最近の記事

大谷選手の50・50の達成 ―世界ぜんたいを幸せにしてくれる

 ドジャースの大谷翔平選手がホームランと盗塁の51・51を達成した。私が大谷選手の試合を観ると、ホームランを打たないことが多いので、最近は観ることがあまりなく、ニュースで活躍を知って喜んでいたのだが、今朝はたまたま衛星放送の中継を最初から最後まで観たら偉業の達成となった。子どもの頃、少年野球のチームに入ったり、中学校でも野球部に所属したりしていたので、野球好きの私にとっては大谷選手の活躍はとても嬉しく思える。日本人の選手がメジャーリーグでホームラン王になることなど、子どもの頃

    • ポケベル攻撃は賢明ではない ―イスラエルの無差別攻撃

       レバノン保健省によれば、ポケベルなど通信機器数百台が爆発し、2日に渡る攻撃で30人余りが死亡し、4、500人が死亡した。  イスラエル政府はコメントを出していないが、動機や技術から考えれば、イスラエルによる攻撃だと考えられている。イスラエルはヒズボラが多く使うポケベルや通信機器に爆弾をしかけたのだろう。イスラエルは、市民が犠牲になることを想定して攻撃を行ったが、軍事目標と民間人を区別しなかった。攻撃目標を軍事目標に限定しないことは国際法によって禁じられている。  国連総

      • 国連総会、イスラエルの占領を終わらせるための闘争 ―さて日本は? 

         国連総会で17日、イスラエルによるパレスチナ占領政策への対応を協議する緊急特別会合が始まったが、1年以内に占領を終結させるようイスラエルに求める決議案の採択を目指している。7月にイスラエルのヨルダン川西岸占領は国際法違反だという判断を国際司法裁判所が下したが、これを受けてイスラエルの占領に対する対応を協議する。現在、ヨルダン川西岸で、パレスチナが行政と警察権をもつ地域はわずか18%にすぎない。  日本も明確にイスラエルの占領終結を支持する立場を明確に訴えてもらいたい。  日

        • 自民党は旧統一教会との関係をうやむやにできない

           今日の朝日新聞朝刊の一面に安倍晋三元首相と、旧統一教会の幹部が並ぶ写真が掲載された。ワシントン・ポスト紙のシニア・エディターのマーク・フィッシャー氏が22年7月に書いた記事によれば、旧統一教会は韓国で生まれた組織であるにもかかわらず、その資金の実に70%を日本から調達していた。1970年代中期から1980年代中期まで統一教会は日本で得た8億ドルの資金を米国にもち込んだことが統一教会の日本人元幹部によって語られている。Suspect in Abe assassination

        大谷選手の50・50の達成 ―世界ぜんたいを幸せにしてくれる

        • ポケベル攻撃は賢明ではない ―イスラエルの無差別攻撃

        • 国連総会、イスラエルの占領を終わらせるための闘争 ―さて日本は? 

        • 自民党は旧統一教会との関係をうやむやにできない

          衰退するシオニズムの自壊作用 ―シオニズムには重大な欠陥があった

           東京外国語大学名誉教授で、平和学研究の伊勢崎賢治さんがフェイスブックに英語で 「私たちはホロコーストの記憶にレクエイムを捧げ続けます。私たちは、戦後すぐにジェノサイド条約と世界人権宣言の制定に尽力したユダヤ人の方々に今でも感謝の意を表します。 しかし、私たちは、他の人々に対する現在の残虐行為を正当化するために、民族の悲劇的な記憶を政治的目的に利用する国家の狂気を認めるようになりました。世界の国民はもはや、イスラエルを国家として神聖化する言説に騙されることはないでしょう。シ

          衰退するシオニズムの自壊作用 ―シオニズムには重大な欠陥があった

          チャールズⅢ世とイスラム世界 ―イギリス国王はイラク戦争に反対し、パレスチナに同情した

           イギリス国王のチャールズⅢ世から日本人が即座に連想するのはダイアナ妃との結婚、カミラ夫人との不倫とダイアナ妃との離婚なのかもしれない。あまり肯定的なイメージはないかもしれないが、しかしイギリスの王室史上最もイスラムを知り、イスラムに親近感をもっていると見られ、中東イスラム世界ではチャールズⅢ世の即位を歓迎するムードがあった。(Peter Oborne , Imran Mulla,"Charles III: How the new king became the most p

          チャールズⅢ世とイスラム世界 ―イギリス国王はイラク戦争に反対し、パレスチナに同情した

          日本・トルコ国交樹立100周年と、日本を評価してきたトルコはガザ住民に深く同情する

           第一次世界大戦で中央同盟側についてオスマン帝国が敗れ、トルコ共和国が成立したのは1923年、その翌年に日本がローザンヌ条約を批准し、発効したことによって、日本とトルコ共和国の外交関係が始まった。今年は国交樹立100年で、全日空の羽田~イスタンブール線の就航や秋篠宮夫妻のトルコ訪問なども計画されている。  トルコと日本の外交関係は、オスマン帝国時代からすでにあり、1887年日本の皇族である小松宮彰仁親王は、1889年(明治22年)にトルコを訪問した。ヨーロッパ列強の植民地主

          日本・トルコ国交樹立100周年と、日本を評価してきたトルコはガザ住民に深く同情する

          イスラムへの信頼が希望の光となる  ―パレスチナ人支援に生涯を捧げたトルコ系米国人女性

           9月6日、パレスチナ・ヨルダン川西岸ナブルス近郊でイスラエルの入植地拡大への抗議活動に参加していた米国籍で、トルコ系の人権活動家アイセヌル・エズギ・エイギさん(26)がイスラエル軍に頭部を撃たれて殺害された。  10日、中東の専門サイト「ミドル・イースト・モニター」に「トルコ系アメリカ人の活動家アイセヌール・エズギ・エイギの生涯と遺産:パレスチナの希望の光(The Life and Legacy of Turkish-American activist Aysenur E

          イスラムへの信頼が希望の光となる  ―パレスチナ人支援に生涯を捧げたトルコ系米国人女性

          中村哲医師が感じていた平和のシンボル日章旗への誇りと911が変えた日本

           アフガニスタンではどんな山奥に行っても日本人であることは安全保障だったと中村哲医師はその著書などで回想している。日本人というだけで命拾いをしたり、協力を得られたりすることは数知れず、車両や診療所には必ず日章旗をつけていたとも語っている。日章旗は中村医師の誇りでもあった。  しかし、2001年の911同時多発テロ後に日章旗に対する信頼が揺らいでしまったのではないかと中村医師は危惧するようになった。日本国内では、911の同時多発テロへの同情からアメリカに対する協力は軍事的なも

          中村哲医師が感じていた平和のシンボル日章旗への誇りと911が変えた日本

          日本の政治の議論から消える外交問題と、米国では語られぬパレスチナ問題の歴史

           毎日、自民党総裁選と立憲民主党代表選に関するニュースが報道されているが、誰からも外交問題に関する見解が聞かれない。パレスチナの「パ」の字も、ガザの「ガ」の字もない状態だが、ガザについて考えをもっているとすれば、ガザ問題に関する「人道外交議員連盟」会長を務める石破茂氏と上川陽子外相ぐらいだろうか。上川外相は国民とともに「新しい景色を見たい」と総裁選への抱負を語っているが、イスラエル人元人質を抱擁しても、ガザのパレスチナ人と面談することがない姿勢を見ると、彼女からは米国だけに配

          日本の政治の議論から消える外交問題と、米国では語られぬパレスチナ問題の歴史

          9.11  あの日が変えた私の人生

           明日9月11日で米国同時多発テロが発生してから23年になるが、9日夜放送されたNHK「映像の世紀 バタフライエフェクト 9.11  あの日が変えた私の人生」では911で息子を失った二人の日本人の父親の23年間の姿を中心にテロや戦争、家族愛や、他者への寛容などを考えさせる内容だった。  白鳥敦さん(当時36歳)は、ビル105階で働く証券会社のトレーダーだった。父親の白鳥晴弘さんは、息子の小さな骨片2つを渡されたが、なぜ息子が殺されたのかを尋ねるためにテロの1年後にオサマ・ビ

          9.11  あの日が変えた私の人生

          求められるICC締約国の結束と、ノモンハン事件85年の教訓

           ロシアのプーチン大統領がモンゴルを訪問したが、国際刑事裁判所(ICC)の締約国であるモンゴルはICCから逮捕状が出ているプーチン大統領を逮捕することがなかった。プーチン大統領はモンゴル訪問の前にモンゴル政府から逮捕しないという言質を得ていただろう。エネルギーをロシアに依存し、ロシアと国境を接するモンゴルにはロシアとの外交的トラブルはその安全保障にも重大な影響を及ぼすことになる。  ICCはイスラエルのネタニヤフ首相、ガラント国防相、ハマスのハニヤ最高幹部、ハマスのガザ地区

          求められるICC締約国の結束と、ノモンハン事件85年の教訓

          破綻するシオニズム ―ガザ戦争でイスラエルを離れる人々

           昨年10月7日のハマスによる奇襲攻撃は、イスラエルの安全保障に対する信頼を動揺させることになり、イスラエルで活動していた企業にも資本を引き揚げる動きが見られるようになった。ガザでの戦争の継続、ヨルダン川西岸の不穏な情勢はイスラエルの安全への信頼を低下させたことは否めない。イスラエルはスタートアップ産業などで世界の注目を集めていたが、ガザ戦争で予備役を招集したことはイスラエルの産業から労働力を奪うことになり、経済の低迷を招いている。  イスラエルはシオニズムのイデオロギーに

          破綻するシオニズム ―ガザ戦争でイスラエルを離れる人々

          川口市におけるクルド人ヘイトの問題とゲッベルスの相似性

           埼玉県川口市でクルド人に対するデマやヘイトが目立つようになってから1年余りが経つ。「川口市、発砲事件、犯人はどうせクルド人でしょ」「クルド人は野蛮な人種だから強制送還した方が良い」「クルド人はテロリスト集団」などの書き込みが✕には続き(東京新聞今年7月15日)、さらには「帰れ クソゴミクルド人 犯罪者、トルコへ帰れ」「お前らクルド人全員殺してやるからな 覚悟しとけ」「はよしねよクルド人 気持ち悪い人種は生きんな はよじさつしろ」「皆殺しにして、豚の餌にしてやる」など聞くに耐

          川口市におけるクルド人ヘイトの問題とゲッベルスの相似性

          中村哲医師が教える平和創造のあり方と「インシャッラー」

           イスラエル軍がヨルダン川西岸のジェニンの町のアスファルト道路を破壊する動画を見て、中村哲医師のことを即座に思い出した。イスラエル軍がしていることは生活破壊であり、ハラスメントとしか言いようがないもので、中村医師がアフガニスタンで行っていた現地の人々の生活創造とは真逆なものだ。イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使と「プライムニュース」で同席した時、大使の父親がアフガニスタン出身と聞いたので、アフガニスタンでの中村医師のように、ガザの人々の生活支援を考えたほうが、暴力の減少に

          中村哲医師が教える平和創造のあり方と「インシャッラー」

          アンジェリーナ・ジョリーのガザ攻撃告発と、イスラエル軍のヨルダン川西岸攻撃は暴力の増幅を生む

           ユダヤ人の影響力の強いハリウッドの映画界にあって、俳優がイスラエルを批判するのは勇気のいることだが、女優のアンジェリーナ・ジョリーは明白にイスラエルのガザ攻撃を非難するようになっている。彼女はインスタグラムに下のように書き込んだ。 「これは、逃げ場のない閉じ込められた住民に対する意図的な爆撃です。ガザは20年近くにわたって天井のない監獄として放置されており、急速に集団墓地となっています。殺害された人々の40%は罪のない子どもたちです。家族全員が殺害される場合もあります。世

          アンジェリーナ・ジョリーのガザ攻撃告発と、イスラエル軍のヨルダン川西岸攻撃は暴力の増幅を生む