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内的キューイングと外的キューイング~背部のトレーニング効果を改善する~

懸垂、ラットプルダウンなどを行っていても、あまり広背筋をうまく使えていないと感じる人は多いです。その際に起こっているエラーはさまざまですが、多いのは「ラットプルダウンで水平にバーを下せない」「右(あるいは左)の広背筋だけうまく動作していない気がする」というケースです。

こういう状態を見かけた時、多くのトレーナーは該当部位に触れつつ「ここを使いますよ」「ここの筋を意識していきましょう」と声け(キューイング)すると思います。あるいは、徒手抵抗や軽い負荷を用いて、エラーを起こしている方の筋だけで運動してみて、対象筋を動かす意識を促していくかもしれませんね。そうやって、左右差を確認しつつその差を是正できるようなエクササイズを選択していきます。

この過程で、左右差のエラーが限りなく小さくなれば問題ありません。しかし、さまざまなエクササイズを行っても、なかなか左右差のエラーが改善されない人もいます。特に、背部の筋群は動作の様子を視認することが難しいので、改善が難しい部位でもあるのです。そんな人のトレーニングや運動の改善方法として、今回は「内的キューイング」「外的キューイング」という考えを用いたプランを紹介していきましょう。

ちなみに、この後は広背筋の作用も踏まえて説明していきます。下の表で、この筋の起始停止や作用をおさらいしておいてください。

広背筋
起始部:Th5~L5の棘突起、仙骨、腸骨稜、第9~12肋骨
停止部:上腕骨の上部小結節稜
作用:上腕の伸展・内転・内旋、肩関節の伸展・内転・内旋、肩甲骨の下制、体幹の伸展・回旋、骨盤の挙上
支配神経:胸背神経(C6~C8)
拮抗筋:三角筋、僧帽筋

内的キューイング

多くのトレーナーがトレーニング時に行うキューイングとして、よく分類されるのが「内的キューイング」です。これは名称の通り、筋や関節といった体「内」の組織に注目した声がけを意味します。今回は広背筋への意識を高めたいので、背部に大きく広がる広背筋に触れつつ、実際に広背筋が作用しているのかを確認します。

もしかしたら、ラットプルダウンでボトムポジションにあるにも関わらず、広背筋の種々くを感じ取れないかもしれません。そんな時、トレーナーは「ここを意識して動かしてみましょう」と、広背筋に触れつつ声がけしていきます。

広背筋は、付着範囲が広く多くの動作に関わります。上腕だけでも3種類の動作に関わるし、肩関節、肩甲骨、体幹、骨盤にまで影響を及ぼしますから。もしもラットプルダウンで広背筋の働きを意識できない場合は、上記の動作(上腕の伸展・内転・内旋、肩関節の伸展・内転・内旋、肩甲骨の下制、体幹の伸展・回旋、骨盤の挙上)のいずれかを行ってみて、広背筋の強い収縮感を得られるか確かめてみます。

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