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【連載長編小説】青の緞帳が下りるまで

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架空の王国アルトランディアのA王女の謎をめぐる長編小説です(全41回)。 週に2回(月・金)更新予定です。 第26回(2013年)小説すばる新人賞、最終候補(川本紗綾名義)。 … もっと読む
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記事一覧

青の緞帳が下りるまで #039

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #38 」(終章 1) 「どこに行ってたんですか!」  Y…

MIU
10か月前
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青の緞帳が下りるまで #037

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #36 」(第十一章 最後の歌 1) 第十一章 最後の歌 2…

MIU
10か月前
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青の緞帳が下りるまで #038

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #37 」(第十一章 最後の歌 2) 終章 1 「ではAはア…

MIU
10か月前
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青の緞帳が下りるまで #036

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #35 」(サーシャの告白 5) 第十一章 最後の歌 1  …

MIU
11か月前
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青の緞帳が下りるまで #035

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #32 」(サーシャの告白 4) サーシャの告白 5  次の…

MIU
11か月前
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青の緞帳が下りるまで #32

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #31 」(サーシャの告白 1) サーシャの告白 2  それ…

MIU
11か月前
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青の緞帳が下りるまで #30

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #29」(第九章 乾杯の歌)  展示品七 鏡の館  Y劇場のロビーに飾られた連作の絵がある。  Y劇場が修復されたときに、政府筋の人間から寄贈されたという。その絵の題名は「鏡の館」で、国王暗殺クーデター事件の際に、亡命した画家セルゲイ・Oの手によるものらしい。  なぜ鏡の館という題名なのかを知る人はいない。  そこには数多くの男女が集まって、音楽に興じている姿が描かれている。  一説には、戦前のアルトランディアの一般庶民を描いたものだ

青の緞帳が下りるまで #29

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #28 」(第八章 戯曲 コーリャと村娘の恋 2)  第九…

MIU
11か月前
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青の緞帳が下りるまで #28

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #27 」(第八章 戯曲 コーリャと村娘の恋 1)  第八…

MIU
11か月前
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青の緞帳が下りるまで #27

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #26 」(第七章「キリル・シェレメーチェフの追想」) 第…

MIU
1年前
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青の緞帳が下りるまで #26

(前回)「青の緞帳が下りるまで #25 」(第六章「タチアナ・Lに関する覚書」 2」) 第七…

MIU
1年前
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青の緞帳が下りるまで #25

(前回)「青の緞帳が下りるまで #24 」(第六章「タチアナ・Lに関する覚書」 1」) 第六…

MIU
1年前
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青の緞帳が下りるまで #24

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #23 」(展示品六「タチアナ・Lに関する覚書」) 第六章…

MIU
1年前
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青の緞帳が下りるまで #23

←(前回)「青の緞帳が下りるまで #22」(第五章 ヴィーカの記憶 2) 展示品六「タチアナ・Lに関する覚書」 「なぜこんなものが展示されているんですか?」  マエストロは劇場職員のマルーシャに訊いた。ヤローキンのコーナーに、見知らぬ人の文献が入っている。  どこかで聞いた名前だと、マエストロは考える。ああ、Y劇場の記者会見で、女性記者が質問した。「タチアナ・Lに会ったことはあるか」と。彼女のことだったのか。  マルーシャはマエストロの前で頭を下げる。 「申し訳