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スキとスキル

(2019/04/25 に別媒体で書いた記事の転載)

僕らのチームのオリジナル名刺を作った際に書いた記事で、こんなことを書きました。

みんなが持っている好きなことに向けるパワーを、どうにか仕事にフィードバックできないものか。
ものすごく単純な話をすると、メンバーそれぞれが好きな分野の仕事ができると、いつも以上の力を発揮できるんじゃないかとか。(そんな単純な話ではないですが)
実際、各メンバーも、自分が好きだったり興味がある分野の仕事ができたらいいなと思ってたりします。
ただ、どうすればそれに近づけるのかがわからなかったりして、“あわよくば…” “運が良ければ…” という「待ち」のスタンスになってしまっていることも多いように見えます。

“あわよくば…” “運が良ければ…” という気持ちの他に、クリエイターであれば、“いいものを作っていれば、いつか誰かが自分を見つけれくれる”という考えもあるかと思います。
でも、きっとそれらのほとんどは淡い期待に終わります。

僕の場合、黙ってても誰かに見つけてもらえるようなタレント性は持っていないし、運という不確実なことに期待できる性格ではないので、とにかく自分の好きなことを誰かに届くようにずっとワーワー言い続けてきました。商談の席、SNSやブログ、交流会、行きつけの服屋、地元の居酒屋など、チャンスの匂いがするあらゆるところで。
自分に確実にできることは熱量を伝えること。簡単に言えば、一定の量を保って継続的に発信し続けること。誰にも見向きもされないこともたくさんありますが、好きなことだから、やめられないだけなんですが。

具体的に、好きだ!と叫んでいる対象を一部挙げます。

・ガンバ大阪(Jリーグ、サッカー全体)
・Hi-STANDARD(PUNK / HARDCORE、インディロック全般)
・ストリートカルチャー/サブカルチャー
・テレビ、特にNHK(連続テレビ小説「ちゅらさん」、
 ドキュメント72時間、大アマゾンシリーズなど)
・ネギ

などなど。

嫌いになりたくないから、好きなことと一定の距離を保っておきたい、という考え方があります。わかります。
でも僕は、自分の人生の一部となってくれたことや人に、なんらかの形でお返しがしたいと思うタイプです。
チケットやグッズを買うなどの金銭的な支援によって恩返しの気持ちをあらわす、というのも1つの方法ですが、もし自分のできることで好きなことや人に貢献できるとしたら、これほど最高なことはない。
もちろん失敗することもあるし、幻滅することもあるだろうけど、それはそれで構わない。ずっと夢の中にいたいわけではないから。

そんなこともあり、自分の持っているスキルを活かして、自分が貢献したいと思うことや人に関する仕事がある場所にできるだけ近づかねばという思いもあり、大手広告代理店さんと仕事をしていた今の会社に入りました。それが約10年前。
10年間、オンライン・オフライン問わず、地道に自分が好きなことを言い続けてきましたし、今もしています。むしろ40歳になった今の方がしています。
いろいろもがいてみた結果、自分はスマートに道を切り拓けるタイプではないし、どんどん人生の残り時間やフレッシュな時期は過ぎ去っていくので、自分のちっぽけなプライドやカッコをつけたい気持ちなんかは引っぺがして、とにかくみっともなくてもいいから「好き」な気持ちを発信したり、証明しないとって。
これは、PUNK / HARDCORE やストリートカルチャーのカッコいい人たちから学んだ姿勢です。できることは自分でやりなよ。できること全部試してみたの? その方が楽しいじゃん。ハイプやポーズが一番カッコ悪いじゃんと。

そんな風にワーワーやってきた結果、ガンバ大阪やNHKの仕事はできました。周りから見ると、僕のアクションとその結果に相関性は見えないかもしれませんが、僕の中では繋がっているんです。

なんて言っておきながら、実際はガンバ大阪の仕事なんかは、本当に端の端の端の端の端の作業だけしか担当できなかったし、やっと来た大好きなことに関わる案件を目の前でとり損ねたこともあります。それにまだHi-STANDARDやネギに関わる仕事はできていません。

それは僕の仕事のスキルや信頼が足りていないからです。もちろんアピールの量や質の問題もあるのですが、仕事ですから、何よりもまずはスキルや信頼が必要です。
コネや情けや忖度ではなく、自分の力でそこに関わらなければ、僕にとっては意味がないことです。ファンという気持ちで関わるのではなく、プロジェクトに一端を担うひとつのピースとして、スキルで応えないと。

だから、もし僕みたいに「好き」と仕事に繋げたい人は、絶対にスキルを磨きましょう。そうした方が絶対におもしろいから。
僕もずっとずっとみっともなくジタバタキャッキャしながらスキルを磨いていきます。

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