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いちご畑へのお誘い

太陽を浴びて赤く色づいた実を探していたら自然と前向きになっていく私がいた。

さっきまで何にモヤモヤとしていたんだったけ。

人なんてそれぞれだから100%理解し合うなんて不可能なんだ。

だから、もう、いっか。

合わない人との距離感に疲れていた私はいちご畑に来てよかったと心から思う。

本当に豊かな生活とは便利になるだけじゃなくて自然と共にあること。

触れていると癒されるのは私たち自身がもともと自然の中の一部だから。

荒れる時もあるけれど穏やかな時もきっと来るだろうから焦らず少し待ってみること。

ただ赤くてかわいいだけじゃない苺たちが教えてくれた気がした。




いちご狩りに来ませんか?

毎年5月下旬あたりになると届くお誘いメール。

夫の親戚は広く畑をやっていてその一角で苺を作ってるのでこの時期になると連絡をくれるのだ。

よくあるお金を払ってハウス内でというのではなく本当に土の上に出来た苺を収穫するんだけれどもちろん無料。

こんなありがたい話しがあるだろうか。
毎年、喜んで出かける私たち。

車で15分ほどの距離で周りは畑と田んぼと来た道しかないような場所だ。
準備をして、小さい空き箱を手にスタート。

赤いのあるかな?

大きいのみつけた! 

白いお花かわいいね。

子供たちも楽しみながら収穫している。

すぐに手元の箱はいっぱい。もっと大きな箱に移し替えてまた戻る。

もちろんブランド苺ではないし小粒だったり熟しすぎていたりと形や状態はバラバラ。痛んでいるものもあるし土が着いてかなり汚れているものもある。

でもだからこそ大きくて形のいいものを見つけたとき嬉しくなる。次はもっと大きいのを探すぞとワクワクする。

なんだか宝探しをしている気分。

そして夢中で取り進めるうちに手は汚れるけれど汚れるほどに不思議と心はスッキリとしてきて土に触れていると人も自然の中で生活しながら進化してきたんだと実感する。


足元で蛙がピョンピョン飛んで移動していく。ササッと動いたのは結構大きい蜘蛛だった。
見上げると広がる青空とゆっくり流れる少しの雲。ちょうどいい気温に爽やかな風。周りの山々の鮮やかな緑色。

空、山、畑、草花、虫たち。

それぞれ違うけれどひとつとして否定することなく共に生きていている。

人もみんなこんな風にただ支え合って生きていけたらいいのに。



大収穫だった苺は痛んでいるものとそのまま食べられそうなものを選別して次の日に子供たちとジャム作りをした。

甘酸っぱい苺の香りが家中広がって子供以上にルンルン。できたジャムも欲張ってパンにつけて食べる。

少し先の将来は食卓に並ぶものをこんなふうに手作りして自然の恵みを大事にする生活ができたらいいなと思う。

面倒くさがりな私がそこへたどり着くのは遠い道のりになりそうだけどいつの日かいちご畑へのお誘いメールをするおばあちゃんになるのが私のちょっとした夢のひとつだ。

いちご狩りに来ませんか

夢や希望がこの一行に詰まっている。




          ♢


毎年の恒例行事化しているこの苺狩りはハウスでやるよくあるものより好きかも知れません。

いつかはこの畑を受け継ぎたいなんて思いまである程です。

自然というか土に触れることが自分にとってメンタルにいいと分かってから何か悩むたびに自発的に外へ出るようになりました。

少しの時間でも庭に出て植物や野菜の世話をしたり草取りをして何も考えずに作業する時間を作るとモヤモヤもスッキリ。

とても大切な時間です。

今は庭で手一杯ですが少しずつ増やしていけたらいいなと思っています。

最後まで読んで頂きありがとうございました✨

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