現実をあるがままに、無理なく見ようとした

「晋作は思想的体質でなく、直感力にすぐれた現実家なのである。現実家は思想家とちがい、現実を無理なく見る。思想家はつねに思想に酩酊していなければならないが、現実家はつねに醒めている。というより思想というアルコールに酔えないたちなのである」

みずからの美しい思想に酔う思想家タイプの吉田松陰に対して、高杉晋作は現実をあるがままに、無理なく見ようとした。その師から弟子への、思想の伝達ではなく、思想から実行への屈折、というか飛翔を描くことが、『世に棲む日日』の最大の眼目であった。


《司馬遼太郎 世に棲む日日(四) 〜松本健一氏解説の章〜》


松本氏、一言でまとめたー!!!!!

司馬氏は現実主義、合理的精神を好んでいたのですね。

私見ですが、バランスは考慮する必要があるにせよ、思想家と現実家は両者不可分であると思量します。

この記事が参加している募集

読書感想文