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SUBARU ff-1 レストアプロジェクト 第15回

こんにちは。宮城スバル本社です。
今回はボディの板金塗装の模様をお届けします。

ff-1のボディは以前に錆転換剤を吹き付けたところで作業は停止しておりましたが、いよいよボディの塗装に入ります。
色は新車時の状態に戻すという我々の目標から、元々のボディカラーである「白」に塗装したいと思います。
実はこの車両を手に入れた時には既に過去に板金塗装が行われていた様で、オリジナルのボディカラーではありませんでした。

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オリジナルは「ディーン・ホワイト」といって、少しベージュ掛かった色をしています。
ちなみに、当時のボディカラー解説ではこの色のイメージを「ソレンツァラの浜辺、二人の愛を刻んだ砂の白きディーン・ホワイト」と説明してあります。
ソレンツァラとはフランスのコルシカ島東海岸にある風光明媚な保養地で、ディーン(dene)は日本語に訳すと砂浜…。地中海に面する美しい砂浜が、燦燦と降り注ぐ陽光で白く輝いていて、その場所には男女が2人だけ…、といった情景でしょうか。
「想い出のソレンツァーラ」という曲が1960年代に日本でも流行したそうですが、開発に携わった人の中に好んで聴いていた人がいたのかもしれません。

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余談でした。作業をご紹介します。
国内SUBARU販売会社として初めてテュフ ラインランド鈑金塗装工場認証「ゴールド」を取得した優秀なBPスタッフたちの出番です。

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まずボディのフロアパネルが劣化し穴が開いていたので補強作業を行います。劣化箇所を補強しないと水が浸入して腐食の原因になります。せっかく綺麗に鈑金したのにすぐ錆が発生するのは困りますよね。
鉄板を用意して成型し、パネルボンドとリベットで固定します。溶接だと熱が掛かった場所が錆びやすくなってしまうので、腐食に強く剛性も上がるパネルボンドを使用。

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下地処理に入ります。
前回作業した錆転換剤を塗布したボディをしっかり脱脂しプライマーサーフェイサを吹き付けます。表面の小さい傷を埋や凸凹を埋めて均等にして塗料の密着を良くする下地塗料です。サフェーサの塗装が終わると赤外線ヒーターで加熱乾燥し、塗膜を完全に硬化させました。
この段階では表面がデコボコしており、この上から塗装をしても綺麗に仕上がらないので研磨していきます。荒い番手から徐々に目の細かい番手のペーパーで研磨して、塗装面の歪みを平滑にしていきます。目で見た感じや、実際に手のひらに伝わる微妙な感触を頼りに歪みを矯正していく作業になるので、熟練した技能が必要です。
全面仕上がった後は、せっかく平滑にした後ですが目の荒いペーパーでボディを研磨して足付けします。足付けとは塗料の密着を良くするために塗装面を少しざらつかせる作業のことを言います。表面に軽くキズがつくことで塗料が食いつく面積が広くなり密着性を上げることができるので重要な作業です。

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最後にボディ内部の屈曲している部分やパネルの接合部分にシーリング剤を引きます。車内に水や埃の侵入を防いで腐食の発生を抑制します。これで下地処理が完了しました。

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今回はここまで。次回いよいよ塗装作業に入ります。お楽しみに。

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