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夏過ぎて秋 骨折入院からの転院の末 姑記

デイサービスからの連絡で、骨折入院の手筈が整い、初期診断の検査の末出された判断は、
「大腿部骨折」
当直の先生の話を聞くのは、とるものもとりあえず付き添いしてきた嫁。
先生はレントゲンの写真を見せながら開口一番、
「ここの骨を骨折する方は
     長くは生きられません」

 この場合の嫁はどんな反応をすればいいのか。
姑用の入院セットは常に用意していて、小銭、保険証、お薬手帳、ウエットティッシュにマスク、使い捨て手袋、着替え一式パンツ一式(←乳幼児のお出かけセット状態)デイサービスから「救急車を呼んだのですぐ来てください」の連絡にも作業を片付け荷物を以て駆けつけること20分以内。多少息もテンションも上昇中、待合の席では連絡をあれこれ入れているその時に先生からの呼び出しで処置室隣の部屋で上の台詞をいただいた。

反応に困っていると
「手術をしても それなりに
   手術をしなくても そのままに
     〇〇後には無くなる方が多いです」

先生は続けて
「この判断は 家族の方にしてもらいなさい、肉親に兄弟や子供に決断してもらいなさい。」
   お嫁さんが決断するような問題ではありません。

はっきりおっしゃってくれました。
緊急事態ですが、他人の嫁ではなく、親、兄弟やその子が判断するべきだと。

体の緊張が一気にほぐれたのを感じました。
きっと先生もその気配は気づいてたかもしれません。
判断は難しいですが、判断材料を聞くことは出来るので、
1,手術は難しくはないのか
2,痛みは伴わないのか
3,手術の傷は治るのか
4,手術して改善はするのか
5,手術しないとどうなるのか
6、手術するのとしないのは何方が痛いのか
とにかく痛い事、苦しい事、しんどいことが大嫌いな姑、それが悪い結果だとしても今が痛くない苦しくないしんどくなければそのほうが良いと行動してきた姑。手術をして傷が治るリハビリをがんばって痛いのか、手術をしないで骨折が痛いまま寝たきり街道まっしぐらですごすのか、姑本人に聞いてみたい。

先生の回答は
1,手術は難しく100%ではない
2,手術中は麻酔で痛くはない(当然ですね)
3,手術の傷は、加齢とともに治りにくくなる。
4,手術しても骨が付くとは限らない
5,手術しないと大腿骨のずれがどんどん大きくなる(痛い)
6,どちらが痛いかと言えば、どちらも痛い

だた、手術して改善のために痛いのか
手術しないで悪化の為に痛いのか

未来への痛みか、過去を引きづって傷み続けるのか。

難しい
本当に難しい判断です。

子供なら、我が子なら、即断で手術をお願いします。
未来の為に、希望を手術に託します。

先の短い姑に 今更 切ったハッタ流血どばどば劇を演じてもらうのは しんどいし、かといって、骨折の処置をしないまま放置の人の介助は、
一般家庭ではまず無理でしょう。
動かすことが出来ない。

ここ数日バイタル低下で あれこれあったのは 骨折だったのねと、気が付かなかった自分を悔やみました。
食欲低下も気温上昇もあるけれど、骨折の所為でもあったかもしれない。
もしかしたら、初期の骨折はそれほどでもなくて、トイレ移動とか夜間の寝返りとかで折れた部分のずれが開いて行ったのかもしれない。

待合でぐるぐる考えていると主人が病院に到着しました。

手短に上記の1番から6番の先生の回答と
「手術をしても数年、しなくても数年だそうです。」と伝えると、
主人は開口すぐに
「手術はする、生命維持の為の延命はしないが、改善できる余地があるなら手術はするべきだ」と

救急車の中で姑は私の手を握ってました。
あんたの手は相変わらず冷たいねと言ってました。
痛いと訴えるので痛い箇所に別の手を当てて支えながら乗車してました。

主人はデイサービスの朝、姑を抱えて階段を降ろしてました。
駆けつけた時の処置室の姑は別人の様だったそうです。

先生に手術をお願いし、翌日執刀スタッフの調整をして連絡しますとの旨でその日は帰宅、成功するといいね、成功するよ、きっとうまくいく、
明日の夜には手術が終わってお見舞いに行けるね。
そう

思って

いました

翌日
「転院して手術をすることになりました」病院から連絡がありました
どうして?!

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