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【ダメ、絶対】ハラスメントの知識、アップデートできていますか?

建設業界に対する負のイメージとして多く上がるのが「ハラスメントが横行している」というものです。
しかし、これは建設業界に限ったことではありません。
人間同士が同じ空間で仕事をする上で、大なり小なり発生してしまうことですが、それらは本来決して許されることではありません。

今回は、どんなことがハラスメントに該当するのかをざっくりと紹介いたします。
どんなことがハラスメントにあたるのか、改めて考えることで自分が加害者にならないように、また被害にあった時に対処ができるようにしていきましょう!


①暴言や高圧的な態度

上司や役員など上の立場から部下や社員、また客(カスタマー)から店員や営業に対して発生しやすいです。
「こんなこともできないのか」「クズ」「バカ」「躾がなってない」など、相手が不快になる言葉や、立場を利用して相手に圧力をかける行動や言動はパワハラ、モラハラに該当します。
また、無視やため息など、態度で相手に圧をかける行為もモラハラに該当します。

たとえ自分が相手より上の立場だとしても、それは所詮会社という社会から見れば狭すぎる範囲だけのものでしかありません。
法のもとではそんなものは関係なく、他者への攻撃は等しく罰せられます。
指摘や叱咤と、暴言は全く別物です。ミスを指摘し改善を促すために言葉を選ぶとき、暴言しか出ないのであればそれは完全に叱責する側の力量不足でありモラル不足なのです。
また、自分の中では"正当な指摘・叱り"と思っていても、第三者から見て仕事や起こった現象や相手に対して正当でなく、ただ感情的に怒鳴り威圧的な言動・行動をしていればただのハラスメントです。



②性的な発言や行動
恋人の有無やプライベートへの過度な介入、身体的な接触や結婚・出産への言及、容姿や体型への言及など、セクシャルハラスメントは性別関係なく最もフランクに行われるハラスメントです。
「恋人いるの?結婚してるの?妊娠出産する気あるの?子供作らないの?」
「スカート短くない?最近化粧濃いね。体臭キツくない?太った?」
「髪薄くなってきたんじゃない?育児しなさそう。不倫してるでしょ」
話しかける側にとって"気さくな日常会話"と思っていても、相手にとって不快であればセクハラになります。
そもそも、人が自分から話さない限り聞くべきではないですし、そんなこと他人がとやかく言うことではないのです。

男性から女性へのセクハラが取り沙汰されることが多いですが、同性同士や女性から男性など性別関係なく、相手のセクシャリティーに介入したり揶揄することはNGです。
また、度が過ぎれば犯罪になることもあります。


③仕事を教えない、回さない
仕事を教えず「見て盗め」「自分で考えろ」と教育を放棄することや、仕事をさせない、仕事に必要な情報を故意に回さない行為はモラルハラスメントにあたります。
逆に、相手の力量やキャパシティを超える仕事を押し付けたりする行為もハラスメントに当たります。
仕事をタネに相手を貶める行為は、会社の業務にも支障が出ます。
相手に伝えればスムーズに仕事が回るにもかかわらず、故意に情報や仕事を回さないという行為は何の利益にもなりません。

そのことを理解せずそんな行為をする人が果たして”仕事ができる人間”なのでしょうか?
上の立場から下の立場だけでなく、同僚同士などでも発生しやすい行為のため、社員同士の関係性を注視し、コミュニケーションの改善や対応をする必要があります。



④飲酒や接待の強要
アルコール類の摂取を強要したり、無理やり飲ませるなどの行為は絶対にしてはいけません。大人だから、社会人だから酒飲むのが常識!というのは全くの間違いです。
相手が断れない状況を作り飲み会や接待に連行する行為もハラスメントに該当します。
また、終業後の接待は業務に当たると判断され、残業代の支払いが発生します。それを支払っていないのであれば、ハラスメントに加えて労働基準法違反に当たります。

アルコールは人体に急激な変化をもたらします。
アルコールに耐性のない人やアレルギー体質の人にとっては少量でも命に関わりますし、耐性があっても急激かつ大量の摂取は命を落とす危険性があります。

「今までそんなことはなかった」「気のせい」と他人を命の危険に巻き込むなら、1人で死地に赴いて欲しいものです。

また、性的なサービス店への同行を強要する行為はセクハラに当たります。
男なら風俗に行くのは当たり前!ついてこい!などと部下を連れていくのは男性社会ではよくあることなのかもしれませんが、そこに相手の同意がなければ同性同士であっても立派なハラスメントです。



⑤暴力
犯罪です。
小突いたり、物を投げつけたり、つねったり、髪を引っ張ったり、相手に危険な状態を作りだすなど、精神的・肉体的な被害を与える行為はハラスメントを通り越して犯罪です。
傷が残らないから大したことない、仕事ができないのだから叱咤されて当たり前、これは暴力ではなく愛の鞭。教えてやっているのだ、と加害者側がどれだけ正当化しようが社会的に立派な犯罪です。
胸ぐらを掴むなど、相手に傷害が発生しない場合でも暴行罪に問われます。
また、相手が怪我や心身的被害を受けた場合は傷害罪となります。
暴行罪・傷害罪は非親告罪のため、相手が訴える・訴えない関係なく罪に問われます。

また、精神的な攻撃で相手が精神的ストレスから病気を発症したりなども傷害罪に問われる場合もあります。

気に入らない、イライラした、相手が悪い、そんなことは関係なく他人に暴行を加えた時点で犯罪者なのです。


上記以外にもハラスメントに認定される行為はまだまだたくさんあります。
基本的に「他者が不快に感じること」「差別を助長する発言・行為」「他者を傷つける発言・行為」「立場を利用して他者を抑え付ける、妨害する」などはしてはいけないということです。

ハラスメントは加害者側に自覚がないことが多いのです。
「こんなこともハラスメントって言われるようになって、息苦しい世の中になった」
「昔は全然問題ないことだったのに、今はうるさく言われる」
「この程度でセクハラ、パワハラとか耐え性がないだけ。こんなことで傷つく方が弱い」

という意見が必ず出ますが、昔は問題なかったのではなく昔もそれらの行為に苦しめられている被害者はたくさんいたけど声を上げることができない時代だった、というだけなのです。
他人に危害を加える行為が、"そのくらい"と加害者目線でなあなあにされてきただけ。
ハラスメントとは、加害者側の感覚ではなく被害者・第三者・法律が加害であると認定するのです。
こづいただけと言う側が、殴られた側の痛みを測ることはできません。

被害を受けてきた人たちは何も救われてこなかった時代から、被害を受けたら声を上げられる社会・被害を受ける必要のない社会になってきているのです。
上記のような発言をする人たちは皆「自分が被害に遭うことを想定していない」のです。
自分が被害にあった時、"そのくらい"と我慢できるのでしょうか?

自分が被害者にならないためにも、そして加害者にならないためにも、ハラスメントに対する意識をアップデートしていくことが大切です。


今日、通勤のために電車に乗っていたところ、隣の初老の男性が目の前の女性を撮影しているのに気づいて腕を掴んで確保し、被害者の方と一緒に警察に行きました。
女性はパンツスーツスタイルで、いわゆる"性犯罪を起こさせるような服装"でもなんでもありませんでした。
それでもこのような行為をする人は居るのだと実感しました。
撮影をした男性にとって「なんとなく」「その場のノリで」「思いつきで」行ったことかもしれませんが、撮影された側にとってどれだけ辛いことか、不快なことか、社会的に許されない行為かを理解せず行動に移すというのは、抑制心や倫理観、常識を大きく欠いた行為です。
ハラスメントも同じく、自分がその行動をどう思っていようが、被害者にとっても社会的にも許される行為ではないことを自覚し、自分が加害者にならないよう心がけていく必要があります。



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