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転職前のライフプラン作成の振り返り

転職してもうすぐ2ヶ月。
今回の転職は、会社だけでなく業界と職種も変えるという大きな変化でした。

38歳という年齢の私にとって、働く環境をここまでガラッと変えるのは勇気が必要でしたが、これから先の長い人生を考えるとやるべきだと考えたうえで実行したことでした。そして現在の生活には満足できています。

この転職を振り返ってみて、今の満足な状況を作ることができたのは、転職前にライフプラン作成をきちんと行ったからというのが大きいように感じていますので、この記事ではそのライフプランについて振り返ってみたいと思います。


きっかけはコロナ

2020年、突然始まった新型コロナウィルスの大流行により当時の勤務先は売上がほぼ消滅。急きょ休業することになりました。

休業中でも給与はきちんと支払われていたので生活に問題はありませんでしたが、先のことを考えるとこのままこの会社や業界にいてもいいのか?転職するべきではないか?でも、転職するとしたらどんな所を選べばいいのか?など、様々な思いが頭の中をよぎることに。

その時に思ったのが、「自分のライフプランが固まってないと答えを出せない」ということ。しかし、それまでライフプランなんてあまり考えたことが無かったので、コロナ禍で増えた余暇を利用して、たくさんの本を読みながら今後についての検討を始めました。

ライフプランが固まるまでにかかった時間

私にとってライフプランを立てるというのは「これから自分が叶えたい生活を具体的に言語化すること」なのですが、これがおおよそ固まるまで約3年かかりました。その間に行ったことは主に、本をたくさん読む、自己分析する、行動しながら考えるの3つです。

時間はかかりましたが、求人応募前にそれだけじっくり考えたからこそ、再就職後の今の生活に満足できているのだと思います。

ライフプラン作成で特に役立った本

ライフプラン関連の本を20冊ほど読んでみて、特に読んでよかったなと思うのは下記3冊です。

(1)一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー

この本では、自分の0〜100歳までの「100年カレンダー」を作ることを提唱しています。そこで特に印象に残ったのは、自分が健康寿命に達する年をその100年カレンダーにマークし、その健康寿命までが自分の「本当に使える時間」だと意識するという点。

自分の親や祖父母、周りのお年寄りの抱えている悩みに目を向ければ、たいていの人が健康寿命を過ぎれば、好きなことを思いきりできることは少なくなるということを実感できるでしょう。
仮に突然の事故に遭ったり、病気にかかったりしないとして、このあとの人生で「身体的」に元気に生きられる時間こそが、あなたが確実に「使える時間」なのです。

一度しかない人生を「どう生きるか」がわかる100年カレンダー, 2021年, 大住 力, ディスカヴァー・トゥエンティワン, Step2, 平均寿命と健康寿命から「最後の日」を決める

また、「健康寿命を1日(24時間)でとらえて、現在の自分の年齢は何時何分かを確認する」という点も参考になりました。人生時計と呼び、計算式が載っているので簡単に時間を出す事ができます。

私がこの本を読んだ時は37歳で、健康寿命の人生時計は11時52分。当時、この年齢での転職はかなり厳しいのではないかとやや悲観的に思っていましたが、とはいえ人生時計で見るとまだランチも食べてないような時間なんだなと明るい気持ちにさせてもらえました。

(2)35歳からの後悔しない転職ノート

この本で参考になったのは、「キャリア年表」。
自分の仕事人生の残り時間を可視化するためのもので、縦軸に年齢、横軸に1〜12月を置いた表を使います。(下記画像は本に掲載されていたキャリア年表の一部を抜粋したもの)

35歳からの後悔しない転職ノート, 2020年, 黒田 真行,
大和書房, Step1, 35歳にとって、何よりの価値は時間がまだあること

私はこのキャリア年表の考え方を流用して、Googleスプレッドシートで「人生年表」を作ってみました。横軸に年齢、縦軸に月を置いて、残り時間の期限を仕事の引退時期ではなく「健康寿命」とした表です。その人生年表を使いながら過去の出来事の振り返りや将来のライフプランを検討するというのが自分には合っており、再就職後の現在も活用しています。

(3)未来の働き方を考えよう

この本で印象的だったのは、自分の理想の生活を検討する際の考え方について。

職業人生の再設計に向けて、まずは、自分はどこに誰と住んで、何時に起きて、どんなことをして毎日を過ごしたいのか、具体的に考えましょう。
(中略)
検討すべきは、「そんな生活で食べていけるだろうか?」ではありません。確認する必要があるのは、「そんな生活を、本当に自分は楽しいと思えるのか?」ということです。それさえできれば、他のことが満たされなくても(=たいしてお金が儲からなくても、世間から褒めてもらえなくても)幸せで楽しいと思えるのか、ということです。

未来の働き方を考えよう, 2015年, ちきりん, 文藝春秋, 終章, ステップ1.手に入れたい人生を明確にしよう! 

この本を読んでいた当時は勤務先の特別休業がたびたび発生し、給与は毎月いただけているものの年収はコロナ禍前より大きく下がっている状況でした。ただ、年収が下がったとはいえ必要最低限の金額はカバーできていて、かつ、自由時間が増えたぶん自分のやりたい事を色々できていたので幸福度はむしろアップ。

世間一般では年収は高ければ高い方が良いという考えが主流ですが、私自身は上記の経験から、年収が下がることは必ずしもマイナスではないと思えていたので、この本の「たいしてお金が儲からなくても幸せで楽しいと思える生活を検討するべき」という主張にとても共感しました。

ライフプラン検討中の行動

気になる本を片っ端から読みつつ自己分析していった結果、今後の自分にマストだと思ったことは大きく3点。そして、それぞれに対してアクションを起こしていきました。

(1)人生のパートナーを探す

当時の私は独身・彼氏なし。コロナ禍以前は仕事と趣味で忙しくしており、性格的にも一人の時間を寂しいと感じないタイプだったので、結婚願望を強く持つことはありませんでした。

ただ、コロナ禍以前から少し気になっていたのは、職場でいつも機嫌がいい方達は家族仲が良いという共通点があるということ。そうすると、一人暮らしもいいけど、人生のパートナーとしてお互いに信頼しあえる相手と生活したらもっと楽しいのでは?自分にもそういう相手が見つかるのだろうか?この世のどこかにその相手がいるなら早く出会いたいし、見つからないなら一人で生きていく前提のライフプランを考えなければ。

という考えに至り、まずはそのパートナー探しをするべくアプリで活動を開始しました。(コロナ禍で移動自粛要請が頻発する状況のなか、一番手軽に使える手段がアプリでした)

Pairs などいくつかのアプリを使ってみて5ヶ月ほどたった頃、現在の夫であるA氏とマッチング。幸運なことにとても相性が良かったので出会ってまもなくお付き合いを始め、1年後には結婚まで進みました。

夫との生活はとても楽しく、もう一人暮らしには戻れないなと思うほどです。活動半年でこんなに自分に合っている人と出会えたことは本当にラッキーでした。

(2)体の不調の根本的な解決策を実行

コロナ禍に入って大きく変わった事の一つが、睡眠をたっぷり取るようになったこと。コロナ禍前は睡眠時間が長い=悪だという価値観があったので睡眠時間は1日6時間前後だったのですが、コロナ禍で在宅時間が増えたことで毎日8時間寝るようになりました。

すると頭が常にすっきりとした感覚になり、ランチ後でも全然眠くならなず元気な状態が持続。明らかに体調がよくなりました。自分の体には毎日8時間睡眠が必要だったんだ、体調が万全だと毎日こんなに気分よく活動できるんだということを痛感。

そこで、ほかにも体の不調の原因として気になっていた部分を根本的に治すべく、解決策を一つずつ実行していきました。

  • 歯 → 虫歯など悪いところは全て治療した。

  • お通じ → 内視鏡専門医がいる病院で相談。よく効く薬を処方していただき、長年の悩みが消えた。

  • 花粉症 → 舌下免疫療法を始め、現在も治療継続中。

前職に在籍中は上記の不調を感じることが度々ありましたが、現在の職場では心身ともに健全な状態で働くことができています。

(3)退職&次の仕事の準備

仕事のことは当時一番の悩みでした。職種は長年続けていたものでしたが自分に適性があるのか疑問に感じていたし、会社は社風が自分と合わない。そして業界は商材がとても好きだったものの、それを売る側になると、自分の好きより会社の方針や世間一般でニーズが大きいものを優先しなければいけないことが苦痛。

そこで、仕事についての本もたくさん読みました。働き方、適職、転職などに関する本を20冊ほど読みながら考えた末、「職種も会社も業界も変えよう」との結論に。そして新たに目指す職種の目星がついた時、当時の勤務先を退職しました。(その時点では次の勤務先はまったく決まっていません。)

よく「次の就職先が決まるまで現在の職場を退職してはいけない」と言われますが、私の場合は次の新たな職種につくための勉強時間が欲しかったのと、一年程度の生活費は貯金から捻出できる状況だったので、勉強時間確保を優先して先に退職を選択。

退職後は、次の職種の勉強を進めつつ、気になる業界の構造やその世界の方達の働き方を情報収集するなどして過ごしました。

見えてきた、自分の理想の生活

様々な本を読み、夫と出会って結婚し、心身の健康を整えて、退職して…。そうやって色々な行動をしつつ考えるという日々が3年経過した頃、自分にとってベストと思える生活がはっきり自覚できてきました。例えば下記のようなことです。

  • 夫と暮らす

  • 住む場所、働く場所は東京

  • 睡眠時間は毎日7.5~8時間

  • 通勤は電車一本、ドアtoドアで1時間以内

  • 仕事は労働負荷が高すぎないもの

  • 平日夜や毎週末に勉強時間や読書時間を確保

  • 年に一度は海外旅行

求人閲覧や採用面接の際は、この理想を叶えられる職場かどうかという視点で相手企業を見て就職先を決めたので、それが現在の満足な生活に繋がったのだと思います。

最後に

コロナ禍は、自分の生き方や日々の暮らし方を見直すきっかけになる大きな出来事でした。ライフプラン検討に3年もかかるのは長すぎると思う方も多いかもしれませんが、人生の岐路に立った時の判断基準となるものなので、時間がかかっても自分にとってしっくりくるまで考え続けることが大事です。

理想の生活スタイルは今後の状況変化により微調整が必要になると思いますので、人生年表を使いながら随時更新していきたいと思います。

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