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SUBARU ff-1 レストアプロジェクト

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50年前、宮城スバルが試作した車が、現在のスバルのAWDシステムの原点となったことは皆さまご存知でしょうか? 今回弊社の歴史を振り返る為、その原点ともいえる車両を1年がかりでレス… もっと読む
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記事一覧

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 最終回

皆さまこんにちは。 ff-1レストアプロジェクトチームです。 今回で最終回となります本レストア連載ですが、車検取得と車両完成、最後にお知らせを皆様にご紹介をしていきます。 全社員大会でff-1お披露目決定前回でもご紹介いたしましたが、エンジンの微調整が完了し安定したアイドリングと吹け上がりを復活させることができました。 しかしながらこの時点で車両は全ての艤装が終わっておらず、またテスト走行もできていなかったためにエンジン初点火前に完成させていたミッションとブレーキの完成度

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第26回

皆さまこんにちは。 ff-1レストアプロジェクトチームです。 今回でいよいよエンジンのレストアに決着を付けます。 だいぶ前にエンジン本体のオーバーホールを済ませていたので(レストア第21回参照)、エンジンを点火させるために必要な諸部品、ハーネスの取り付けやラジエーターなどの取り付けを行っていきます。そして問題なくエンジンが吹けるように調整までの整備をご紹介いたします。 それではレッツゴー! まずはラジエーターの取り付けを行います。 アッパーパネルの取り付けから始めました

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第25回

皆さまこんにちは。 ff-1レストアプロジェクトチームです。 鈑金センターの皆様がいつの間にか取り付けてくれた4枚のドア、手動式のウィンドウレギュレーターの取り付け準備も整い、後はドアトリムを取り付ければドアのレストアは完了という段階まで来ました。 しかしながら、オリジナルのドアトリムもフロアカーペット同様紫外線焼けや数十年分の汚れが付いており、なんとも見栄えがよろしくありません。 そのためドアトリムを新規作成することにしました。 オリジナルのドアトリムは厚さ3mm弱のベ

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第24回

皆さまこんにちは。 ff-1レストアプロジェクトチームです。 BESTSHOP栗生での展示も終了し、本社の工場にff-1が戻ってきたのは5月の中旬のことでした。 1ヶ月ぶりの作業となります。今回も張り切ってレストアを進めていきましょう。 まず、ブレーキの修理作業をご紹介します。 ブレーキ分解組付けで最大の問題になったのはホイールシリンダーでした。油圧で作動しブレーキシューをドラムに押し付ける働きをするこの部品。オリジナルは経年劣化で腐食していたために再利用は難しそう。例の

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第23回

皆さまこんにちは。 ff-1レストアプロジェクトチームです。 今回は4月にBESTSHOP栗生に展示をする直前の作業と艤装作業のご紹介をします。 イベント展示開始予定は4月18日。 レストアの進捗状況から言って完成した姿をお披露目することは断念。 スケルトン状態での展示をすることとしました。 この時のff-1の状態は、車体にエンジンとミッションは付いているものの、足回りやブレーキ関係の部品、タイヤ、ドアなどは装着されておらず、写真のような状態でリフトに上げられていました

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第22回

今回から艤装作業を本格的に進めていきます。 艤装作業といっても車は多くの部品で構成されており、一体何を取り付けるのさ?というお話になりますが、今回は防音処理を施していきます。厳密には今回の作業は艤装作業の下準備といえます。 一般的に自動車は、搭載するエンジン、ミッション、タイヤ等の振動により音が発生しています。例えばロードノイズは代表的な騒音です。これらの振動による騒音対策をしっかりしておかないと、運転中うるさくてとてもストレスフルになってしまいます。 そのため快適な車室内を

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第21回

最近は艤装作業の紹介ばかりでしたが、今回はエンジンレストアの模様をご紹介します。 既にフロントのサブフレームをボディ本体に取付が完了しているため、ミッションとエンジンをこの上に搭載する準備は整っています。またミッションも分解修理が完了しているため、残りはエンジンのみとなります。 以前レストア中にピストンリングを誤って折ってしまい部品調達の目途が立たず、それ以来エンジンのレストアが停滞しておりましたが、長年、SUBARUを愛してくださっているお客様がこのレストアプロジェクト

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第20回

皆様お久しぶりです。宮城スバル自動車株式会社 スバルff-1レストアチームです。 我らのff-1は宮城スバル独自イベントである「4月9日は四駆の日」で4/19から2週間ほどBESTSHOP栗生に展示していました。 レストア途中の「スケルトン」ff-1にも関わらず、多くのお客様に見に来て頂きました。 本当にありがとうございました。 展示後に再びff-1を本社工場に戻し、引き続き完成に向けてレストアをしていきます。 昨年の5月から始まったこのレストアプロジェクトは、本来の予定

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第19回

皆様こんにちは。宮城スバル本社です。 ミッションの組み立てが完了し、第12回のレストアで壊してしまったピストンリングの部品の目途も立ってエンジンの完成も間近といった状況まで来ました。 完成したらすぐに車両に装着できるようにしたいので、今回はエンジンやミッション、サスペンションをボディ下部で固定するための骨格であるサブフレームの装着模様をお届けします。 まずはボディをリフトで上昇させます。 前回の活動でアンダーボディコート剤を塗布したので、下回りとタイヤハウス内は黒くなって

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第18回

皆様こんにちは。宮城スバル本社です。 3月16日に発生した地震により被害を受けられた皆様に謹んでお見舞い申し上げます。 弊社も少なくない被害を受けました。ご来店のお客様に対しご迷惑とご不便をお掛けして申し訳なく思います。1日でも早く完全復旧を目指し邁進してまいります。 さて、今回は先日鈑金塗装を施したff-1のボディへ追加作業と、ドアやボンネットの塗装の模様をご紹介します。 まずはボディの下回りの防錆作業を行います。 ほぼ全ての車に言えることですが、下回りは駆動系やブレ

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第17回

皆様こんにちは。宮城スバル本社です。 ボディの塗装が終わり、着々とレストア完了までの道筋が見えてきている我らff-1レストアチーム。近々塗装後のボディのタイヤハウス等の下回りにラバースプレーを吹きかける予定となっておりますが、今回はミッションの組み立て作業の模様をお届けしたいと思います。 その前に過去の作業をおさらいしていきます。 こちらの写真はレストア初期の段階で取り外したミッションです。 写真をご覧いただくと分かる通り、かなり黒く汚れております。 毎度のことですが、我

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第16回

こんにちは。宮城スバル本社です。 前回で下地処理が完了しましたので、いよいよボディの本塗装を行います。色はオリジナルのボディカラーである「ディーンホワイト」に塗装します。 下地処理で発生した粉塵や埃をはらい落として、塗装ブースにボディを移動させました。スタッフも完全防備の上、この後の工程の相談を行います。(今回掲載する画像ですが、チラついているものが多いです。申し訳ございません。) 塗装ブースの温度・湿度を設定。弊社は塗装する際に環境に良い水性塗料を使用しています。乾燥

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第15回

こんにちは。宮城スバル本社です。 今回はボディの板金塗装の模様をお届けします。 ff-1のボディは以前に錆転換剤を吹き付けたところで作業は停止しておりましたが、いよいよボディの塗装に入ります。 色は新車時の状態に戻すという我々の目標から、元々のボディカラーである「白」に塗装したいと思います。 実はこの車両を手に入れた時には既に過去に板金塗装が行われていた様で、オリジナルのボディカラーではありませんでした。 オリジナルは「ディーン・ホワイト」といって、少しベージュ掛かった

SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第14回

こんにちは。宮城スバル本社です。 前回のレストアから部品の清掃を始めた我らプロジェクトチーム。 今回は大物であるフロントとリアのサブフレームの塗装乖離を行います。 サブフレームとはエンジンやサスペンションなどを搭載してボディに組み付けるための骨格で、剛性が求められることから大きくて重量のある部品です。1個当たりおおよそ縦70cm×横 70cm×高さ30cmくらいの大きさで重量は持った感じは30kg?ぐらいあります。 剛性を上げるために、様々な形に型取った筒状やコの字型プレー