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安野モヨコ (脂肪と言う名の服を着て)
(1997年発行)
基本的に女のドロドロした話はちょっと苦手です。
この作品もパラパラッと立ち読みしてみるとそういう”ドロドロ系”に思えたので、なかなか買わなかったのです。
・・・が、何故かちょっと気になる作品だったんですよね。
何が気になるかって、やっぱりインパクトのあるタイトルでしょう。
「脂肪と言う名の服を着て」
このタイトルを思いついた時点でこの作品は成功ですよ。
そんな気がします。
”服”なんだからその気になれば脂肪は脱げるんですよね。
確かにそうです。
・・・が、それが非常に難しい。
この作品が単なるダイエットをする女の子の話だったらつまらない。
太ってることで苛められ、一生懸命ダイエットをして痩せて美しくなって、かっこいい彼氏が出来てメデタシメデタシ・・・などという話なら誰にでも描ける。
安野モヨコが描くのだから、そんな単純な話ではない筈だ。
・・・で、何年か前に古本屋で100円だったので買ってしまいました。
この作品を買おうと思った最大の理由はラスト近くのこのセリフ。
「たぶん 繰り返すわね
身体じゃないもの
心がデブなんだもの」
実に深いセリフです。
上記のセリフの前に言った言葉もなかなかいい。
「もう誰のせいでもない
もとから誰のせいでもない
太ったのはそうやって人のせいにしている
あなた自身のせいなのよ」
”脂肪”とは肉体につく脂肪だけを指すのではなく
精神につく”脂肪”・・・何でも人のせいにしたり、嫌な事から逃げようとしたりする安易な考え方など・・・を指しているんですよね。
結局、一度は痩せた主人公がどうなったか・・・
それはネタバレになるので書かない方がいいですね。
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