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菅首相は消費増税を「減税」に巻き戻している

政府は、携帯電話の通話料金を4割ほど下げたい模様です。4割というのは結構な値下げ幅です。通信会社には気の毒な話ですけれども、もし実現すれば、消費者の負担はかなり軽減するでしょう。

手元の計算では、携帯通話料金の4割値下げによって、物価全体(消費者物価指数)は0.8〜0.9%ほど下がります。一方、先般のGoToトラベルで物価は約0.4%下がりましたし、一連の教育無償化でも物価は0.6〜0.7%ほど下げられています。これらに携帯値下げを加えると、合計で2%弱も物価が下がる計算になります。

19年10月に、消費税率が2%引き上げられました。しかし、軽減税率の適用品目を除けば、実質的な物価上昇幅は1%程度です。そう考えると、消費増税分は「教育無償化+GoToトラベル」で事実上チャラになっている訳ですが、さらに携帯値下げが実現すれば、なんと消費減税になってしまいます。

もともと安倍政権は消費税嫌いでしたが、なんだかんだで2回も消費増税をやる羽目になりました。アベノミクス継承を掲げる菅首相は、建前では消費減税に反対としながらも、実質的には消費増税を「なかった事」にしたいのでしょう。大した政治手腕です。

事実上の消費減税に、国民が消費支出の増加で応えてくれると良いですね。もちろん投資の増加でも結構ですし、個人的にはそのほうが嬉しいです。






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