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空飛ぶゆうれい戦艦

1995年頃に広島市中小企業会館の会議室での上映会で視聴した。
この頃になるともう映写機ではなくプロジェクターを使った上映会になっていた。
呉宮原高校(アニパロのセル画紙芝居とか作ってたグループ)と広島城北高校(連合艦隊コンプリートを目指してウォーターラインシリーズを組み立ててた模型グループ)のOB有志(というかみなもう当時アラサーの社会人)の作品で主に府中町のH.M氏の実家の倉庫で撮影された。
内容は呉に戦艦大和の幽霊艦が現れ、謎の巨大ロボットと闘うという東映動画の「空飛ぶゆうれい船」のゆうれい船と巨大ロボットゴーレムの戦いの部分だけを実写化したような作品。
使用BGMは「空飛ぶゆうれい船」のBGMが販売されたのが2019年なこともあってか「妖星ゴラス」等の東宝特撮のBGMを使用している。
巨大ロボットの迎撃に自衛隊が出動するが、何故かドイツタイガー戦車を3連装砲に魔改造した模型を使用している。これは昭和の昔にはタミヤが実費で部品単位で通販してくれてたのを利用して砲塔パーツを購入し、モーターライズのタイガー戦車を3連装砲に改造したものを、そのままこの映画に利用したもので劇中ロボットに砲撃するも瓦礫の下敷きになって退場する。
また、ロボットを倒した幽霊戦艦に巨大なタコやカニが絡むが、これは生きたタコやカニをそのまま利用している。なので残念なことに毛ガニではなくワタリガニである。ワタリガニは呉市本通の写真を背景に横歩きするシーン等が撮影された。バート・I・ゴードンが「世界終末の序曲」において巨大バッタ特撮で使ったのと同じ手法である。
幽霊戦艦大和は当時発売されていた1/200のスケールモデルをそのまま利用している。海中シーンは水槽を使って撮影している。手前をメダカが泳いでいるのはわざとである。
ミニチュアと写真の街に登場するのは模型や生き物ばかりで人間は写真背景に映りこんでいる例外を除いて一切登場しない。
ロボットの飛行シーンは上下逆に設置したミニチュアを背景にバルサンを使ってロケット噴射を表現している。
ロボットが暴れるシーンはパペトーン方式のコマ撮りとロットを使ったあやつり人形モデルや手足のみ着ぐるみモデルを使っての石膏ビルを破壊する方式で撮影しており爆発シーンは無い。
ロボットの胸のハッチから発射されるミサイルは鉄心に綿を巻いたものを差し替えてまっすぐ飛ぶミサイルを表現していた。
ロボットが幽霊戦艦の砲撃でやられるシーンもロボットの腹にバルサンを仕込んで表現している。
他に実写でアレイからすこじま近くの宮本金属の倉庫から撮影した当時の呉の海上自衛隊の艦艇が劇中に映るが自衛艦は戦闘には参加しない。
監督のH.Mさんによると当初の予定ではウォーターラインシリーズの武蔵と信濃をくっつけて幽霊戦艦ムサシナノ(信濃が上で武蔵が下)とする予定だったが1/700ではあまりに迫力が無いのと取り扱いがめんどくさいので断念したそうだ。
今回紹介のこの映画は写真と模型を実景に合成する手法がほとんどだったのでwindowsのペイントで一部再現してみた。


謎の巨大ロボ
謎の巨大ロボットのデザイン画
海上自衛隊呉総監部襲撃


広島襲撃
自衛隊の三連装主力戦車モーターライズで自走する(画像は合成作成したイメージ画)
江田島上空を飛行するゆうれい艦は本編ではガラスに戦艦の写真を貼って一発合成
呉市本通で暴れるワタリガニ。本編と同じく写真の前をカニに這わせるBIG方式特撮を再現。
大阪も襲撃してみた(本編にはありません広島県だけで完結しています)

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