非常時に経営者は何をすべきか

浜松のはちみつ屋さんから非常時の経営者のあり方が全て学べます。
大変感銘を受けたので、皆さんにシェアします。

長坂養蜂場(静岡県浜松市)

みかんの産地として有名な静岡県浜松市は三ヶ日町のはちみつ屋さん。
人口1万5千人の三ヶ日町の店舗には年間35万人が訪れる。
経営理念は、「ぬくもりある会社をつくりましょう〜強く・優しく・逞しく」で従業員第一主義の大家族主義経営を掲げる。


非常時はまず守りを固めろ

長坂養蜂場は、通販もしているがあくまでも店舗商売。
普通に考えれば、ギリギリまで店を開けておくところだ。
ところが、緊急事態宣言発令前の休業を決断。
他県からも多くの人が来店するため、従業員や地域のことを考えてのことだった。普通に考えればここでスタッフにはお休みをしてもらうところだが、ここからが長坂養蜂場の真骨頂。経営理念にあくまでも沿った対応をとる。

まず、パートスタッフ含めた従業員には、雇用及びシフトの維持を伝える。
店舗は休業しているときだからこそ、普段手が回らない緊急でないけど重要な仕事(5S・改善など)に徹底的に取り組む事に。

また、毎日の朝礼はzoomで配信し、シフトに入っていないスタッフもみられるようにした。スタッフが不安にならないようにという配慮だった。
また、顧客のことを考えると、閉店の最中に店舗に来て頂くと忍びない。
急遽○万通というDMを発送。その結果、驚異の反響率で来店できない多くのファンが通販で購入をしてくれた(多い日は○00件の発送)。


経営とは、経営理念の追求である

どれだけ理念を追求した経営をしていても、日々の仕事が忙しいと、どうしても心が疎かになり作業になってしまう事もある。
長坂養蜂場は、こういう時期だからこそと、全ての注文に対して手書きのメッセージを添えた。それぞれのお客様に合った言葉を伝えるために、購入履歴を見ながら1件1件心を込めてメッセージを書いた。

それだけではない。
お膝元の三ヶ日はみかんの産地で、ちょうどみかんの花が咲く時期。
みかんの花も同梱し、無料クーポンもつけて発送。
その結果、顧客から毎日7-8通もの長文の手紙が届くという。

とはいえ、店舗の売上げを全てカバーできたわけではない。お得なセットを用意したので、利益率は店頭販売より良くない。とはいえ、通販で想像以上のお客様に購入して頂くことにつながった。

大事にしている「ぬくもり」がちゃんと届いていることにスタッフは手応えを感じ、普段やっている仕事の意義を再確認することができた。

戦略は理念に従う。
会社として大切なことは何かを考えて意思決定を行う。
そして、実際に何をするかは後から考える。

地元キーマンと連携を図れ

この大変な最中、地元との連携ができたことも大きかったという。
地元の集まりによく顔を出してくれるホテル担当者に声をかけ商品開発をした。はちみつを格安で提供して商品開発を行った。
長坂養蜂場では、ホテルではできない受注発送業務を担当した。
ホテルとしても、取り組みを多くの人に知ってもらえれば利益を得る必要はないと400円程度の価格に抑えて発売。6月のお中元DMでお披露目した。

ビジョンを描けば会社も人も成長する

長坂養蜂場は今年85周年をむかえる。その先にはまだまだ大きな夢が広がる。経営理念を軸に、会社の発展を見据えた取り組みを準備している。
その先の戦略についてをここに書くのは控えておくが、目の前の仕事に丁寧に、確実に会社の成長に繋がる仕掛けを常に準備している姿に感銘を受けた。

新入社員が今年3名入社して、先月、新入社員向け研修会を開催した。
夜の懇親会はバーベキュー。みやじ豚が振る舞われた。

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