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生活保護に救われた受験生の頃の私と『健康で文化的な最低限度の生活』

こんにちは、マンガ好きな中小企業診断士(経営コンサルタント)のみやおと申します!

最近、生活保護のケースワーカーの奮闘を描いた『健康で文化的な最低限度の生活』というマンガを読みました。

この作品に登場するケースワーカーとは、生活保護を受けている人たちの状況を定期的に確認して、必要に応じて援助を行い、自立の手助けをしている福祉事務所の職員のことです。

生活保護に絡めて貧困問題などについても考えさせられるマンガで、多くの方に読んでもらいたい作品でした。

また、個人的にも胸にぐっとくるものがありました…

というのも、私も生活保護にお世話になっていた時期があったからです。

生活保護を受けていた、という話はあまりインターネットでは見かけない気がします。不正受給などの問題から生活保護に対する風当たりが強いことから当事者が語りづらい雰囲気があるのかもしれません。

ただ、生活保護の実態が分からないからこそ、さらに批判される、ということもありそうです…

ということで、この『健康で文化的な最低限度の生活』がさらに多くの方に読まれて、生活保護に対する理解が進むと良いなと思います。

加えて、私の事例も参考になればと思い、生活保護にお世話になっていた当時を振り返りつつ、マンガの紹介もしていきます。

貧困家庭だった当時

子供の頃をよくよく思い返してみると、いわゆる貧困家庭でした。例えば…

・トイレに水道がなくて、台所が手洗い場

・洗面所がなくて、洗顔もハミガキも台所

・お風呂に脱衣場がなく、着替えはもちろん隣接している台所

という台所が多機能?な古い家に住んでいました。

とはいっても両親も働いていたので、当時はなんとか暮らせていました。ただ、まあまあの借金があったらしく、たまに家に闇金ウシジマくんかミナミの帝王みたいな人が押しかけてきて超恐かった思い出があります…

ちなみに、『健康で文化的な最低限度の生活』にも借金問題のエピソードがありオススメです。苦しい生活の中でも返済を続ける心情がとても泣けます…

生活保護のお世話になったきっかけ

そんな家庭で育ったのですが、私が高校3年生の夏ごろ、父親が末期ガンになって働けなくなりました。

高3くらいになると、父親とまともに話すこともあまりなくなっていたのですが、さすがにショックでした。

余命3ヶ月。高校卒業も待たずに逝ってしまうのかよと…

また、当時は貧しいながらも大学に進学しようと考えていたのですが、諦めるしかないのかなと不安になりました。

母親も私が小学生の頃にガンにかかり(ガン家系…)病弱でフルタイムでは働けない状況でした。なので、私が就職して家計を助けるしかないのかなと。

ところが、両親からは進学を諦めろとも、就職しろとも言われませんでした。

当時はよく分かってなかったのですが、実は、母親のお給料で足りない生活費については、生活保護のお世話になっていたそうです。

少し説明すると下記のコマのように、収入を差し引いた分が保護費となります。

そのように、生活保護のおかげで進学を諦めることなく受験にのぞむことができました。

その結果、運良く大学には合格することができたのですが、当然両親からの援助は期待できません。

そこで下記のように色々な制度を利用しました。

・貸与型と給付型の奨学金制度

・授業料の減免制度

・家賃が安い大学の学生寮

特に給付型の奨学金はありがたかったですね…地元企業が設立した財団が貧困家庭の進学を援助する目的で支給していたものでした。

その後、父親は余命宣告を上回り4年以上生きて、大学4年のお正月、ちょうど帰省していた時に亡くなりました。

社会人になった姿を見せられなかったことが心残りだったのですが、辛い闘病生活をよく頑張ってくれたなと思います。

社会人となった現在

今振り返ると、生活保護をはじめ社会に支えられて生きてきたんだなーとしみじみ思います。そして、それが今の仕事をするきっかけにもなっています。

今、私は中小企業診断士という経営コンサルタントの仕事をしています。

どんな仕事かというと、中小企業の経営者の方と、会社の経営状況を良くする方法を一緒に考えたりするものです。

はっきりいうと大手企業の経営コンサルタントに比べると儲かるものではないのですが…

それでもこの仕事を続けているのは、生活保護のお世話になった経験があったからです。

日本企業の99%は中小企業で雇用の大きな受け皿となっています。そういった企業のお手伝いをすることで、私がこれまで社会から受け取った恩を少しでも返したい、という思いで仕事をしています。

マンガで学ぶ生活保護の実態

生活保護と一言で言っても、受給者の生活はそれぞれです。

生活保護の背景には貧困問題などもあり、社会で支えていくべきですが、実態がどうなのか知る機会はあまり無いと感じます。

私も、当時は生活保護というものがあまり分かっていなかったのですが、このマンガを読んで理解が深まりました。

丁寧な取材をもとに、生活保護を受給している方がどんな暮らしをされているか、マンガで伝えてくれるこの作品はとても価値があると感じました。

コミックスには生活保護のQ&Aなどもあり、とても参考になります。

また、生活保護がテーマではありますが、主人公「義経えみる」の成長の物語でもあります。

ケースワーカーという大変な職業を通じて、仕事の上でも、人としても成長していく姿に共感を覚えます。

気になった方はぜひ読んでみて下さい!

最後にお知らせですが、マンガ情報サービス『アル』と『健康で文化的な最低限度の生活』がコラボキャンペーンを行っています。

このnoteもキャンペーンに参加しているのですが、皆さんもぜひマンガを読んで参加してみて下さい!

※追記:7/31でキャンペーンは終了しました。

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