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下着泥棒に10回以上遭った話し

タイトル通り私は下着泥棒の被害にかれこれ10回以上遭っています(なんの自慢にもならない・・)

思い返せば8年前。
初めての一人暮らしに胸が高鳴る20代前半のピチピチギャルの私。

入居日、大家さんのおじいちゃんは
「この辺は下着泥棒が出るから下着類は外に干さない方がいいよ」
と助言してくれました。

「へぇ〜そうなんですか。わっかりました〜」
と大家さんの忠告を右から左に流し、自分には関係ないもーん!と翌日からバンバン下着を外に干して干して干しまくりました。
だっていいお天気なんだも〜ん!部屋干し臭いんだも〜ん!ってな具合に。
しかし、夜になっても取り込まない私。というか、洗濯物を干したことすら忘れて爆睡する私。

そして朝目が覚めて洗濯物を取り込むと、

「ふんがぁぁぁーーー!下着盗られてるやないかーーーい!!」

はい、見事にぜーんぶ盗られてました。
お気に入りのピーチジョンのブラジャーも・・ない・・あれは私が大学生の頃付き合っていた彼氏にムラムラしてもらう為に小銭はたいて買った勝負下着だったのに・・・パットがゴリッゴリに入ってて小さな胸の私に奇跡の谷間を提供してくれる魔法のブラだったのに・・・
この時、私の腹底から湧き出てくる感情は、恐れでも悲しみでもなく、怒りでした。

だから、私は決意した。

「下着泥棒に負けるもんか・・・!」と。

それからというもの、
私と下着泥棒との闘いが始まった(ドキュメンタリー風)

私は毎日天気予報をチェックし、晴れマークを見る度
「よし!今日は下着日和だ!」
とガッツポーズをした。

私は怯むことなく、下着を外に干して干して干し続けた。
よく言うではないか。攻めは最大の防御なり、と。
しかし、下着泥棒も怯むことなく、盗み盗み盗み続けた。
下着泥棒も私と同じく攻めの姿勢を忘れなかったらしい。

結果、私の完敗だった。

やるではないか下着泥棒よ。お前さんの方が一枚上手だったようだな。はっはっはっ。

お伝えし忘れていましたが、私の部屋は角部屋で道路に面しており、下着泥棒には持ってこいの場所に位置しています。
しかし、一応敷地に入るには簡易的なドアを開けなければなりません。下記のイメージ写真のような感じ。

下着泥棒が出現した日は必ず、このドアが開きっ放しの状態でした。
私はもう悔しくて悔しくて、以前にも増して下着泥棒への怒りの火を燃やしました。

「下着泥棒に負けるもんか・・・!(2回目)」

男もののパンツを一緒に干してみたりもしましたが、それだけを残して私のおパンティー&おブラジャーは根こそぎ盗っていかれました。

お気づきの通り、私結構な頻度で下着泥棒に遭っておりまして、だんだん履くパンツがなくなってきたんですね。
今文字に起こして現実を直視しましたが、バカですね。
下着泥棒に遭ってパンツがないとか。人として全体的にダメだわ(笑)

この話しを周りにすると、100人中100人に部屋干しを強く勧められます。全くの正論です。
ただ、この時の私は結構バグっていて、打倒下着泥棒!に燃えているものだから周りの声なんて聞こえやしない。
更に驚くのは、履くパンツがなくなってきたからパンツを買いに行くのですが、今まではピーチジョンだのワコールだので買っていたのが、ユニクロや無印良品の3個で1000円のパンツを買い始めた訳です。
ユニクロや無印良品の品質は素晴らしいです。好き好き大好き超愛してる、です。
ただね、何が言いたいかというと、私もう下着泥棒に盗られること前提で下着を選び始めちゃってるんですよ。
ピーチジョンのパンティー盗られた時のショックよりユニクロの3個で1000円のパンティー盗られた時の方がショックは小さくて済むから。
知らぬ間に私リスクヘッジしてましたよ。

こんなにも私の頭の中は下着泥棒のことで頭がいっぱいだった訳です。
そんなある日、事件は起きました。

またもや下着泥棒に下着を盗られてしまった私。
ただ、何だかいつもと様子が違う気が・・・。
今までは根こそぎ下着を盗まれ残っているのはタオルやハンカチくらいだったはずなのに、
なんと、
なんと、
よれよれのベージュのパンツだけは残っていた・・・!!

「盗むなら全部盗めボケェーーーッ!!
 選り好みしてんじゃないよボケェーーーッ!!」

私はシャウトした。
まさか、ここまで舐められていたとは。

下着泥棒からしたら、
「最近しおれたパンツばっか干しやがって、こんなベージュのパンツなんて要らねぇやい」
ってことなんだろう。
なんという余裕。

よれよれのベージュのパンツは下着泥棒が盗む価値すらないということなのか・・・。
悔しい。悔しいぜ。

それからというもの、私はどうやったら下着泥棒をぎゃふん!と言わせられるのか無い知恵を絞った。
そのいくつかを紹介しよう。

・ハチミツ作戦
下着にハチミツを塗りたくって干しておく。
すると、盗む時手がぬるっとベタ付き、ひゃぁっ!なんだこりゃぁっ!とおったまげる。
→そもそもハチミツを塗ると下着がダメになり、更に大量の虫が寄ってくる可能性が高いので断念。

・GPS作戦
ブラジャーのパットに小型GPSを縫い込んで、下着泥棒の居場所を突き止める作戦。
→小型GPSの価格が高い。費用対効果が見込めないので断念。

・りんりん作戦
物干しハンガーと室内を透明な糸で繋げ、物干しハンガーが揺れると室内の糸に括られている鈴がりんりん鳴って泥棒が来たことを知らせてくれる。
→風が強いと常にりんりん鳴るので断念。

このように私はあれこれ作戦を考え、どうにかこうにか下着泥棒をぎゃふんと言わせてやる!と躍起になっていた。

ところがどっこい、待てど暮らせど下着泥棒はやってこない。
あのベージュパンツ事件から一向に姿を現さないのだ。
もう、お前の下着には用は無いぜ、ということなのだろうか。
私の下着は盗むまでも無いのだろうか。

なんだろう、これを言っては最後な気がするのだが

少し・・寂しいじゃんよ。

盗まれたら盗まれたではらわたが煮えくり返るくせに、盗まれなくなったらなったで、ちょいと寂しい。
人間の性ってやつかな・・(絶対違う)

とにもかくにも、今は平和で穏やかな日々を過ごしています。

女性の一人暮らしの皆さま、
下着は、部屋干しを強くオススメします!!

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