思い通りに脊柱を動かす方法|カップリングモーション、重心移動、感覚入力を用いて可動性を高める
前回のnoteでは、脊柱の基本構造に関する話をしていきました。今回は脊柱の可動性をどのように高めるのか。さまざまな方向性からアプローチする方法を解説します。
カップリングモーションに関してのアプローチ
まずは、カップリングモーションに関してのアプローチをご紹介していこうと思います。
カップリングモーションの説明に関しては前回解説しました。脊柱は回旋動作をする際に側屈動作が伴います。例えば右回旋時、脊柱の位置によって同側=右側屈をしたり対側=左側屈をしたりするのです。
そして、基本的には回旋動作に対して腰椎は反対側屈をし、胸椎は同側側屈をします。両者の中間点に関しては、徐々にグラデーションを起こしたいずれかの動作を行なっています。また、猫背や腰を沿っているなどの要因で脊柱が過度に後弯・前弯している場合、少し動作が変わります。
簡単にいうと、脊柱のうち前弯している部分は反対側屈をして、後弯している部分は同側側屈を起こすのです。
このカップリングモーションのアプローチを活かすとどうなるか。例えばクライアントの回旋動作を評価したとき、右回旋のほうが可動域が低かったとします。
このときに行う方法としてメジャーなものは、クライアントの棘突起に触れて直接側屈動作を促すというもの。例えば胸椎からアプローチをするのであれば、棘突起に触れます。右回旋を出したいのであれば、右側屈を誘導していきます。画像であれば、手前側に曲突起を引っ張るということになります(左方向に棘突起を誘導することで、右側屈がしやすくなる)。
腰椎レベルからアプローチする場合は反対側屈ですので、私の触れているポイントから側屈させ、曲突起を押し込んでいきます。クライアントの肩を持っていただいて、画像のように側屈を誘導します。
この時、最初に起こったような骨盤のスウェイ(横移動)があまり起きないことが望ましいです。あくまで動かすのは、僕の触れている箇所から上なので、触っている部分から腰が折れるイメージで動きます。そうすると、カップリングモーションの理論上では反対側屈を誘導していますので、右回転がしやすくなります。
もちろん回旋可動域は胸椎がメインになるので、回旋動作の改善という意味では胸椎に対してアプローチすればいいと思います。
重心の位置関係からのアプローチ
今度は重心の位置関係をもとに、脊椎の回旋可動域を出していきましょう。
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