2-8.初日に向けて
初日を明日に控え、全体訓示を、今回は私から学生へ送った。
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いよいよ明日から、「書く力をつけるプログラムfor小学生」が始まります。
参加する学生さんは、以下のポイントを確認して、
明日からの指導に当たってください。
<引き出し方のポイント1~>
●まずはシートをみて、「この子が言いたいこと」を仮定してください。
例えば、「運動会」を選んだ子が、Q2のどうしてどうなったのところに「力を出し切れた」と書いています。
思ったこと・感じたことのところに「応援団がかっこよかった」と書いています。
さて、この子が一番伝えたいことは何でしょうか?
明白ですね。前者の「力を出し切れた」ですね。
これはわかりやすい例ですが、シートをみてもわからないという場合は、
まず「成長したこと」というテーマに立ち戻ってください。
応援団がかっこよかったというのは、
素直にその子が思ったことですが、成長したことというテーマにはあてはまりにくい。
その点、「力を出し切れたこと」なら、当てはまりますね。
でもここで、「力を出し切れたことが成長したことなんだね」と言い切ってしまうと、
彼らの思考はそこで止まってしまいます。
なので、
●言いたいけど、そのことはしっかり頭に入れておきます。
(ここ必須ね)
その他のところを確認しながら、
その方向で会話を進めます。
2,3会話したら、ほぼ確定できるでしょうから、
ここで、「話を聞いていると、”力を出し切れたこと”が君にとって一番言いたいこと(伝えたいこと)なのかな?」という風に聞いてみるといいでしょう。
ここでのポイントは、みなさんが断定しないこと。
(君の成長のポイントは「力を出し切れたことなんだね」等と断定しない(この場では))
みなさんは「差し水」の役割をしてください。
わかりますか?言っていること。
子どもたち自身が、「自分が言いたいことは、自分では気付かなかったけど、自分がちゃんと書いたり言ったりしているんだ」ということに自分で気付くってことが、今回の目的のひとつですから、その気付きの場をできるだけ自然体で作ってあげるということを心がけましょう。
<引き出し方のポイントその2~>
その1をして、その子の一番言いたいことを、学生が把握したら、
●①「成長した」というテーマを考えた時に、どんなシーン(情景)が思い浮かんだ?
と聞きます。
もう書いているので、多少はイメージできていると思います。
彼らも5年生だから、「成長したこと」→「行事から選ぶ」→「何を書こうか」という思考はしているはず。
なので、そこに書いてあることは、当たらずとも遠からず、連想ゲームの中から出てきた大きなヒントなのです。
そのヒントをうまく使って、その子が一番伝えたいことが伝わる、そのシーンを完成させてあげましょう。
●②シーンが浮かばず、代わりに言葉は出てくる子もいるかもしれません。「成長したこと」→「友達と協力することができるようになった」
では、そこを一番表現するのに適したシーンはどれかな?と探っていきます。
自然教室であれば、イベントが数個ありましたね。
「コレの中からだったら、一番印象に残ったのはどれかな?」とか、
「たくさんあると思うけど、その中からひとつ選ぶとするとどういう状況を選ぶ?」とか、
そうやって絞り込んでいきましょう。
この流れをしながら、また終わったら、(どちらでもいいです。すすめやすいほうで)
●「この中で一番伝えたいこと、言いたいこと」をきちんと出させましょう。
(シートの一番上に、「一番伝えたいこと:○○○○」と書かせる)
●は流れの中のポイントです。
頭に入れておいてくださいね。
今回はこれを全部完璧にこなすことは必須ではありません。
今回は「まずはトライ」です。
「心がけて、やってみようと思い、目の前のリアルな課題にチャレンジする」だから、事前学習は必須です。
でも課題は生もの(笑)ですから、
質問できずに詰まってしまうかもしれない。
話がそれてしまうかもしれない。
子どもにペースを乱されるかもしれない。
でも、臆せず頑張ってください。
この経験は社会でめちゃくちゃ役に立ちます。
こんな経験ばっかりです。社会って。
だから、たくさん経験して引き出しをたくさん作ることです。
私が今これをこうしてみなさんに指導できているのも、
その数多くの経験からです。
そして準備。
シュミレーションをたくさんしておくことも、経験がない場合は効果的ですよ。
何より、自分の気持ちが落ち着きます。
E頭君が昨日自己紹介のときに言っていました。
「大人の自分を捨てる」
今回は、大人としてではなく、子どもの自分の目線で、
指導するといいんじゃないかな。
頭の片隅にはちゃんと進行のポイントは入れておきましょう。
その上で、5年生の目線に戻ると、いいアドバイスができるのでは?
相手の気持ちがわかるから。
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大きな流れとポイントを確認し、
後は彼らに任せる。
シミュレーションをやっていたって、何が起こるかわからない。
でも、大切なことが頭に入っていれば、対処はできる。
うまくいかなくったって、そこで気づけばいい。
シミュレーションが足りなかったと学生が思う結果になっても、
その気づきは次に生きる。
だから、こういう機会があること自体が一番ありがたいのだ。
わくわくしかしない。
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