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日々のこと 0408 東京の映画館が閉館した日

とうとう東京じゅうの映画館が休館してしまった。やむを得ないこととはいえ、ありえん。信じられない。

先日書いた「ミニシアター、今どうしてますか?」という記事。
思いがけずたくさんの方に読まれ、広くシェアしていただいた。初めてやった「有料」記事もいまだ購入が途切れず続いている。私が一番ビックリしている。映画界の皆さま、映画ファン、劇場ファンの皆さま、本当にありがとうございます。

大きな媒体でもなくニュースサイトでもなく、個人のnoteに書いたこの記事は、本当にたくさんシェアしていただいたおかげでテレビの報道番組にも届き、全国ネットで名古屋のミニシアター・シネマスコーレの窮状が紹介された。
さらにそこからプロジェクトとして行動を起こしてくださる方々が次々と現れ、全国のミニシアター・映画館を救おうという動きは少しずつ強固になっている。とても嬉しい。本当に心強い。

でも寄付とか個人支援は一時的なものにすぎない。コロナの波に終わりがまだまだ見えない以上、ボランティア的な支援では耐えられなくなるのは時間の問題。結局は国からの補償給付という話になるのだけれど、それもまだ見込めない状態。当面は応援してくれる人の善意に頼るしかないのが現状なのだと思う。

映画館が映画を見せる以外の方法で、一時的でも収益を上げていく方向にスイッチングするのは簡単じゃない。各館それぞれの事情もある中で、ネット決済だ配信だといってもすぐには手がつけられない実情があると思う。
苦しいのは何もシアターだけではない。支援する側だって実際には支援してほしい側でもあるはず。その中で迅速に的確に、行動力とアイデアでもって動いてくれる人たちがいる。それが本当に嬉しい。

私は「手をつなぎ合おう」「心を一つに」みたいなことがもともと苦手な性分で、SNSも、なんか得意じゃない。攻撃的に使われる「負のパワー」が結集した時の怖さを何度も見た気がするし「ネットって怖いね~」という言葉も、これまで何度も口にした気がする。
それが今回、ネットのパワー、SNSの力が、こんなにありがたく、心強く感じられたのは初めて。「世の中、捨てたもんじゃないな!」と本当に思った。

「みんな勝手な正論ばっか言いすぎ。ツイッターとか見るのしんどい。身体より先に精神がやられそう」と、何人かの知人がSNSを離れていった。よく分かる。それでなくても真っ直ぐに立ってるのがやっとのような不安だらけの日々の中では、私もやっぱり見ていて時々つらい。

それでも、こういう非常事態に、自分をさておき助けてくれようと手を伸ばしてくれる人がいること。自分にも大事な場所だから一緒に守りたいと言ってくれる人たちがたくさんいたこと。
私は本当に、嬉しかったです。

現実は日に日に悪化している。先が見えず、まだ何ひとつ解決していない。それでも、別方向ながらも今回のことは、ある種の光のようにも感じられた。
「座して死を待つよりは」。想田監督が「仮設の映画館」テキストに書かれていた、そんな言葉の精神で、私もまだ自分自身を続けていきたいと思っている。

楽しんでいきましょ。ほどほどにね。




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