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タレントさんが俳優業をやることに違和感がある理由

ドラマや映画などのお芝居は、お芝居のプロ=俳優さんが演じるのが基本。

ですが、時に人気のアイドルやタレントさんを主役に起用することもよくあります。
それはそれでいいんですけどね。ただ、のちのちお芝居の道に本格的に参入していくつもりがないのであれば、安易に主役などを請け負うのは控えてほしいなとちょっと厳しめに思ったりするわけです。
事務所の意向とかビジネス的な事情もあるのでしょうけど。

というのは、前にも書きましたが、アイドルやタレントさん(芸人さん含む)はそのビジュアル含めたイメージを維持する必要があるから、そう簡単には役に合わせて髪形を変えたりすっぴんに近い状態でお芝居をするわけではない。
だからどんなにドラマで医者や刑事の役をやっても、そのアイドルやタレントさんにしか見えないことが多いのです。

たとえばキムタク。前クールの『Believe』でいえば、刑務所に入ったとしても丸刈りになるわけでもなく、中年のおじさんを演じるとしても普通のアラフィフ男性がしているようなおじさんに寄せた髪形をするでもなく、いつも「木村拓哉」としてカッコいい姿を維持した前提&風貌でのお芝居になっているから共感が持てないしリアル感もないし嘘くささが出ている。

山Pも、『ブザービート』の時のように本人も若くてやんちゃな頃だったら未熟者のやんちゃ役も、アイドルをやっている本人自身と多少オーバーラップするところもあるので、見た目も含めてそんなに不自然さは感じなかったのだろうけど、年齢を重ねるにつれ、その年齢層の見た目のイメージと、それを演じる人とのギャップがあるとドラマにのめりこめないと思うのですよね。

だから旧ジャニーズのタレントさんが主演のドラマは気乗りがしない。今クールも起用しているドラマ数が多くて「またか…」と思ってしまいます。

「アイドル」=「若い」のが基本ですが、アイドルも人間だから年数が経てば歳はとる。歳はとるけど、アイドルとして見た目のイメージをキープしなければならないから、40歳を過ぎても50歳近くになってもアイドルのような髪形や服装をするわけで。

で、そのままのビジュアルで、ドラマの等身大の年代の役をすると、世間一般的な年代の見た目とギャップがすごくあって…。そこが違和感になるのかなと。

今回始まった『笑うマトリョーシカ』に出演中の櫻井翔さんも、実年齢が若い頃に若者設定だったらそのときのビジュアルでもよかったのでしょうけど、今であれば、やはり年相応の40代の役をすることになります。
年齢が高くなると、演じる役が政治家だったり経営者だったりとそれなりの地位を有する役が当然増えてくる。すると、アイドル風のお坊っちゃんヘアのままだと少し変じゃない?と思ってしまうのです。風格に欠けるというか。

大人っぽく見えないし、政治家にも見えない。
髪を切れなくても、せめてオールバックにするとか、年相応の熟年感を出して政治家風に寄せるともっとそれらしく見えるのに⋯と思うのだけど。無理かな。
アイドルですからあれこれ制約があって難しいのでしょう。

ちなみに、櫻井さんは2013年のドラマ『家族ゲーム』で、型破りな家庭教師役をしていましたが、その時は実年齢31歳ぐらい。若い家庭教師役としてはそのままの見た目でも不自然さはありませんでした。

その点、嵐の二宮和也さんは、どちらかというと作品によって髪形や雰囲気を変えるほうかもしれません。それでも最近はどれも同じに見えてしまいますが。

芸人さんで言えば『イップス』のバカリズムさんもそうでした。お笑い芸人としては一目置きますが、そのまんまの見た目なのでバカリズムさんにしか見えず。

一方、俳優でいうと『ブラックペアン2』の内野聖陽さんは、『きのう何食べた?』のケンジとはもはや別人のよう。それこそビジュアルは大きく変わっていませんが、話し口調や表情が別人。趣里さんも『ブギウギ』とは別人の演じ分け。ここらへんはさすがプロの役者だなと。

ドラマや映画に出るなら、その役に合わせて見た目も変える意気込みで挑んでもらいたいなと。
俳優さんや女優さんは皆さん髪形を変えたり見た目から役作りに入っているので、しっかりその役になっていっていますよね。

それぐらいの意気込み・役作りは必要だし、それが難しいのならやはり俳優業に中途半端に片足つっこむことはしないほうがいいのかなと思うのですが。どうでしょう?

まぁ、面白ければそれでいいですし、違和感がないほど演技で見せてくれればいいですけどね。
たとえば目黒蓮さん主演の『海のはじまり』は許せる!(これも彼が若いからでしょうか?)

ということで、今回はちょっと辛口めのひとりごとでした。

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