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牧羊犬から触媒へ: ここ 1 年の考えの変化

こんにちはこんばんは。スクラムマスターの いのもえ です。

Certified Scrum Master (CSM)の研修受講および資格取得から、約 1 年が経ちました。
今回はこの 1 年でできるようになったことや考えの変化について残してみようと思います。


スクラムマスターとしての武器を手に入れた

ここ 1 年頑張ったテーマに「言語化」があります。

スクラムマスターだからなのか、フルリモートの企業に所属しているからなのか、言語化能力の大幅なレベルアップが必要だと感じて意識的にレベルアップに取り組みました。

実際に取り組んだことはこんな内容です。

  • note を毎週 1 本書く

  • slack で完結する方法を一度考える

    • 口頭で解決するほうが早いと感じる場合には口頭でアクションするのですが、 slack やテキストで情報共有するとしたらどういう方法がよかったかシミュレートしていました

特に毎週 note を書くのはかなり効いたと感じています。
自分の考えを整理して伝える力がついたのはもちろん、複数人で対話する場での翻訳や、他の人の言語化の手伝い(例えば発言を要約して議論をスムーズにできるようにするなど)といったことができるようになりました。
また、もともと口調がキツイほうだと自覚があるのですが、繰り返し言い換えを続けたことで優しい言葉やポジティブな言葉への言い換えもかなり上達できました。

この辺の記事は自分でも考えをまとめるのに非常に役立ったと思い入れがあります。

また、普段仕事を進めるうえでも「言語化」「ポジティブな言い換え」はかなり役立つツールとなってくれている感覚があります。
スクラムマスター 1 年目に手に入れるにはぴったりな武器を手に入れることができたと感じています!

「牧羊犬」から「触媒」へ

スクラムマスターを表す例えとして「牧羊犬」があります。この例えは CSM 研修でも紹介されたのですが、実はそれよりも前に「スクラムマスターは触媒」という例えを聞いたことがありました。「触媒」という例えが妙にしっくりこなくて、頭に残っていたのです。

CSM 研修を受けてからしばらくは、アジャイルな考えを自分のものにしながらチームを導く、いわゆる牧羊犬っぽい振る舞いに重要性を感じていました。

牧羊犬は犬であり羊ではない

自分の中でアジャイルな考え方が定着してくるとともに、「スクラムマスターはチームや PO とは別の存在で、第三者に徹するのが一番良いのだろうか?」という疑問が浮かぶようになりました。

スクラムマスターとして中立な立場で関与することで発揮できる価値があることは理解できているものの、そればかりがスクラムマスターとしての価値ではないとなんとなく思っていました。
また、私自身はチームでわいわい開発するほうがパフォーマンスを発揮できる方だと自覚していました。組織の中で唯一人のスクラムマスターとして活動することは、振る舞いによっては自分のパフォーマンスを発揮しきれなくなると予想していました。

触媒になりたい

ここ最近は、スクラムマスターがチームや PO と一緒にプロダクト開発に関わることで、プロダクト開発に代え難い価値を提供したいと思っていました。また、そのためには牧羊犬とは違うアプローチが効果的なのではないかと考えるようになっていました。

そんなことを悶々と考えている中、プロダクトバックログリファインメントが上手くいかないという課題解決のため、一次的にファシリテーションを私が実施することでリファインメントをより効率的に行うという施策を実施しました。この施策の中では、チームと一緒にアジェンダを作ったり今後の進め方をいつもより密に連携しました。普段アジェンダを作るときにはできないような深い相談もできて、一体感を持って進められたと感じました。何より、自分としても楽しく作業できた感覚がありました。
この経験を通して、「スクラムマスターがチームや PO に貢献できることで、一番大きな効果があることは "中立的なフィードバックができること" だ」と一つの仮説にたどり着きました。
フィードバックは人が成長する上で欠かすことができず、また成長の近道にもなると思っています。その近道を提供できるのは、スクラムマスターの大きな強みではないだろうか?と考えたのです。

ここに来てようやく「触媒」という例えがしっくり来るようになりました。
触媒は、それ自身は変化せずに化学反応を促進する物質です。
色んなスタイルのスクラムマスターがいると思いますが、今後は触媒として、「私がいるからチームの成果が N  倍になった」と思えることを目標にしたいと思うようになりました。

幸い、ここ 1 年で手に入れた「言語化」という武器は人と人のコミュニケーションを円滑にさせるのにかなり使えるみたいです。
今後もこの武器を磨きながら、他にも武器を見つけていきたいと思います。

CSM を受けた直後とはだいぶ違う考えや感じ方になったなと思うことが増えたので、文章に残してみました。来年も同じように差分を書くと面白そうですね。

余談ですが、実は数年前に性格傾向から RPG ジョブを診断してみたところ「踊り子」が出てだいぶしっくり来なかった覚えがあります。
今となっては「そうかも!!!」とかなりしっくりきています🤣 単純すぎる


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