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日々のこと 1103 佐伯慎亮さんの話

このところ大阪が好きです。楽しいことばかり起こります。
先月の終わり、また大阪で楽しいことがいろいろありました。そのうちのひとつを。

佐伯慎亮さんという写真家がいます。写真集「リバーサイド」に惹かれたのが、昨夏の終わり。その佐伯さんの写真ワークショップに参加してきました。
参加者は十数名。阿倍野を拠点に、午前中からほぼ一日がかり。主催は大阪市。とても充実した内容でした。

カメラは仕事で必携だけど、自信はない。使い方を勉強できたらいいな。でもそれより何より、佐伯さんに写真を教われるってスゴい。大阪以外からの参加は私のみで、何十年も写真をやってるような方も多く、少々ビビりつつ始まりました。

佐伯慎亮:1979年生まれ。広島県出身。大阪芸大写真学科卒業。関西を拠点に被写体を限定せず、日常のあらゆる場面で生と死と笑いを収集。現在は淡路島在住。(プロフィールより)

まずは、佐伯さんがご自身の作品を見せながら経歴を振り返るレクチャーから。いっぱい写真を見たよ。
もともとは映像に進みたかった佐伯さん、大学の映像学科に受からず写真学科に入ったとのこと。その後、本格的に写真の道へ。

学生時代の「hsw!」から転機になったという一枚。佐伯さんはお寺の息子で、戦没者供養に行くおじいちゃんにくっついてレイテ島へ。沈痛な雰囲気の中、元気なアヒルの群れが横切って行ったそうです。

で、写真集「挨拶」(2009年・赤々舎)。↓




インドで撮った死体の写真と、大阪で見た廃バイク。「インドまで行かなくても、近くにあった!」と、愕然としたそうです。

そしてお母様との死別や、自分の家族を写した「リバーサイド」(2017年・赤々舎)。↓ 
二枚目の写真、柱に登った上の子ども、遺影に合掌している。




お母様の亡骸と、付き添われたお姉さんの間を走る光。寝起きの奥さんと息子の間をつなぐ、光。

一時間ほどかけて数多くの写真を見て、解説を聞きました。その中で聞いた「僕は、複数の違った感情がひとつの場所にある写真が撮りたいんですよね。厳かな中のアヒルの群れとか、葬儀会場で楽しそうな親戚一同とかもそう」という佐伯さんの言葉に、衝撃を受けました。
ああ、それだ、と思った。

私は今まで、例えば映画でも「自分でも分からない感情になる映画が好き。嬉しいのか悲しいのか分からない、もやもやするものが好き」とか何とか言ってたんですが、それかもしれないと思いました。そうか、私はそういうものが好きなんだ。なんか分かった。もうこれを知れただけで参加した甲斐があった。モトとれた。まだカメラは触ってもいないけど、すでに満足です。笑

後半へつづく。(ことにしよう)

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