Heaven(2話) ――どんな未来になったとしても、僕らは誰かを想うだろう 【連載小説】 都築 茂
「君たちも、入っていいよ。」
大人たちが中を確認した後に声がかかり、僕らは建物の中に入った。ガラスでできた左右に開く扉は壊れているのか開きっぱなしで、入口をふさいでいた木の板は大人たちが入る前に外して扉のそばにおいてある。中に入るともう一つ同じように開きっぱなしの扉があって、布で入口が覆われていた。
「今日はここで寝るから、薪を集めてくる。君たちは、少し休んでいていいよ。」
そう言って大人たちは外へ出ていき、僕らは雨で湿ったマントを脱いだ。部屋の中央にはテーブルといくつかの椅