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足の隙間への執着

私が中学1年のころ。

小6にプチセブンのダイエット特集を見てから、食べないダイエットを始め、気がついたら拒食症になっていた。

40キロ代だった体重が、38,37,36…とうとう、31キロになった。

私は視力がとても悪かった。
0.04。
でも、眼鏡をかけていなかったので、自分の姿形をきちんと見たことがなかった。

見えなかった私は、ただただ、自分の痩せている姿を想像しているだけだった。頭の中では、モデルさんみたいになっているはずだった。

実際はガリガリで骨が浮き出ていた。だけれど、鏡の中の本当の自分は、どんな姿なのか…知らなかったのだ。

体重計の数字が、「痩せ」の基準を示している。

もう1つ、自分が痩せていると、認識するための指標があった。

それは、「足の隙間」。太ももの隙間だった。

自分の「足の隙間」が広くなれば、喜んだ。

自分の「肉体」ではなく、肉体と肉体の「間」の方が、当時の私にとってはとても大事だったのだ。

「体重計の数字が少なくなること」と、「足の隙間が広くなること」が私にとって大切なことだった。これらを実感することに、私は、異常なまでの達成感を感じていた。

私本人の足の隙間だけでなく、「他人の足の隙間」が、異常に気になった。

「あの子より…」

「この子より…」

足の隙間が気になって仕方がなかった。
雑誌のスナップショットを見ても、そこばかりが気になっていた。

足の隙間のために、「食べない」ことを決めていた。

そうでなれば、「私の理想」が崩壊する。

私の追い求めているものが、「遠ざかる」。


だから、自分をコントロールする。


数字が減り、足の隙間を確認することで、前に進んでいるように思えた。

嫌いな自分から遠ざかることができる。
嫌いな自分自分とは、もう会いたくない。
早く、早く…嫌いな自分と、さよならしたい。

次第にその行動のコントロールが効かなくなっていった。


ダイエットから、拒食症、次に過食、過食嘔吐などに発展する、負のスパイラルが、ここにはあると思う。

だから、おかしなダイエットはしないでほしい。ハマってしまったら、最後だと思うから。

特に、幼い子どもたち。

食べないダイエットは…しないでね。





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