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元ネタが童話。

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記事一覧

妖怪・女郎蜘蛛と人間の男の愛

妖怪・女郎蜘蛛と人間の男の愛

ひと昔前、物々を風呂敷に包み、肩にかけて旅する男がいました。風呂敷の中には、小さな女郎蜘蛛がひっそりと隠れており、男と共に旅を続けていました。男はある日、山を越えての旅路に挑戦しましたが、途中で雨が降り始めてしまいました。急いで山を下り、古びたお堂に避難しました。「まさかこんなところで雨に降られるとはな。まぁ、夜が明けるまで待ってゆっくり進もう。」男は深いため息をつきながら、タバコに火をつけました

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若返りの泉を求めて:二人の人生の新たな章

若返りの泉を求めて:二人の人生の新たな章

大発見!山村で起こった“若返りの水”事件

昔々、山のふもとに佇む小さな村で、驚くべき出来事が起こりました。炭焼きをしているおじいさんが、ふとした偶然から、若返りの水を見つけ、村の人々の生活に大きな影響を及ぼしました。

ある日、おじいさんは炭俵をかついで山を下りる途中で、道端から湧き出ている綺麗な水を見つけます。渇いた喉を癒すためにその水を飲むと、なんとおじいさんはその場で若返ってしまったのです

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青い鳥(現在はXと改名)の商人たち

青い鳥(現在はXと改名)の商人たち

遥か昔の、貧しい家に生まれた兄と妹の兄妹、名前はカイトとユノ。彼らは毎日のように、近隣に住む金持ちの家を見上げ、内心でその贅沢な暮らしを羨む日々を過ごしていました。ある日、村に突如として現れた魔法使いのおばあさんが、二人の前に立ちはだかりました。彼女は悲しげな表情で語りかけました。「私の娘が重い病に倒れており、彼女の唯一の願いは幸せの青い鳥(現在はXと改名)を見ること。もし見つけられる手がかりを知

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山捨て親恩-絆は山の彼方に-

山捨て親恩-絆は山の彼方に-

昔々、ある国に殿様がおりました。しかし、その殿様は年老いて働けなくなった者を役に立たないとして、非情なお触れを出しました。「山に捨てよ」というのです。

ある家でも、このお触れに逆らえず、息子は悲しみながらも老親を山に捨てようと決意しました。しかし、心優しい息子は、最後の瞬間で勇気を出し、老親を捨てることができませんでした。

代わりに、息子は老親を家の床下にかくまわせ、密かに世話をすることにしま

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金と銀の斧-正直なきこりの勇気と成功物語

金と銀の斧-正直なきこりの勇気と成功物語

むかしむかし、ある正直なきこりが森で木を切っていました。ある日、彼は不注意ながら大切な斧を川に落としてしまいました。きこりは深く嘆き悲しみましたが、そこへ突然、神様が現れました。

神様は、きこりが困っていることを見て、助けを申し出ました。「おい、きこりよ。川の中に金の斧がある。もしかすると、それがお前の落とした斧かもしれんな。」神様は川に潜り、見事に金の斧を手に入れました。

きこりは驚きながら

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賢き鴉と水差し

賢き鴉と水差し

昔々、鴉という賢い鳥が長い旅を続けていました。彼は喉が渇いていて、水が欲しくてたまりませんでした。ある日、彼は一つの水差しを見つけました。喜んで飛んでいくと、中に水が入っていることに気づきました。

しかし、水差しの水はほんの少ししか残っておらず、カラスのくちばしでは届きませんでした。カラスはがっかりしましたが、諦めることはありませんでした。彼はあらゆる手段を試しましたが、水を飲むことはできません

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立派な角と勇気-シカの冒険

立派な角と勇気-シカの冒険

昔々、ある春の日のことです。青々とした草原に佇む美しいシカが、泉のそばで喉を潤していました。泉の水面に写る自分の立派な角に、シカは自画自賛しながら見入っていました。しかし、その一方でシカは自分のか細い脚に悩みを抱えていました。

すると、突然ライオンが現れ、シカに向かって迫ってきました。シカは恐怖に駆られ、一瞬で身を起こして逃げ出しました。脚を懸命に動かし、ライオンから一気に距離を取りました。

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狡猾な狐と寛容な鶴の御馳走物語

狡猾な狐と寛容な鶴の御馳走物語

昔々、あるところに意地悪好きの狐が住んでいました。ある日、狐は鶴を見つけて、「ご馳走するからいらっしゃい」と招待しました。鶴は喜んで狐の家にやってきました。

ところが、狐は悪戯心をくすぐられていました。鶴にわざと平たい皿に入れたスープを差し出しました。なぜなら、鶴のクチバシは長くて細いため、平たい皿からスープを飲むことができないのです。

狐は意地悪そうにスープを飲みながら、鶴の困った顔を見つめ

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カエルたちとリーダーのない幸せな暮らし

カエルたちとリーダーのない幸せな暮らし

昔々、ある森の中に小さな沼がありました。この沼には多くのカエルたちが住んでいました。彼らは日々を楽しく過ごしていましたが、自分たちを治めるリーダーがいないことに不満を感じていました。

ある日、カエルたちは神に願いました。「我々に王を与えてください」と。神はその願いを聞き入れるべく、沼に一枚の木の板を落としました。

カエルたちは興奮して集まり、その木の板を見つめました。しかし、板にはただの木の板

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兎と亀の大逆転競争

兎と亀の大逆転競争

むかしむかし、ある時のことです。ウサギとカメが出会いました。ある日、ウサギはカメの歩みの鈍さを見て、ナメてばかりいました。「おいカメよ、おまえの足はなんて遅いんだ!さすがに俺にはかなわないぞ!」と笑いながら言い放ちました。

カメはウサギの挑発に動じることなく、ただひと言。「ウサギさん、もし私があなたとかけっこをしたら、勝てる自信がありますよ」と答えました。

ウサギはカメの自信に驚き、興味津々。

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黄金の卵と欲望-鵞鳥の教え-

黄金の卵と欲望-鵞鳥の教え-

むかしむかし、ある農夫が暮らしていました。彼は小さな農場でガチョウを飼っており、ある日、農夫は驚くべきことを目撃しました。なんと、彼の飼っているガチョウが黄金の卵を産んでいるのです!

喜び勇んだ農夫は、その黄金の卵を売り、大金持ちになりました。しかし、次第に農夫はガチョウの毎日の1個の卵では物足りなさを感じるようになりました。きっと、ガチョウのお腹の中には金塊が詰まっているに違いないと考えるよう

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嘘と真実の羊飼い-狼が来た少年の物語

嘘と真実の羊飼い-狼が来た少年の物語

むかしむかし、ある村に羊飼いの少年がいました。彼は毎日羊の世話をしていましたが、退屈な日々に嘘をつくことで気晴らしをしていました。

ある日、少年は村の人々を驚かせるために思いついたことがありました。彼は大声で叫びました。「狼が来た! 狼が来た!」と。

大人たちは驚き、慌てて武器を手に取り村の外へと駆け出しました。しかし、到着してみると何もいませんでした。少年はにやりと笑いながら、だまされた大人

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三本の棒-団結の力-

三本の棒-団結の力-

むかしむかし、あるところに父親が3人の息子を持っていました。父親はある日、3人の息子たちに一本ずつ棒を手渡しました。「これを折ることができるか、試してみなさい」と言いました。

3人の息子たちはそれぞれ自信を持って棒を折りました。簡単に折れることができたのです。父親は満足げな笑みを浮かべながら、次に3本の棒を束にして息子たちに差し出しました。「では、これを折ってみなさい」と言いました。

しかし、

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麦の宝石-雄鶏の勇気と知恵の物語

麦の宝石-雄鶏の勇気と知恵の物語

昔々、ある村に立派な雄鶏がいました。その雄鶏はいつも、何か食べるものを探すために土をひっかいていました。ある日、雄鶏は偶然にも輝かしい宝石を見つけました。

雄鶏は宝石を見て喜びましたが、すぐに考えが浮かびました。「この宝石はきっと落とし主が探しているものだろう。喜んで受け取ってくれるに違いない。しかし、私にとっては麦一粒のほうがずっと大切だ。」

雄鶏は宝石を手に取り、しばらく考え込みました。や

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