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ちょっと怪しい8人の男に声をかけられた話

私は、道端でよく声をかけられる。
声をかけやすい顔しているのだろうか。
幸い、事件や事故に巻き込まれたことはないが、
忘れられない8人を記録していこうと思う。

1.バスから降りたら告白された

暑い夏の土曜日、部活を終えて、いつもは自転車で通学をしていたが、その日はバスだった。本当にたまにしか乗らないバス。
自宅付近のバス停につき降りたのは、数名。
後ろから歩いてきた男の人に、声をかけられた。
「あの、すいません。前に見たことがあって、付き合ってください。」
パッと見て、爽やかそうな男の人。大学生・・・社会人かな。
とりあえず、高校生ではなさそう。ん?前に見た?いつだろう。
驚きと共に若干の違和感を覚えていたし、純粋に彼氏もいたから、素直に「彼氏がいるので、すみません」と答えた。
面識のないその人は、「そうですよね。すみません。」と言って、去っていった。なんだったのだろう。こんな事もあるんだなと思った。

2.近くに黒い大きいワゴンがあるのだけれど

高校の制服のままスーパーに買い物に行った帰り道、スーツを着た男性に声をかけられた。スーパーから自宅に帰る道にある銀行の駐車場だった。
「あのー、今、いいですか。」
「はい。」
「1時間で1万円稼げるバイトあるんだけど、興味ない?」
「はい???・・・あー」
ちらっと、男性の背後に大きな黒いワゴンが目に入った。
窓は黒くて中が見えないようになっている。
(あ、たぶん、そういうやつだよね)
「すみません、今、すごく急いでいるので・・・。いいです。」
そそくさと逃げた。目を合わせずに逃げた。
追いかけてくることはなかったけど、本当に驚いた。
こんな田舎にも”そういう人達”がくるんだと、ただただ驚いた。
あの時、一瞬でもお金に目がくらんでいたらと思うと恐怖しかない。

3.道を聞かれて答えたら握手を求める

次も高校の時だ。自転車で自宅に向かっていたとき、帽子をかぶってウロウロしている男性がいた。10代~20代前半くらいの見た目で、おそらく、発達障害があるのかなという雰囲気の人だった。
私は小中学校と別教室に障害がある生徒がいて、突然大きな声で走っていくことやウロウロして独り言をずっと呟くことも「その子にとって、仕方のないこと」だと、小さい時から思っていた。だから、話したり接したりすることを嫌がったりはしなかった。子どもながらに、少し困りながら生きている人達の力になりたかった。
ウロウロしている男性に「すみません」と声をかけられ、自転車をとめた。
「ここに行きたいんですけど、」と道を尋ねられた。
「あ、ここはこうで~。」と口頭で答えると、
「ありがとう。あの、あの、最後に、握手してもらっていいですか。」
ん???あくしゅ???
さすがに違和感を覚えたが、こういう人なんだろうと思って、逆なでしないように受け入れた。白い手袋をしている男性。手袋をしたまま、握手をした。たった数秒だったけど、正直に言うと、気持ち悪くて怖かった。
家族には言えなかった。
でも、翌日クラスメートに話すと、なんと、友達が同じことを経験していたのだ!!!急いで先生に報告して、握手はしないことと大々的に話があった。あの男性が、性的な握手だったのか、意図的ではない握手だったのかは分からない。それからは、うかつに手を差し出すことをやめた。

4.仙台のアーケードで手をつかまれた

制服で仙台で遊んだ日のこと。
友達と別れて、地下鉄を目指していた。
クリスロード商店街は賑わっていた。雑踏の中、人混みの中をかき分けた。
本当に、スッとすれ違ったおじさんに、
ガッ!!!!と手首をつかまれた。
何も言わずに、手を引っ張るおじさん。
突然のことに声が出ない私。
おじさんの力に負けそうになる。
目もくれず、ただ、ただ引っ張るおじさん。
怖くてたまらないけど、逃げなくちゃ。力を振り絞って、振り払った。
ダッシュで逃げた。おじさんは振り返らずに去っていった。
引っ張られたのは5秒くらいだったかと思うけど、本当に怖かった。

5.6.7.東京で声をかけられた

前記事にも書いたけど、5~7人目は東京でのこと。
思い出していくと、仙台で起きたことの方が怖いじゃん!!!と気付いてしまった。本当に何もなくてよかった・・・。

8.TSUTAYAから追いかけてきたおじさん

社会人になり、私は銀行に就職した。
実家の一番近い店舗に配属され、定時であがると明るい内に帰宅できた。
仕事にも慣れ、後輩ができた2年目の夏。
ちょっと早めにあがれたから、自宅までの間にあるTSUTAYAに寄った。
店内にいる間から、やけに視界に入る男性がいた。
少し気になり、怖くなったので、TSUTAYAを出た。
隣にあるお店に向かおうとしたその時、
「〇〇さん!」と呼び止められた。
え、どうして私の苗字を知っているんだろう。
「あの、TSUTAYAで何度か見かけて、すごくいいなと思って。良かったら、付き合ってもらえないかな。」
そう声をかけてきたのは、お世辞にも若いとは言えないおじさんだった。40代~50代だったと思う。24歳の私には、くたびれたおじさんにしか見えなくて、すごく怖かった。
「あの、ちょっと、難しいですね。」と丁重に断った。
「そうだよね、突然すぎるよね。じゃあ、一緒に食事行きませんか。あの、連絡先交換できないかな。」
「あの、彼氏いるんで・・・」
「あぁ・・・そうなんだ。でも、ほら、食事ぐらいなら。なんでも食べたいの言ってもらっていいし。」
「いや、あの、本当に、難しいです。すみません。」
「そうか・・・ごめんね。」

そこからは、よく覚えていないけど。
急いで隣のお店に入り、友達に電話をした。手も声を震えていた。
友達に言われるがまま、通話したまま車に戻った。アドバイス通り、その日は自宅にすぐ帰らず、いろいろ通り道をしてから帰宅した。
翌日、支店長に報告をして、1週間くらい駐車場まで後輩と一緒に帰るようになった。
苗字を知っていたのは、銀行のお客様だったのかもしれない。窓口の職員は、ネームプレートを出していたから。
何より怖いのは、私がそこのTSUTAYAに入ったのは、1ヶ月ぶりだったこと。どこから追いかけてきていたのか分からないけど、本当に怖かった。



あまりこういう経験は口にしたりしないから、これが普通なのか異常なのか分からない。ただ、身体は傷ついてないけれど、心は傷ついたこともあった。第三者から声をかけられるということは、恐怖でもあるんだというのを身をもって知った。
パッと見て悪意があるかないかなんて分からない。
必要以上に人と距離をとり、簡単に人を信じられなくなってしまったのは、こういう経験からきてるんだと思う。
何も被害がなくても、一生忘れられないし、これから成長する子ども達にはよく話しておきたい。

これを読んでくれた方も、どうか、気を付けてくださいね。




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