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キングダムで学ぶビジネスフレームワーク入門|『PEST分析』で秦の現状と今後を整理する

こんにちは、ビジネスに役立つマンガを紹介している経営コンサルタントのみやおです!

今回は、ビジネスフレームワークをマンガ『キングダム』で説明する、という記事です。

なぜキングダムか、というと単純にめちゃくちゃ面白くて熱い最高のマンガで大好きだから、なのですが…

少し理屈を付け加えると、ビジネスの理論は戦争時に考えられたものが多く、戦争がテーマのマンガと相性が良いから、というのがあります。

ビジネスフレームワークとは?

分析などを行う「枠組み」のことです。単にフレームワークともいいます。

枠組みに当てはめて考えることで、次のようなメリットがあります。

-思考や状況が整理される
-抜け、漏れ、だぶりが無くなる
-相手に伝わりやすくなる

世の中には様々なフレームワークがあり、ビジネスを行う上で共通認識になっているものも多くあります。そのため、会社員の方が事業の分析をしたり、プレゼンしたりする時によく使われます。

一方、フリーランスや個人商店の方にも役立つものです。今後の自身の方針を決めるために状況を整理する、という使い方もできるので、オススメです!

今回の記事では数あるフレームワークの中から、環境分析を行う時に便利な「PEST分析」を取り上げました。

環境分析とは?

自分たちを取り巻く状況を整理して分析することです。

社会のような世の中全体を分析するマクロ環境分析と、自身にとって身近なものを分析するミクロ環境分析があります。マクロで大きな流れを掴んで、ミクロで詳細に分析するという流れが一般的です。

PEST分析はマクロ環境分析の代表的なフレームワークになります。

※以下、コミックス58巻時点の情報に基づいて分析を行っています。未読の方はこの機会にぜひ!

キングダムにおける環境分析

環境分析をどういう場面で使うのか?というと、戦略を検討する前に状況を整理する目的で使います。

キングダムで言うと、飛信隊をさらに大きくする戦略を練る前提として秦の状況を整理する、という感じです。

主人公『信』は「天下の大将軍になる」というビジョンをもっています。それを実現するために、隊長を務める『飛信隊』をより大きな部隊にする、というミッションがあります。

(隊長の信と飛信隊の隊員)

これらを実現するために戦略を練る必要があるのですが、その前提としてPEST分析を行う、というものです。

PEST分析とは?

PESTとは、次の4つの頭文字を取ったものです。

Politics:政治
Economy:経済
Society:社会
Technology:技術

この4つの切り口で多面的にマクロ環境を整理することがPEST分析となります。

これをキングダムで考えて、秦国の状況をPESTに従って整理していくと、このようになります。

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こちらについて、一つ一つ説明していきます。

P-政治

長らく秦王『政』と相国『呂不韋』の政争が続き内政が乱れていた。しかし、平定されたため現状は政治情勢は安定している。今後は中華統一のため六大将軍が復活するため、人材登用が活発になる見込み。

E-経済

呂不韋の治世により経済は豊かであるが、現状は合従軍戦など大きな戦争が続き、財政を圧迫。ただし、大戦では勝利を重ねて領土が拡大しているため、今後は経済成長の可能性がある。

S-社会

6ヵ国が合従軍として攻めてきた際には、平和が脅かされ社会に不安が広がった。しかし、それを秦王政の指揮下で退けたことから、現状は国民が団結し社会情勢は安定。今後、他国を併合していく際には文化の違いを乗り越えることがカギに。

T-技術

毒の研究が盛んな『韓』や特殊な兵器を用いる『魏』、象をも戦争に使う『楚』など、現状は他国と比較して兵器は一般的なものを使用。今後は、より多くの戦争をしかけるため、革新的な兵器の開発も必要。

まとめると、内戦や合従軍戦などを経て国内は安定しマクロ環境は改善しているという状況です。

マクロ環境が悪い場合は、積極的な投資が控えられたり「守り」に入ることが多くなります。一方、マクロ環境が良い場合には「攻め」に転じることが多く、秦で言えば他国を攻める絶好の機会を得たと言えます。

このような国全体の動向を踏まえて、今度は飛信隊にとってより身近な環境を分析していく、という流れになります。

PEST分析のポイント

効果的にPEST分析を行うには2つポイントがあります。

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1つ目は、「事実と解釈を混ぜない」ということです。上の表でいうと「秦の現状」は作中で言及がある事実ですが、「今後の見通し」は事実を踏まえた解釈になります。

これがごちゃ混ぜになっていると、議論の焦点がぼやけてしまう、ということが起こります。事実よりも解釈を議論すべきなのに、事実を議論してしまい時間がムダになる、みたいなケースです。

2つ目は、「変化を意識する」ということです。マクロ環境は常に変化しているので、そのトレンドを掴みながら分析すると良いとされています。

現状の分析だけだと、環境の変化に対応できなくなる恐れがあるので、将来的に起こる可能性が高いことを考慮する必要があります。

この2つのポイントを意識すると、より解像度の高い分析ができるのでオススメです!

まとめ

ということで今回はマクロ環境分析のフレームワーク「PEST分析」を紹介しました。大きな世の中の流れを、政治・経済・社会・技術の4つの視点で分析するものです。

よろしければ、ぜひ使ってみて下さい!

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