キミが存在しないラブコメ 第24話

――今さらショッピングモールへ行ったって、やることは、そんなにない。

だけど、せっかく女の子ふたりとお出かけしているのだ。

なにかは、ないといけない……イベント的なやつ。

だから、女の子ふたりに服屋でファッションショーでもしてもらおうかな。

ふたりとも今、着てる服も確かにかわいいのだけど、反対に別のジャンルの服も来てほしい。

女の子は、どんな服を着ても、違ったイメージで似合うものなのだから。

「武尊くん、着たよ」

「見せて」

まずは真海奈からだ。

「ほら、どう?」

「わあ……!」

黒を基調としたフリルのついたワンピースね。

今日は白のワンピースだから逆のイメージが感じられる。

黒だから白より痩せて見える。

シュッと締まるというか、体型がスレンダーになった雰囲気を感じる。

「似合ってるよ」

「ありがとう。これ、買おうかな……」

「じゃあ、僕が出すよ。せっかくだし」

「えっ、悪いよ」

「男は女の子と出かけるとき、なにかしらプレゼントしたいものなの!」

「じゃあ、甘えようかな……」

「うん、それがいい」

「ちょっと! ちょっと、ちょっと!」

萌瑠の声だ。

「また、ふたりで抜け駆けしようとしてる! あたしのことを忘れないでください!」

「ごめん! 萌瑠は、どんな格好にしたの?」

「――じゃーん! 見てください! どうですか!?」

「これは……」

赤を基調としたセクシーな水着じゃん!

ちょっと胸の谷間を露出しているが……。

そういえば、萌瑠の体格って、じっくり見ることがなかったっけ。

こんなふうに表現したら失礼かもしれないけど、萌瑠は出るものが出ていない。

だから、その分、真海奈より、ほっそりと小さく見えてしまう。

「……胸、見えてるよ」

「へっ?」

「早くカーテン閉めて! 恥ずかしいから!」

「そんな! 神憑先輩が、あたしの色香に酔いしれるイベントが……」

「私が言うのも、なんだけど、その、○首が見えてるからサイズが合ってないんじゃないかな?」

「乳が見えてる! それはフェロモンが解き放たれるとき……つまり、神憑先輩を虜にするチャンスですね! 神憑先輩になら、いくらでも見せてもいいですよ!」

「僕は品がないのは嫌だなあ……」

「ええっ、てことは……?」

「ちゃんとサイズの合う水着を選ぼうね」

「乳○見せ損じゃん! 無料タダで見せたのに〜! あたしの○首はプライスレスなのに、どうして、そんなに冷たい反応ができるのですかーっ!」

「公共の場では少し声のボリューム落とそう……ねっ!」

結局、萌瑠には白を基調とした、かわいらしい服のセットを購入してあげた。

確かに、あの乳○は脳内カメラに永久保存するほどの貴重なやつだったから、そのお詫びも兼ねて――。

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