「東京恋物語」第五話:動き出す歯車
四月中旬に奈々子と出逢い、これからのミッションともいえる行動計画を練った、あの甘美でもあり、男として覚悟を決めた日から、すでに二週間ほどが過ぎていた。そんな四月も末にさしかかった平日の午後、いつも通りの日常を過ごしていた祐太郎は、自分の乗務する車を回送表示にして、西早稲田にある本社パーキングビルの六階に車を停めた。そして、遅い昼食をとるため、休憩室へと入って行った。
休憩室の奥にあるテレビには、お決まりのように多くのCMが流れている。
「すみません、ちょっとチャンネルを変えて