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国連総会でパレスチナ全域の支配を強調するネタニヤフ首相とパレスチナへの共感を国際社会に促すラテンアメリカ諸国の首脳たち
イスラエルのネタニヤフ首相は国連の一般討論演説で、22日、パレスチナ全体をイスラエルが支配する地図を示し、パレスチナへのイスラエル一国支配の姿勢をあらためて見せた。またイランは核攻撃の脅威にさらされていると脅迫的とも思われる発言をした。
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岸田首相は21日、国連安保理でロシアのウクライナ侵攻を国際法違反だと断じ、ウクライナを訪問して胸が張り裂ける思いだったと述べたが、他方でラテンアメリカ諸国の首脳たちは一般討論演説で、ウクライナ戦争よりむしろ中東のパレスチナ人たちが置かれた境遇に注意を向けるように訴えている。パレスチナへの注意や共感を呼びかけたのは、チリ、キューバ、ブラジル、ボリビア、コロンビアの首脳たちだ。
世界で最も若い政治指導者のチリのボリッチ大統領(1986年生まれ)は、世界がパレスチナへの不当な占領に沈黙してはならないと訴え、パレスチナの民族自決権(国家独立)を強調した。人権活動家でも知られるボリッチ大統領はいかなる時代、地域でも人権が擁護されなければならないと語っている。
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ブラジルのルラ大統領も世界は平和をなくして持続や繁栄はあり得ないと述べ、パレスチナ問題を「古い紛争」と形容し、その脅威や懸念はいまだに増大しつつあり、パレスチナの人々が国家を創設するのがいっそう難しくなっていると語った。ルラ大統領はパレスチナ自治政府のアッバス議長とも会談を行い、ブラジルのパレスチナ支援と、パレスチナとの友好を確認した。
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コロンビアのペトロ大統領はウクライナが欧米諸国に恩恵を与えているのに(武器売却のことを指している)、欧米諸国のパレスチナに対するアプローチはまったく異なっていると述べた。ペトロ大統領は、国際社会はウクライナとパレスチナの和平会議をできるたけ早く開催すべきだと提案した。ペトロ大統領は、SDG(持続可能な開発目標)は国際的な不公正、不公平がある中では達成されることがないことを強調した。
ボリビアのカタコラ大統領は、国際社会にイスラエルのパレスチナ占領をやめさせるように訴え、1967年の第三次中東戦争以前の境界に基づいて自由で、独立した、エルサレムを首都とするパレスチナの主権国家創設を訴えた。カタコラ大統領は、いかなる覇権にも屈することのない強力な国連の機能を構築することを訴えている。キューバのベルムデス大統領はパレスチナ人に対する支持と連帯を確認し、彼らに対する専横的で、一方的に科せられる過重な政策を否定した。
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国連の機能が弱まっている一つの理由は、欧米諸国がロシアによるウクライナ侵攻に重大な関心を寄せて武器供与を積極的に行うのに対して、イスラエルのパレスチナ占領には沈黙していることがある。国連でパレスチナ支持をラテンアメリカ諸国があらためて表明したのは、ラテンアメリカ諸国に対するアメリカによる介入の歴史を背景にするものでもある。パレスチナ問題で、イスラエルが国際法に違反し、そのイスラエルをアメリカが支援することは、ラテンアメリカ諸国をはじめとする「グローバルサウス」がアメリカを信頼できない要因や背景となっている。たとえばメキシコはウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁にも参加せず、アメリカとは距離を置く、ウクライナ政策をとるようになった。
パレスチナは世界で80カ国余りに大使館をもっているが、そのうち12カ国はブラジル、アルゼンチンを含むラテンアメリカ諸国にあるように、ラテンアメリカ諸国のパレスチナ支援は顕著になっている。
22年8月の親米右派政権が続いたコロンビアでの左翼政権誕生は、アフガニスタンで親米政権が失敗した中東と同様に、ラテンアメリカでもアメリカの影響力が退潮していることを表すものだった。2021年にはチリ、ペルー、ホンデュラスで左翼政権が誕生し、これに2022年のコロンビアとブラジルが続き、アメリカのラテンアメリカにおける覇権は大いに動揺するようになった。左翼政権は一様にイスラエルによるパレスチナ人の人権侵害に批判的で、こうしたラテンアメリカの姿勢がイスラエルに対する圧力になることをパレスチナ人たちは期待している。パレスチナ・ガザ地区ではイスラエルがガザの産品の輸出を禁じるなど依然として強圧的姿勢が続き、パレスチナ人たちを経済的困苦の下に置いている。
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https://www.meti.go.jp/press/2023/09/20230904005/20230904005.html?fbclid=IwAR0MEyKzon__GHTOsQtZxzIhnzCgFCvTEeAKp5DtukmbqJfISgc31Q_7yiA
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