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遠い記憶 第八話

その神社に、移り住み、
次の年ぐらいだったと、思う。
私も、小学生、幼稚園も行っておらず、団体生活は、
何もかもが、初めての体験だった。
その、為か何もかも、やる事が、遅く周りの子供達の中に、
溶け込めづ、
あまり、友達と遊ぶ事は、少なかった様に思う。
遊んでいても、何処か私だけ浮いてしまい、
気が付くと一人、
学校では、外で遊ぶ事は、好まず、
静かに、図書室で、椅子を暖めていた。

生まれつき、左目が一重瞼で、視力も弱く、
神経の異常で、口を動かすと、左目もピクピク動いてしまう。
子供は、素直な物で、チョット人と違う事を、
良く、片目のジャック、片目の丹下作善などと、
からかわれた物だった。
給食の時間は、最悪、私が食べる度、
ピクピク動く、左目を、わざわざ、からかいに、
私の周りを、取り囲み騒いだ物だった。
その、為私は、学校から、泣いて帰るのが、しょっちゅうだった。

そんな、私を、母はあまり優しくしてくれる事は無かった。
あまり泣くと、たまには、泣かして来いと、返って𠮟られた。
その声を聞くと、思わず萎縮する、自分がいた。
知らず知らずのうちに、悲しくても、家に帰る前に涙を拭き、
何事も無かった様に、振る舞う事を、覚えた。

学校から、帰ると、テーブルの上に、10円玉が、2個必ず待っていた。
その、10円玉を握り締めて、近くの駄菓子屋さんへ。
弟は、何時も、10円分を駄菓子、袋に詰めて貰っていた。
私は、10円で、どうやったら、沢山買えるか、粘って、粘って
考えた物だった。
最後は、5円分駄菓子を、袋に詰めて貰い、
後の、5円で、クジを引いた。
当たれば、大きい、
外れても、ガムは必ず入ってる。
当たった時は、ガムを半分弟に、半分のガムを噛みしめて、
ムシャムシャと。
そのうち、自分の買った駄菓子はペロリ、
私の、残してある駄菓子を、物欲しそうに眺める顔。
しょうが無いなぁと、5円分の又半分を弟に。

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