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アルコールと脳の関係。「適度な飲酒」でも脳は老化する?

アルコール、つまりお酒は健康にいいのかどうかという問題は、常に日常で話題になりますよね。飲みすぎは健康リスクがあるけれど、1、2杯と少なければむしろ健康にいいなど、その意見は様々です。腸内環境やガンリスクなど、アルコールがテーマの健康問題は多種多様です。今回はアルコールと脳の関係に限定して見てみましょう。

アルコールと認知症との関係性

厚生労働省でも紹介されているのが、アルコールと認知症との関係性です。特にアルコール依存症や大量飲酒者には、高い割合で「脳萎縮」が見られることが分かっています。

2003年に発表された研究では、アメリカの4地域で行われた研究に参加した65歳以上の成人5,888人を対象に調査を行いました。調査では、神経学的な精密検査やMRI撮影のほか、ビール、ワイン種類の摂取量を自己申告してもらいました。被験者には認知症の発症例が373例あったのですが、調査の結果アルコール摂取量が多いほど、血管性認知症やアルツハイマー型認知症の発症率が高かったのです。

ちなみに、この結果では1週間のアルコール摂取量が1杯未満(ほぼ禁酒している人)よりも、週1~6杯アルコールを摂取していた人の方が、加齢にともなう認知症の発症リスクは低かったんだとか。こうした結果が、「少量のアルコールはむしろ健康にいい」という話の根拠になっているみたいですね。

そこで、一般的に「1日の適切なアルコール摂取量」は、以下のように言われています。

  • ビール500ml缶1本(アルコール度数は5%)

  • ワイン180ml(一般的なワイングラスは1杯約125mlなので、1日1.5杯の計算)

  • 日本酒で180ml(約1合)

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