の異常さを象徴している

まさか近所のATMが、パン屋に変身するとは思いませんでした。

在宅勤務が増えたせいでしょうか、東京近郊の駅前はどこも賑わっている気がします。我が家の周辺も同様です。駅前にできたこのパン屋も予約で5日待ちでした。もっとも、パン屋は在宅勤務の増加とはあまり関係ないような気もしますが。

パン屋に限らず、我が家の周辺はちょっとした再開発ブームです。駅ビルが改装されて店舗数が増え、大学の跡地には大型マンションが建ち、本屋の跡地にはコンビニが移転してきて、元の場所にはワインバルが出来そうです。

店舗が増えれば求人も増えます。現在、コロナ禍で失業者や休業者の増加が懸念されていますが、総務省「労働力調査」によると、直近20年8月の日本全体の就業者数(季節調整値、以下も同様)は、新型コロナの影響で最も落ち込んだ20年4月の水準から約30万人増えています。一方、失業者数もこの4ヵ月でほぼ同数の減少となっています。

その間、「影の失業者」と言われている休業者の数は、なんと約420万人も減っています(筆者による季節調整値をもとに算出)。新型コロナの影響で増加した休業者の数は440万人程度とみられますので、その9割超は休業状態を解消した格好です。

ちなみに前述の通り、減少した失業者はそっくり就業者に振り替わっていますし、かつ就業を諦めた人が増えたわけでもないので、この4ヵ月で減少した420万人の休業者(だった人達)の大半は、無事に職場復帰したと考えられます。

大企業・全産業の雇用人員判断DIはマイナス2となり、前回(マイナス3)からマイナス幅が縮小した。DIは人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いたもので、マイナスは人員不足を感じる企業の割合の方が高いことを表す。

現在のコロナ不況の大きな特徴は、景気が悪いにもかかわらず、多くの企業が人手不足のままだという点です企業はいったん従業員を解雇すると、再び採用するのに多大なコストや機会損失を負う事になりかねません。

もちろん雇用されている側としては、将来の雇用不安はなかなか払拭しないでしょう。それは私自身も実感しているところです。ただ、企業は企業で、将来の労働力不足という不安を抱えているわけです。

以下の記事でも紹介されているように、日本の雇用環境は、すでにコロナ不況とは別の次元に入ったように思います。

#日経COMEMO #NIKKEI

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