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【連載】三宅島産レモンを使ってみようシリーズ 第1回「アカコッコでも分かる!三宅島産レモンを使ったウィークエンドシトロンの作り方」

※本投稿はシリーズものとなっております。詳しくは第0回をご覧ください。

 バレンタインデーとホワイトデーの狭間、デパートの地下も揺れる季節となりましたね。
 しかし、三宅島にはデパートがありません。そこで、誰でも簡単に作ることができ、尚且つ島内産レモンを使用することで、デパ地下にはない三宅らしさも演出することができるスイーツ、「ウィークエンドシトロン」の作り方を掲載します!
 
 「ウィークエンドシトロン」とは、たっぷりのレモンアイシングでコーティングされたバターケーキのことで、このレシピではレモン1個を丸ごと余すことなく使い切ることができます。「家族や恋人など、大切な人と一緒に過ごす週末に食べるお菓子」という意味が込められており、贈り物にもぴったり!
 この記事を読んで、今年は三宅島産レモンスイーツで想いを伝えてみるのはいかがでしょうか?


※注意事項※

 この記事は、お菓子作り歴約8か月の初心者が作成しており、添付している写真も成功例とは言えません。また、正しい製菓理論に基づいた記事であることの保証はいたしかねます。
 正確で普遍的なレシピが知りたい場合は、この記事を読むのではなく、検索エンジンで「ウィークエンドシトロン レシピ」等調べてください。
 その代わり、お菓子作り初心者の筆者がこれまでに学んだ失敗の要因や失敗してしまった際の巻き返し方法等、こと細かに記してあります。
 かなり尖った記事にはなりますが、これを読めば誰でもある程度ケーキの形を作ることはできるかと思いますので、興味のある方はご一読いただければ幸いです。

材料(パウンド型1本分)

 ※筆者は21.5×8.7×6cmのパウンド型を使用しております。

*三宅島産レモン*…1個  ※レモンであれば何でも可
バター…100g  ※食塩不使用推奨
薄力粉…100g
(ベーキングパウダー…小さじ1/2  ※無くても良い)
グラニュー糖…50g  ※他の砂糖でも一応代用可
卵…2個
アーモンドパウダー…20g  ※無くても良いが、あったほうが風味は良くなる
粉糖…90g程度
 
*レモンについて*
 今回は、三宅島で採れたレモンの「リスボン」という品種を使用しました!
 現在、三宅島では「島レモン」が流通しています。皮が薄くて果汁たっぷり。完熟すると酸味と香りが控えめでまろやかな味になるのが特徴です。
 今回使用した「リスボン」はいわゆる普通のレモンで、マイヤーレモンと比較して酸味と香りが強いのが特徴です。お菓子作りにおいては水分量の管理が肝要であり、レモン果汁の入れ過ぎは失敗に繋がるため、より風味を感じる仕上がりにしたければ「レモン」、マイルドな仕上がりにしたければ「マイヤーレモン」の使用が良いかもしれません。

作り方(所要時間約2時間)

① バターと卵を室温に戻す
 パウンドケーキ作りにおいて最もよくある失敗と言っても過言ではない、バターと卵の分離を防ぐために不可欠な工程です。
 冷蔵庫から取り出して、夏場は20~30分、冬場は2時間ほどで室温に戻ると言われています。バターは1~1.5cm幅に細かくカットすると、より短い時間で室温に戻すことができます。
 さらに時間が無い時は、耐熱ボウルにバターを入れ、ふんわりとラップをかけて、200wの電子レンジで5秒程度ずつ様子を見ながら過熱してください。バターを押したときに少し凹む程度になったら完了です。卵はお椀等に入れて、お風呂程度(40℃くらい)のお湯で2~3分湯煎し、人肌くらいに温まれば完了です。
 
② レモンを皮ごとよく洗い、水気を拭いて皮の黄色い部分を削り、果汁は絞る

 まずレモンを4等分にして果汁を絞り、絞ったレモンの皮をすりおろし器等で削るとやりやすいです。絞った果汁に種等が入ってしまったら、箸等で取り除いておきましょう。
 レモンの皮と果汁についても下処理後は冷蔵庫に入れず、室温に戻してください。
 
③ ボウルにバターを入れて、よく練る

練り具合の目安

 バターが完全にペースト状になるまで、よく練りましょう。好きな曲をかけて、イントロからアウトロまでの時間練り続ければ、だいたい目安画像程度に練ることができます。
 泡立て器等を使っても良いですが、バターがまだ少し硬かった場合、泡立て器の隙間にバターが挟まってイライラすることになるので、筆者は木べらを使っています。
 
④ ③のバターにグラニュー糖を加え、さらによく練る

練り具合の目安

 バタークリーム言えるレベルまで、バターと砂糖を馴染ませます。好きな曲を1・2曲聴いている間中練り続ければ、だいたい目安画像程度に練ることができます。
 なお、筆者は甘さ控えめで作りたいため砂糖の分量を50gとしておりますが、本来パウンドケーキとはバター・小麦粉・砂糖を1ポンドずつ同量混ぜ合わせて作るものなので、バターと薄力粉が100gなのであれば、砂糖も100g入れるのが正しい姿であると思われます。
 砂糖の量が多いほうが、バターと卵の分離が起こりづらくなり、失敗はしづらくなるので、自身の味の好みと力量と相談しながら、砂糖の量は調整しましょう。
 
⑤ ④に溶き卵を少しずつ加え、その都度よく混ぜる

一度に加える卵の量の目安(これでも少し多いかも)

 まずは卵2個をよく溶きましょう。泡立てる必要はありません。好きな曲のイントロ~1番サビ終わりくらいまでの間溶き続ければ十分です。
 卵のサイズについて、一般的にはMサイズが良いと言われています。しかし三宅島の商店で販売されている卵は、殆どがLサイズです。Mサイズの卵とLサイズの卵は黄身の大きさは変わりませんが、白身の大きさ(=水分量)がLサイズの卵のほうが大きいため、Lサイズの卵を使用する場合、バターとの分離のリスクが上がります。どうしても失敗したくない場合、Mサイズの卵を手に入れるか、Lサイズの卵から白身0.5個分程度を取り除いて使用しましょう。筆者は面倒くさがりなので、Lサイズ全卵をぶち込んでいます。
 何よりも大事なのは、卵を少しずつ加えることです。油分であるバターと水分である卵は、もともと混ざりにくいため、一度に大量の卵を入れると分離してしまいます。溶き卵は5~6回に分けて加え、その都度よく混ぜましょう。
 
 ただしどれだけ細心の注意を払っても、特に冬場等バターが冷えやすい環境では、バターがひとりでに固まって勝手に分離してしまうことがあります。その時には、ボウルごと40~50℃の湯せんにかけながら混ぜてみてください。
 湯煎にかけてもどうしようもない場合は、次の工程に進んでください。多少膨らみが悪く、キメの粗い焼き上がりになってしまいますが、生地自体は繋がります。

「アカコッコでも分かる!バターと卵が分離しない方法」をご存知の方がいらっしゃったら、筆者に教えてください

⑥ ⑤に削ったレモンの皮全部、レモン果汁大さじ1、アーモンドパウダーを加えてさらによく混ぜる

 レモン果汁は、レモンの風味を強くしたければ大さじ1/2程度までなら分量を追加しても問題ありません。
 アーモンドパウダーは無くてもできますが、入れたほうが風味は良くなる上、バターと卵が分離した場合に水分を吸って生地を繋ぐ役目もしてくれます。アーモンドパウダーが無い場合、他の種類のナッツをフードプロセッサーで粉末にしたものや、きな粉、白すりごま等でも代用できます。(風味は異なります。)
 
⑦ オーブンを170℃に予熱する
 
⑧ ⑥に薄力粉、ベーキングパウダーをふるい入れ、ヘラでさっくりと切るように混ぜる

 粉類を入れてからは、混ぜすぎると(練るように混ぜてしまうと)粘りが出て生地の膨らみに影響を及ぼすため、ヘラ等でさっくりと切るように混ぜてください。粉を何回かに分けてふるい入れるとダマにならずに混ぜやすいです。
 粉けが無くなれば、生地の完成です。

(見栄えが悪いですが)生地完成!

⑨ ⑧の生地を型に入れて表面をならし、170℃のオーブンで15分焼く

 型に生地を入れてからトントンと数回型を落とすと、生地の空気が抜けて綺麗に焼けます。
 
⑩ ⑨の焼きが完了したら、一度生地を取り出して中央に切り込みを入れ、さらに160℃で30~40分焼く

 焼き加減はお好みで調整してください。竹串等を刺してみて、何もついてこなければ完成です。
 
⑪ 完成したケーキを型から出し、網等にのせて十分に冷ます

⑫ レモン果汁大さじ1に粉糖90g程度を入れ、レモンアイシングを作る

 粉糖を入れた分だけアイシングは固く白くなりますので、ゆるさはお好みで調整してください。
 
⑬ 冷めたケーキに⑫のアイシングをたっぷりかけ、表面が固まったら完成!

 アイシングが固まる前に、お好みでピスタチオやレモンピューレ等をトッピングしてもかわいいです。

終わりに

 長い記事をお読みいただき、ありがとうございました。
 お菓子作りは根気と根性の修練だと筆者は思っています。分量や温度、水分量を緻密に管理し、それでも納得のいく仕上がりにならない時は、心が折れそうになったりもするでしょう。
 でもそういう時に思い出したいのは、自分の作ったお菓子を食べて欲しい人の笑顔です。
 自分のためだけだったら頑張れないことも、誰かのためだったら頑張れることもある。自分にとっての大きな力になってくれる誰かに出会えているということは、とても幸せなことだと思います。
 レモンの花言葉は「心からの思慕」「誠実な愛」です。皆さまの想いと努力が、誰かの心に届きますように。
 筆者もお菓子作りについてはまだまだ道半ばですので、一緒に頑張りましょう!



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