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遠い記憶 三十四話

生まれたばかりの、我が子の泣く声に、何とかお乳をと
思うと、返って焦ってしまう、私。
しかし、母になると女は強い者である。
あんな姑の言葉なんかに、負けてどうする。
今までの事を思うと、何のこっちゃ無い。
自分に鼓舞して、心を落ち着かせた。
そんな時である。
病室に、母が入って来た。
後ろには、主人がニコニコと、俺は偉いだろうと言わんばかりの顔
をして。

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