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はじめてのロゴデザイン①/ヒアリング編

会社を独立し獣医師として起業された友人からロゴデザインのご依頼をいただきました。私の高校時代の同級生です。

これまで私はテキスタイルデザインを制作してばかりで(自己流ですが)
ロゴデザインに関しては、ほんのちょっとかじったことはあるけれど、
仕事の経験は全くありません。
ですが、独学が可能な現代、情報は潤沢に用意されています。
私のデザイン力を高めるチャンスにしか見えなかったので、
ありがたくお引き受けしました。

「佐藤可士和の超整理術」 佐藤可士和著(日経ビジネス人文庫)

佐藤可士和さんの著書「佐藤可士和の超整理術」はあまりにも有名ですが、本文中にある「答えはいつも、自分ではなく相手の中にある」という一文は独りよがりな絵画制作をしていた当時の私にとって、思考を外へと広げていく、1つのきっかけとなりました。今回のロゴ案件は、まさに相手の中にある潜在的なイメージを色や形で顕在化させるわけですから、まずは依頼をくださった友人からイメージや言葉を引き出すことが先決であると考えました。

ロゴデザインの現場 事例で学ぶデザイン技法としてのブランディング

さて、こちらの書籍はロゴデザインが学べるおすすめ本のサイトで必ず紹介されている本です。思考プロセスからプレゼン内容、契約書まで、プロの仕事を余す所なく丁寧に詳細に記載されており、経験の薄い私から見ても、なんて贅沢な本なのだろうと感じる秀逸な1冊です…!
出版という形で知恵を公開してくださったことに感謝しかありません。

とはいえ感心ばかりしていても仕事は進みません、こちらの本で紹介されているノウハウの中で、今の私ができること・やるべきことは何か。
そこで「ソフマップ」をはじめ、教育機関、企業、商品ブランドなど、数多くのブランディングおよびロゴデザインを手がける株式会社コージィデザインの佐藤浩二さんが提示されている「ヒアリングから核となるコンセプトを導き出す」を、今の私の手の届くレベルに落とし込んで実践していきました。
書籍では実際のヒアリングシートが掲載されており、社名の由来から事業内容、将来のビジョン、デザインイメージの希望など、ロゴのコンセプトを形成していく問いが並び、第三者が見ても概要を理解できるような明快な書式です。本文にある佐藤浩二さんの言葉です。

クライアント自らがどうしたいのか、ということも大切ですが、「どう思われたいのか」ということが、ブランドイメージを構築していくうえで、とても重要なヒントになります。

出典:「ロゴデザインの現場 事例で学ぶデザイン技法としてのブランディング」エムディエヌコーポレーション,2016,121p

どう思われたいのか、それは私がテキスタイルデザインのコンセプトを言語化する際にも通じる考え方であると思いました。

では早速、佐藤浩二さんのヒアリングシートを私なりに簡易化したシートを作成してみます。

「リムちゃん」は友人の愛称です

シート内「ミッション」「ビジョン」「理想の未来のために、その第一歩として今やっていること、取り組んでいること」に関しては「コンセプトの教科書」細田高広著(ダイヤモンド社)第4章で紹介されている、フレームワークから引用しました。

「コンセプトの教科書」細田高広著(ダイヤモンド社)

そもそもの使命を語り、いつかの未来を語り、そのためにいまやるべきことをコンセプトとして位置付ける。ビジョン型のストーリー設計の型を使うことで、これから事業を展開されていく友人の「最初の一歩」となるような未来目線のロゴにしたいと思いました。

友人が海外在住のため今回はLINEを通じてヒアリングしました。

書籍「ロゴデザインの現場」にも、佐藤浩二さんの受注から納品までの流れが解説されていますが、株式会社コージィデザインのサイトにも制作フローが掲載されています。こちらに例えると、今私がやっていることは「Step 3:ヒアリング」に該当します。

そして、ヒアリングと並行し、ピンタレストを利用した視覚イメージの共有を始めました。

ボード開設当初は友人に自身が好きだと思う色や写真、食べ物、イラスト、動物、など何でも加えてもらうようにしました。それは友人の好みに合わせたデザインを作成するわけではなく、趣味・嗜好・人間性を知ることで、デザインに人格を与えるためのヒントとして活用したいと思ったからです。

そうして友人に入れてもらった画像から、私の方で問診・提案するようなイメージで新たに画像を加えたりしつつ、ラフの制作に入っていきます。

次回の記事ではラフのやり取りをご紹介したいと思います。
ここまでの流れで何かお気づきの点などあれば、是非ご指摘いただけましたら幸いです!お気軽にコメントもしくはホームページのCONTACTからメッセージいただければと思います。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします!



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