砂漠に咲くバラ〜Rose de Sahala〜記憶に刻まれた灯。
なぜか昔から蛍光灯の光が苦手で、間接照明やランプを好む。
暖色系のあったかーい光がほわっと灯ったお部屋にいるとほっこりしませんか?
明るすぎる場所や、冷たい光の中にいると元気なくなってしまうのとソワソワして落ち着かない.....。わたし。根暗だからかなあー。笑
1日の中で1番好きな時間は、全ての仕事や家事を終えてお部屋の照度を下げる時。お気に入りのライトに切り替えて、まったりする。
この時間が至福の時なのです。
わたしがランプや照明を集め始めた原点は。
Rose de Sahala 砂漠に咲くバラ という名前の一件の雑貨屋さんだった。
この方のブログにお店と、砂漠に咲くバラが掲載されているのでよかったら。
”円山”という札幌市内のおしゃれエリアに存在していたそのお店は。店内に入ると、異国の香りが漂い、棚という棚にはびっしりとユニークな雑貨が積んであり。中東エリアやヨーロッパエリアの珍しいランプやキャンドルの優しい光が迎えてくれた。
店主は、フェイスラインにびっしりとヒゲが生えていて。寡黙な感じの雰囲気で奥様と二人でお店を切り盛りされていた。
21歳の頃、社会に出てすぐでメイクのお仕事を始めたばかりのわたしは悩んでばかりいた。学生から社会人になって感じる現実と理想のギャップ。
描く夢は程遠く感じ、アルバイトで務めていた先ではよく怒られていた、しょんぼりするとそのお店を訪ねた。扉を開けるとそこには異国が広がっているようだったから。何か現実から引き離してくれるような感覚があった。
ある大雨の日、そのお店が更に特別な場所に変わる出来事があった。
その日は、仕事で凡ミスをしてしまって。上司に指摘された時に受けた言葉「夢とかやりたい事とかわかるけど、基本的な社会マナーがなってないのに叶うわけないですよ」という言葉がきつく刺さり、、自分に対して悔しくて泣きながら車を運転していた、気づくと雑貨店の前にいて。いつもどおり、お店に入って店内の雑貨を見ていると。こんなところで泣いてはいけないのに涙を抑えられなかった。
ありません?なんかここで泣いちゃいけないのに涙が止められない時。
すると、寡黙な店主がこっちこっちと手を招いてくれてお店の奥のスペースに通してくれた。
奥の部屋は表とは比べ物にならないほど、更に異国情緒溢れていて、アラビアンカーペットの敷かれたスペースにポツンとある小さな丸い椅子に腰かけた。
ランプの暖かい灯があちこちで灯っていた。
少しすると、無口な店主が何も言わずにモロッコのお茶を持ってきた。
「まあ、飲みなさい。雨が止むまでここにいたらいいよ」
そういうとゴージャスなモロッコの茶器と甘いチョコレートを置いて店主はまたお店の方に戻っていった。
聞こえてくる雨の音と、温かいお茶、店主の思いやり。秘密の部屋のような奥間の空間は、まるで映画の1シーンのような時間で。
店主の優しさが強烈に胸に刻まれた。
遠い遠い、昔の記憶。もうその後どうやって家に帰ったのか、どんな会話を店主と交わしたのかははっきり覚えていない。
けれど、今だにあの日の雨に起きた出来事と灯を忘れていない。
お店はもう閉店してしまったが、わたしの自宅には今でもそのお店で買ったランプやキャンドルホルダーや小さな照明がたくさんある。柔らかい光の中にいると心が癒されて、ふっと肩の力が抜ける。
お家時間が長い今、小さなキャンドルでも、豆電球でも。暖かい暖色系の優しい光はきっと、皆さんの心にもほっこりとした時間を届けてくれるはず。
暖かい灯の癒し時間。オススメです。
2年前にドバイを訪れた時に、砂漠のバラというのをリアルに見た。砂漠の砂が風にふかれてバラのような形になる。
あの日、お店の店主からもらった、優しさ。
Rose de Sahala
願わくばまた、あのお店と店主に再会したい。
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