リーダーや上司の立場でこそ発揮したい「フォロワーシップ」
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リーダーや上司の立場でこそ発揮したい「フォロワーシップ」

皆さんがリーダーとして何か変化を起こしたいときや、上司の立場で部下をフォローするとき、どのようなことを意識して行動していますか?

私は、3つ前の記事から取り上げているTEDの動画に、そんなときに使えるヒントが沢山詰まっていると感じています。
今回はその内容を解説しながら、シリーズでご紹介している『フォロワーシップ』の考察を深めていけたらと思います。

(3分弱の動画なので、まだご覧になったことのない方はぜひ見てみてください。動画を見た上で記事を読んでいただくと、より納得度が高まると思います。)

(※字幕ありver.はこちら

自分がリーダーになったときのヒント

この動画には、自分がリーダーとして大きな変化を作ろうとしたときに役立つヒントがあります。

リーダーは、分かりやすいことが大事だということです。難しいことは、周囲がなかなか真似できません。
もしこの動画の中で、最初に踊り出す「裸の男」がブレイクダンスのような難しい動きをしていたら、誰も真似できず、あのようなムーブメントは起こっていなかったと思います。

前述の人事制度プロジェクトでも、「正しさ」よりも「分かりやすさ」が大切です。
人事制度を構築するプロジェクトメンバーは、ついつい正しいもの(細かくて間違いのないもの)を作り込んでしまいますが、多くのマジョリティにとっては、分かりやすさが重要です。

細かいルールをつくれば作るほど、周囲はついてこれなくなるのです。
まずは簡易なものでも、運用さえされていけば、その後自然と改善されていくでしょう。

また、よくあるのが、“プロジェクトメンバーが頑張れば頑張るほど、多くのマジョリティと乖離が生まれてしまう”という現象です。プロジェクトメンバーが突っ走ってしまわないように、むしろ注意が必要です。

さらに、自分が言い出しっぺとなって、大勢を巻き込みたいときは、「誰にフォローしてもらうか」という観点も重要になってきます。

その重要性を感じた私自身のエピソードをご紹介します。
数年前に、中学校の同窓会を機に、LINEグループができました。その後、毎年小規模な同窓会が開催されましたが、毎年幹事は同じで、その次に誰が賛同するかによって、参加人数が変わるのです。

というのも、クラスの人気者が1人目の「フォロワー」として参加表明すると、雪崩を打つように大勢の参加表明が続くのですが、ある年、少し周囲から煙たがれていた人が1人目のフォロワーになった時には、その後の賛同者が現れず、その年の同窓会は頓挫してしまいました。

私はこの状況を見て、1人目のフォロワーが誰になるかがとても重要であることを痛感しました。
自分がリーダーとして大勢を巻き込みたい時は、「まず誰にフォローしてもらうのか」という目利きと根回しが重要になります。

上司の立場で、メンバーのリーダーシップをフォローする

この動画では、「裸の男」がリーダーで、その後に追随した「2人目の男」がフォロワーと呼ばれています。

しかし、芝生で眺めている多くの人たちにとっては、どちらがリーダーに見えているでしょうか?

きっと、「2人目の男」の方です。
大勢にとって影響力があるのは、マジョリティを巻き込んだ「2人目の男」の方であり、彼こそリーダーではないでしょうか。

つまりこれは、「フォロワーシップ」というリーダーシップです。と言われてもすぐにはイメージしづらいかと思いますので、ここでまた私の経験談を一つ。

以前勤めていた会社で、当時若手だった私は、「競合についての勉強会を開催したい」と部内で提案したことがありました。
当時転職したばかりの私は、その業界や市場に疎く、自分一人で情報収集しても得られる情報は一般的なものばかりだったので、実際に顧客と接している先輩たちの知見が欲しかったのです。

しかし、既にその知見を持っていて、そのことに困っていなかった先輩たちからは、賛同が得られませんでした。

そんな矢先、その上の上司から「オレは宮本のやろうとしていることに賛同したい。みんなも応援してあげて欲しい。」という一言があったことを機に、その取り組みは数回シリーズで開催されました。
結果的に、先輩たちのノウハウを共有し合う場にもなり、チームとしても有意義な活動になりました。

ここでお伝えしたいのは、「上司がリーダーで、部下がフォロワー」とは限らないということです。上記の構図では、リーダーは勉強会を開催したいと提案した若手社員の私で、上司はフォロワーです。

ただ、この上司がリーダーシップを発揮しなかったという訳ではありません。
上司の立場でメンバーのリーダーシップをフォローすることは、まさに「フォロワーシップ」の発揮であり、同時に「支援型リーダーシップ」の発揮といえるのです。

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フォロワーシップな組織体質が、真のリーダーを輩出している

私はこれまで人や組織の成長に関わってきましたが、時に違和感を抱くのが、「リーダーシップ」という幻想です。

多くの企業が「リーダーシップ」を人材要件に掲げ、様々な研修プログラムを導入しています。そこで語られる本田宗一郎やスティーブ・ジョブスの武勇伝に、私たちは強い刺激を受けますが、果たして私たちにとって、どの程度身近なお手本となっているのでしょうか?

私は様々なプロジェクトを通じて、多くのリーダーと接する機会がありますが、彼らを見ていて思うのは、「周囲が彼らをリーダーにしている」ということです。

つまり、周囲のフォロワーがリーダーをリーダーたらしめている訳ですが、
逆に言えば、「フォロワーシップな体質」のない組織では、リーダーは存在し得ないのです。

多くの企業で、カリスマ的なリーダーの出現が待ち望まれますが、
私は、リーダーそのものを育成するのではなく、「フォロワーシップ」という組織体質を醸成することで、結果的に真のリーダーが生まれると思っています。

当社で提供しているクエスチョンサークルという組織開発プログラムでは、このフォロワーシップの発揮をとても重視しています。
「他メンバーのリーダーシップを、 自身がフォロワーとなって支援する」という仕掛けをつくってプログラムを運営しています。

プログラムを2期、3期...と展開する中で、代々のメンバーがフォロワーとして参画する仕組みを取り入れ、プログラム内の議論に留めず、職場を巻き込む工夫をしています。

リーダーシップとは異なり、立場や権限に関わらず誰でも発揮できるのが「フォロワーシップ」。それを自ら発揮する人が増える職場づくりを、支援していきたいと思っています。

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リンクアンドモチベーション、グロービスを経て独立。現在はクエスチョンサークル代表取締役(https://www.question-circle.jp/)。”問い”の力で可能性を拓く!をスローガンに、企業の組織開発やビジネスリーダーの支援型リーダーシップ開発に取り組んでいます。