TROY⚔️映画と史実について#1
映画の感想を語る第2弾
これも一種のオタ活であろう。
ネタバレの嵐なので、映画を純粋に楽しみたい人は鑑賞後に見ることをおすすめする。
私はファンタジーと歴史物、アクション映画が大好きである。そんな中やっと観れた作品
「TROY〜トロイ〜」
今回も感想と自己解説7:3ぐらいで書いていこうと思う。
登場人物
イリアスではパリスが主人公であるが
映画ではアキレスが主人公なため、彼を中心に紹介していく。
構成の関係でギリシア側とトロイア側の人物が入り交じっているので()で国を表記する。
アキレス(ギリシア)
演じるのはhandsome guy ブラッド・ピット
「フューリー」などで知られるイケメンだ。
後に説明するが、アキレス腱という名前の由来にもなった戦士である。
映画では、一応彼の王にあたるアガメムノンですら制御が出来ない自由奔放な人物として描かれている。戦いに参加した理由も不純と言えば不純だろう。
彼の生い立ちや、戦いについては後ほど紹介しよう。
パリス(トロイア)
俳優は、「ロード・オブ・ザ・リング」などで有名なオーランド・ブルーム。
眩い光を放つ(ように見える)イケメンだ。
パリスはトロイアの第2王子。
イケメンだが、軟弱物で腰抜け(公式)である。
若いというのもあるのだろうが、
彼のせいでトロイア戦争が起こったと言っても過言では無い。
ヘクトル(トロイア)
トロイアの第1王子であり、トロイア1の戦士
とその噂はギリシア軍の中でも有名だ。
ギリシア軍の中でもかなり強い兵士を倒したり
その強さは噂通りなのだろう。
個人的には戦いを通して神への絶対的信頼が
薄まっていく様子が好きだったりする。
ヘレン(スパルタ→トロイア)
ヘレンを演じるのはダイアン・クルーガー。
金髪に青い目は、ギリシアの女神そのものだ。
ヘレンはもともとスパルタの王妃だ。
しかしスパルタにやってきた王子パリスと恋に落ち、駆け落ちのような形でトロイアへ。
立派な浮気である。
映画の中では何度も「自分のせいで戦争が起こった」と悔やんでいたが、今さら遅くないか?
と思った。実際、恋をするとIQが下がるらしく愛の力なるものの恐ろしさを感じた次第だ。
アガメムノン(ギリシア)
俳優はブライアン・コックス。
アキレスにかなり嫌味を言われていたり、
映画では悪役のような描かれ方をされているがトロイのキャッチコピーは
愛(トロイア)が正義だとすれば、対するギリシアのボスは悪になるのである。
実際はアイスキュロスという吟遊詩人の作品「アガメムノン」に登場する英雄であり、
ギリシア軍の総大将だ。
映画ではその権力に溺れた暴君のような感じになってしまっているが。
プリアモス(トロイア)
演じるのは名優ピーター・オトゥール。
若い頃はハンサムという言葉が似合うが
プリアモスは知的な顔という言葉が合うだろう。
プリアモスはトロイアの王で、
ゼウスにも好かれるような人格者である。
父として、王としてという2つの顔があり
それを混ぜることなくどちらも大切にする姿が
神々にも気に入られるのだろう。
2つの顔の使い分けは、映画を見ればよく分かると思う。
メネラオス(ギリシア)
俳優はブレンダン・グリーソン。
「ハリーポッター」などで有名な、優しそうなおじさんである。
アガメムノンの弟で、スパルタの王であるメネラオスは、個人的にトロイア戦争発端に関して1番の被害者だと思う。
トロイア戦争はヘレンの夫への感情によってかなり見方が変わってくる。
イリアスでは、美しいヘレンに数多くの王子が求婚したため、「誰が結婚しても嫉妬せずに、ヘレンが奪われたらみんなで助けようね!」という約束をし、ヘレンに夫を選ばせている。
つまり、メネラオスはヘレンが直々に選んだ夫だということ。
自分で選んだのに若い男と逃げるなんて!と
怒っても当然だ。
しかし映画では、ヘレンは「愛着なんて湧かなかった」と言っており、メネラオスの一方的な愛。(なのかもわからないが)
ヘレンにとって初めての愛すべき男がパリスだったのだとすると、愛の逃避行のようで
ロマンチックだと感じるのでは無いだろうか。
ちなみに私はどちらにせよヘレンがメネラオスを裏切り、パリスが人妻を奪ったということには変わりないと思うので、あまりこの2人の愛が素敵だとか憧れるという感情は無い。
若いだけで済まされる問題では無いのだから。
オデュッセウス(ギリシア)
俳優は「ロード・オブ・ザ・リング」や
よく死ぬ役になると有名なショーン・ビーン。
オデュッセウスはこの映画ではモブというか
あまり目立たない存在だが、イリアスでは
「オデュッセイア」という題で長編の物語が書かれている。
アキレスやヘクトルなど「武」に長けた人物が多い中でオデュッセウスのような「知」に特化した人物はよく目立つ。
オデュッセウスの知恵は本物であり、有名な
「トロイの木馬」を考えたのも彼である。
ブリセイス(トロイア?)
アキレスが戦いの中で見出した癒し。
それが彼女である。
王族であるがアポロンに身を捧げる巫女であり
ギリシア軍に戦利品として捕まっていたが
アキレスに気に入られて守られていた。
次第に2人の距離は近くなり__
映画では恋愛漫画のような展開になっていたが
神話ではアガメムノンとアキレスが取り合うというもっと恋愛漫画要素が増していた。
しかし、これはブリセイスが欲しかったのではなく彼女が取られる=自分の名誉が傷つけられるというアキレスのプライドの戦いに近かったようだ。
パトロクロス
アキレスのいとこで大親友。(恋人という説も)
映画ではアキレスに剣術を教えて貰っていた。
戦いたいという意思と、アキレスの心配だから行かせたくないという親心ですれ違いが起こり
後の悲劇に繋がるのである。
エウドロス
アキレスの部下。
演じるのはヴィンセント・リーガンなのだが、
どこか見覚えがある。
そう、300にも隊長として出演しているのだ。
私が紹介したのはこれを言うためだけである。
トロイア戦争について
ホロメス著の「イリアス」にある伝説の戦い
トロイア戦争をもとに制作された映画。
史実と映画を比較する前に、この戦いについて説明する必要があるだろう。
一言で表すと、「神々と人間を巻き込んだ愛とプライドの戦い」だ。
しかしこれは神話の話であり、映画に神は名前しか出てこない。なので分けて説明することにしよう。
映画
スパルタとトロイアが同盟を組もうとしていた時、スパルタに訪れていた王子パリスと、スパルタの王妃ヘレンが恋に落ちる。
2人は秘密の関係であり、旦那にバレると同盟に傷がつくことになるのだ。
しかし王子が帰る日、愛の力によって2人はトロイアへ逃避行するのだった。
妻に裏切られ、妻を奪われたメネラオスは激昂し、自分を裏切ったトロイアを責め滅ぼすと決めた。
兄はトロイアを自分の支配下に入れるため、
メネラオスは妻を取り戻すために強大なギリシア軍を、未だかつて陥落したことの無いトロイアに送るのだった。
神話
トロイアの王子パリスが生まれた時、
その王子によって国が滅びると予言された父は子を他所で育てるようにした。
数年がたち、パリスは美しい男に育った。
そして、何故かヘラ、アテネ、アフロディエの中で誰が1番美しいかを決める羽目になった。
ヘラたちはパリスに「私を選んでくれたら〜をあげるわ!」といった。
パリスはアフロディエの出した、
「スパルタのヘレンはお前のものになる」という言葉を聞くなり、アフロディエがいちばん美しいと即答し、見事ヘレンを手に入れた。
妻に裏切られ、妻を奪われたメネラオスは激昂し(中略)なギリシア軍を、未だかつて陥落したことの無いトロイアに送るのだった。
ヘラ、アテネは自分が選ばれなかったことに怒り、トロイを滅ぼしてやる!!!!とギリシア側に味方した。
そして他の神々を巻き込みながら、神々の加護付き大戦争が始まるのだった。
要するにプライドとはギリシア神の事情で、
愛は人間側の事情ということだ。
映画トロイは人間側だけに焦点を当てているが
それ故に辻褄が合わなかったり
神話とは異なる部分が多いのだ。
その異なる部分について映画と比較しながら
説明していきたかったのだが、もう3000文字を越している。またの機会に紹介することにしよう。
それではまた次回まで。
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