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「スーパー主婦の直伝すご技!」は女友達が最近ハマっているものについて力説している女子トークそのものである件

このコロナ禍、夫が失業した。言うなれば息子も無職である。更に大学生の娘もいる私は「人生オワタ〜」という状態であるが、不思議とさほどのマイナス感情が無く、そんな自分に我ながら驚いている。

まず大前提として自分に収入があり、当面の学費を捻出できるということは大きいが、人より臆病でリスクばかりを心配する不安障害気味の自分としては、逆に自分が心配であった。

最近コロナ禍で行動の制限がかかる折、外出もままならず家でごろごろとネットサーフィンをして過ごしているが、それにも飽きてきて、部屋の整理をしようか、掃除をしようか、なんにしようかと思いながら、また布団に戻り、ストーブをつけて、枕元にある本を読んでみた。

「スーパー主婦のすご技」は7.8年ほど前に買ったと記憶しているが、仕事と育児と家事に忙しかった当時は夢中になって読んだものの、根本的な改善に至らず現在に至っている。ただ当時の「この本は良い本だ!」と言う感動が残っていたので、処分せずに本棚に埋もれさせていたが、溢れ出た本の整理がてら再度読んでみた。

読んでみて、まずこの作者の朝一ディレクターである伊豫田さんと友達になりたくなった。というより、ほぼ気持ちは友達だ。久しぶりに会った友が、最近夢中になってる事、その事がどんなにお得で素晴らしいか、そして新しく知り合った人がどんなに面白い人か、ついでにちょっとした夫の愚痴と感謝とワンセットの自虐、更に職場の有名人のあれやこれまで折り入れられて語られており、もうこの本は「女子トークの書き起こし」である。

友の話を聞いた私はそのワクワクが伝染し、「えーすごーい!!分かったよ!絶対、家帰って私もやる〜」と言う気分だ。なおかつ、「その人面白そう、私も会いた〜い!というか、そのサークル(友の会)も楽しそう!私も入れるかな?」みたいな返しをしている。長い付き合いの我が友は「やめときなよ!面白いけどあなたには無理だよ〜私だって仕事だからやれたけど、仕事じゃなかったらやれないもの。現に今は半分も続いていないし。でも、私が続いているこれとこれだけやっても十分楽しいよ!サークル(友の会)に入らず、楽しめることやろうよ!とりあえずやってみて!」「分かったよーそうだね!やるやる!」となるのだ。

そして、この本はそれだけでは終わらない。友との会話がお得情報だけで終わらないように。お悩み相談の始まりである。色々やりたいけどやる時間がない、気分が乗らない、やりたい事がわからない、やったことに満足できない、何のために生きているのか分からない、みんな持っているものが手に入れられない、不安が尽きない・・すると友が新しい知り合いの名言を教えてくれるのだ。「やらなければいけないことを自分で決めれば、決めたことで自由になれるということ」「ものが多いと言う事は好奇心が多いと言うことで悪いことではないが、自分にそれに見合ったキャパがあるのかが大事な事」「一仕事一片付けが結局早いし、やり切った充実感が前に進む原動力となる事」など。それは50代の沈んだ心に響くのである。

更に愚痴に対するアドバイスだけでは無いのだ。震災後にボランティアをしている知り合いの活動についても伝えられる。自分が小さいプライドや怠惰な心に囚われている中、己の足るを知り、他者に与える事ができる人がいる。私もそんな人間になりたかったのに。真の承認はお金とか名誉とかでは無く、自分がやるべきこと(使命)を果たすということなのだろう。

打ちのめされた私は、ついに友に家族の状況、更にそんな状況なのにさほど辛く感じないという自分の気持ちを伝えるのだ。すると友は「現実を知ったら辛くなるから見ないふりしてごまかしてきたけど、ありのままに受け止めて、できることをやると決して辛くないってことだよね。」と言ってくれるのだ。

夫の家族への態度に不満を持っていたがお金を稼いでくるから我慢して、その代わりに夫のブラックな職場環境を見て見ぬ振りをしてきたこと、共働きに胡座をかいてストレス発散のために様々な散財をしてきた事、素晴らしい家庭環境を子供へ与えられなかった罪悪感から子供に使うお金の制限を躊躇っていた事が、今回白日の元に晒された。そして私はやっと現実に向き合い、事態を改善する為にやれる事をやろうとしているのだ。故に現実はパッとしないが、気持ちは清々しいのである。

友により、心の中を整理されてスッキリした私は本を再び本棚にしまった。太った体は重いが、今の私は知っている。白黒ではなく、少しでも改善すればよいのだ。ようやく動くとするか。


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