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そうだ、明日は選挙に行こう ☆茶色の朝が来ないよう☆

 『ますます興味深い日本現代史。今、起きている事が、将来、どう史書に残るのか。長生きせねば。』とのツイートを見かけて、私も是非見てみたいので長生きせねば…と思った。今の出来事が、この先20年、30年後には日本の黒歴史になっているのだろうか?私は年齢的に見届けることが出来るのか微妙なところ…。

 久しぶりに『茶色の朝』を読み返した。数年前なら、こんなことがあったら怖いな…という想像でしかなかったことが、今の社会なのでは?と思ってしまう。

 科学者が「茶色」の有用性を唱え、法律が制定され、政府が次々と社会を茶色一色に染めていくという寓話。始めは「ペット特別措置法」を元に茶色以外の猫を飼うことを禁じ、それ以外の猫は殺処分されることになる。そして、次は犬も対象となった。更には茶色以外の犬や猫を飼っていた人は逮捕されることになり、しまいには、現在だけでなく、過去に飼っていた人も対象となってしまう。アッという間に庶民には到底理解出来ない法律が次々と定められ、それをふりかざし個人の自由や権利が奪われ、恐怖政治へと向かっていく。20年も前に書かれた本なのに、まるで今の社会のようで驚いてしまう。

 そして、刻々とおかしな世の中になっていくのを見過ごし続ける人々が描かれていて、自分と重なってしまう。何かあれば皆が動くだろう…と呑気なことを言っている間に取り返しのつかないところまで進んでしまう。私の嫌いな言葉「あと少し早かったら…」今までの人生で、病院や歯科で何度となく聞いてきた。「あと少し早かったら手術出来たのに。」「あと少し早かったら歯を抜かないで済んだのに。」薄々分かっていたからこそ、聞いたときの後悔と絶望感は大きかった。今の社会のおかしさにも皆、薄々分かっているはず。昨年末にタモリさんが発した『今は新しい戦前』という言葉にも納得がいく。

 こんな時代だもの、日記など綴っていたら、ある晩の日記が開戦前夜の日記になるかもしれない。そして、その日を境に変わり映えのない日々が、戻ることの出来ない愛おしい日々に一変してしまう。そんな日が来ないよう…。そうだ、明日は選挙に行こう。

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