ひとりでもできる!運動と関わりが深い「小脳」の機能アップエクササイズ
脳は大きく大脳・小脳・脳幹に分けられます。今日お話ししたいのはこのうちの「小脳」です。小脳は後頭部、大脳の後下方に位置するわけですが、この部位は私達の運動とは切っても切り離せない役割があります。そんな小脳の機能改善が図れる、トレーニング・アセスメントの方法を紹介します!
小脳と運動の密接な関係
小脳のすごいところは、脳全体の約15%の容積しかないのに、脳全体の神経細胞の約半分が集中しているという点です。その数は、およそ1,000億個以上とも言われています。これだけ多くの神経から送られる情報に対して、小脳が行っているのが知覚と運動機能の統合です。
具体的には、筋や腱、関節からの深部感覚、内耳からの平衡感覚、そして大脳皮質からの情報をもとに、運動や力の強度、バランス調整などを行っているのです。
・立位のときにまっすぐ立つことができる
・歩行時に自分の思うスピード、脚運びをすることができる
・カレーを食べる時にスプーンを使い、ライスとカレールーを上手に混ぜて口に運ぶことができる
全身の精緻な運動を支えているのが、小脳というわけですね。そのため、小脳が損傷すると運動や歩行に異常が見られたり、筋力が低下すると考えられています。
1)無意識な運動を支えるプルキンエ細胞
私たちは、普段自転車に乗るとき、ペダルの踏み方やハンドルのバランス調整を意識的に行っていません。スポーツでも日常でも、繰り返し行われる動作は無意識で実行できます。こうした無意識な運動を支えているのが、小脳のプルキンエ細胞です。
小脳は、普段から行われている運動に対して生じた「誤差」を情報として受け取ると、プルキンエ細胞が働いて神経回路を変化させます。この繰り返しにより、より最適化・洗練化した動きができるようになるのです(運動の実行は大脳なども関わっているので、一概に小脳だけの機能というわけではありません)
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Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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