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優しく甘く、自分を肯定してみる

家族とばかり遊んでいる。
嫌じゃない。家や車内くらいマスクなく、伸びやかに過ごしたいということなんだと思っている。

青い縞模様のワンピースを着て、近場にお出かけ。
なんだか既視感あるな。「あ、これ!るきさんのイメージ」と。


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るきさん/高野文子著

実際には、るきさんがストライプのワンピースを着てる画はないのだけど、なんとなくのイメージ。
「ねえ、るきさんぽくない?」と夫に聞くと、「ぽい」と笑ってくれた。

同じ言語で同じ本を読んで、もちろん違う本も読むし、違う好みも多々あるし。
それでも例えば、「るきさん」という単語で浮かぶイメージの共有できる人が近しい存在なのは、なんというか楽。楽しい。


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ひとりの時間が大切です。

甘やかに妄想を繰り広げるのは、なんとも楽しい。
それが楽しいのは、現実を見据えて生きていかなきゃいけないことを知っているからこそ、そこから目をつぶっての現実逃避の意味合いがあるってことを、薄々気づいているのだ、きっと。

人は一人になった時に愛の意味に気づくんだ

Goodbye Happiness/宇多田ヒカル



ふわりふわり、街の中を浮くように歩いているとき。
チョコレート色のオーバーシャツにマゼンタピンクのテーパードパンツが素敵。
なんて思いながら、全く知らない人の中を泳ぐように歩いているとき、強くひとりを感じて味わう。

一緒にいる誰かを考えなくて良くって、本屋に行って、お洋服みて、喫茶店で買った本をひらいてコーヒー飲んで。

夕食を囲む相手を思ってお惣菜買って、あのねあのねって話すことを胸に抱えて帰宅する。ひとりじゃないから、帰れる場所があるからこそ、自分のペースで安心して歩いてみてる。ひとりでいるさびしさみたいなものが、愛しているって気づく気持ちにつながるようにも思う。


小さいひとり時間というのも確実に胸にある。

そこでは、無理に自分をあわせようとしないで、まんまで思う。
思いを消化する時間。口ずさむのはその時、気になっているドラマの主題歌だったり、何が好きで何が嫌いで、どう思っているのか。
そこには対、人とのやりとりから育まれるものばかりで、人はひとりじゃ生きられないという答え合わせのようで、ひそやかに笑ってしまう。

そう、笑ってしまうくらいでよいのだ。それを感じるためだけに、ひとり時間があるようなものなのだから。


***

「るきさんぽいってどこらへん?」
「背筋が伸びてるところ?」
って返ってきた。

ふむ。
すきーーーっぷ、すきーーーっぷ、風が秋めいてきたよ。

いまでも隣にいる人を好きでいられる幸運に、誰にむかって感謝を伝えれば良いのかはわからないけど、ゆっくりと夏は終わり次の季節にむかってやっぱり一緒に歩いていくのだ。






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