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頭のいい人は「短く」伝える 樋口裕一

この本を手に取ったのは、仕事で上司への報告の時、自分の不甲斐なさを感じたからだ。上司への報告をするとき、上司の時間を割いて状況を共有しなければならない事がある。この時、報告する側「自分」がただ現状を報告するか、上司が状況を把握できるように報告するかなど、話順や言い方に気をつけるだけで相手に伝わりやすくなる。
私は現在営業事務として働いているが、お客様からの問合せやクレームなどの対応時、上司への報告が必須になる。しかし、今まで「報告」のための文章構成が分かっていないため、上司に「で、、どうしたの?」と聞き返されることがあった。
本書の著者は小論文の指導に長けているため、分りやすく相手に伝える文章構成を学べる。この文章構成術は、話し言葉だけに通ずるものではなく、メールや小論文、上司への報告書、はたまた日常生活にまで応用する事ができる。
つまり、この本を読み、人が分りやすいと思う文章術を知ることで、相手に「伝わらない」文章を送らなくて済む。自分がストレスなく行動できる状況を自分から作り出せるのは効率の良い学びになる。
分りやすい文章には「4部構成」というパターンがあると言う。4部構成には基本と応用があり、基本は「①問題提起」「②意見提示」「③展開」「④結論」である。応用については、様々なパターンがあるため、ぜひ本書を読んで欲しいと思う。この基本について言えることは、誰もが聞いたことのある文章構成術であると言うこと。ここで分かるのは、文章構成に特段気をつけなければならないことはないと言うことだ。この①〜④までの流れを徹底して自分の中に取り入れることで、相手が話の流れを掴みやすくなる。④の結論から話し始めるのが良いと言う意見もよく聞くが、それは応用であると思う。私もよくしてしまうのだが、基本を身につけていないまま結論から話始めると、その結論がお題に合わず最終的に出てきた答えが結論とは違う事がある。その為、話し始める前に結論(要点)を自分の中で理解しておく必要があるため、基本の順番をまず初めに押さえておく必要がある。
また、本書で印象的だったのが、「質問されたら負けではない」と言うことだ。話始める時、相手に1回の話で全て理解してもらおうと話が盛りだくさんになってしまう事がある。これでは相手が今の話で何が重要だったかを取りこぼしてしまう。そのため、相手に全てを理解してもらおうと話すのではなく、むしろ「それで?」「それで?」と相手が興味を惹きそうな話題を小出しにして文章を構成する方法もある。これに当てはまるのが面接の時だ。面接で質問された時、自分から全開示すると質問する余地を相手に与えなくなってしまう。いかに短い文章に自分に興味を持ってもらえるかが大切であるため、相手からの質問をうまく利用するのも文章構成に大切な要素である。
本の内容を短くまとめたが、私は文章が得意ではない。むしろ不得意でこの本を手に取った。本書では、例文に合わせて構成のパターンを説明してくれているため、読みやすい。また、2ページに渡る長い文章が例文として取り上げられている箇所がある。私は読むのに必死だったが、著者がいとも簡単に要約していたのには圧巻だった。文章の流れ(ポイント)を素早く掴む力がいかに重要かを魅せられた箇所でもあったと思う。
会話の中で相手に伝わらない事があっても、それは自分が話下手なのではなく、ただ単に話す順番を分かっていないからだと思う。本書で4部構成を学び、日常生活、仕事など様々な場面に活かしていきたい。

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