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超真面目に飲食店集客を考えるDM編

これは、僕の経験と実績から飲食店向けの営業方法を不真面目に考える連載です。これを読んで実践してみて、万が一失敗したらごめんなさい。

アナログの手紙が人の心を動かす……DM論①

いままで精神論が過ぎたので、真面目に集客の実践例を紹介したい。
これは僕自身が実際に取り組んで結果を出した方法なので、同じようにやったら必ず成功する取り組み。
自分の店なら迷わずに、会社だったら上司を説得して(予算が必要なので)取り組んで欲しい。

以前の記事に「人は3日前の晩ご飯を覚えていない」てことを書いていたと思うけど覚えているかな?
人は誰もが忘却の達人だ…と偉い文人が言ったかどうかはわからないけど、とにかく店を覚えてもらうってのは相当大変なことなんだ。
チェーン店の強味は、圧倒的ネームバリューに他ならない。そこに個人店が挑むのは至難の業だ。

お客様の6割は1回しか来店しない


ちなみに、お店に来店してくれているお客様のうち何%くらいの人が新規のお客様か知っているかな?ざっくりした数字で言えば、およそ60%くらいのお客様が新規客だ。逆に言うと来客したお客様のうちおよそ6割の人が君の店に1回しか来ないということ。
「俺の店、料理がおいしくないのかなぁ?」とか「トイレが汚かったかな?」とか「笑顔が足りなかったかな?」とか理由はいろいろ考えられるけど、そう悲観することはない。それは決定的理由じゃないからだ。
たまたま出張先で立ち寄ったとか、旅行先だったとか、友人に連れられて来たから場所がよくわからないとか、そういう理由だってある。
ただ、理由はもっと単純で、お客様が来ないのは君の店を覚えていないから……つまり忘れちゃうということ。
とはいえ、来るお客様全員が感動体験をして特別印象に残る営業を続ける!なんてことはディズニーランドじゃあるまいし不可能極まりない。最初に言った通り”人は誰もが忘却の達人”なのだから、それに関してはほどほどでOK。
何が言いたいかっていうと、(食事はふつうに美味しかった)(友人との会話も弾んだ)なんて夜はごまんとあるはず。……て一応あるとして(笑)そんな日のことを、3日後まで君は覚えているかな?ってこと。
そりゃ何かの偶然で思い出すことがあったとしても、積極的に覚えていようなんて誰も考えない。だからDMを送るのである。

DMに関しては、LINEでお友だちになってもらう(公式アカウントで個人情報まで登録してもらうと個別にトークできるようになる)や、その他にもFacebookやInstagram、TikTok、TwitterのフォローなどSNSが主流だと思う。情報発信が早いし、簡単だし、キレイな写真とか動画とか、本当便利な世の中になったとおじさん世代は感慨深さがある。
でも、僕はあえて手紙(ハガキ)をお勧めする。

なぜ手紙(ハガキ)にこだわるか


SNSの良さは手軽さと便利さだ。ある程度は無料でできるし、何かしらの投稿がバズったりすれば一攫千金じゃないけど一気に店の認知度が上がる可能性だってある。
ただ、手軽なだけに登録したけどすぐ消しちゃったりブロックしたり……「LINE公式アカウント登録したら生ビール1杯無料!」とか即登録するけどその日のうちにブロック……なんて経験あるよね(笑)
つまり手軽ゆえの離反率も高いというのがSNSの微妙なところなのだ。

手紙(ハガキ)はどうだろう。
これはウチの店でやっていた実例だけど参考にして欲しい。
ちなみに客単価およそ4000円弱くらいのワインバー(食事ができる)18:00~25:00営業という地下の隠れ家的なお店だ。

Wine Bar Luz

まず最初にお客様自身に個人情報を登録してもらわなくちゃならない。基本的にはお店のアンケートという名目で、名前と住所を登録いただくことになる。いきなり「名前と住所を書いてください」では無理でしょ(笑)アンケートは5段階採点方式(1~5とかで、悪い、やや悪い、ふつう、良い、とても良い……みたいなやつね)にする。あとは「お客様の要望」のようなフリースペースもつけておく。これでOK。大切なのは、このアンケート用紙とボールペンを持ってお客様のところへ行って必ず説明すること。

「お客様、こちらはアンケート用紙です。今日の良かったところ、至らなかったところなどチェックしてください。よろしくお願いします。ご記入いただいた方には毎月抽選でワインのフルボトルをプレゼントしています。……いや本当は全員当たります(笑)」

なんてトークでお願いするのだ。
このお願いが重要ポイントである。なぜなら、人はお願いされると断りづらい。あくまでもゴリ押しはだめだが、人は正面切ってお願いされると「アンケートくらいなら……」と書いてくれるものなのだ。

お客様の情報が得られたら、この情報を基にハガキを送るのだが必ず3日以内に到着するようにハガキを出すことが何よりも重要である。そう、ここで3日の理論が活きてくるのだ。
ちなみに、ポスティングチラシは外の郵便受けのところで捨てられてしまうし、新聞折込のチラシは契約している世帯が減少して、しかも若い世帯は契約しない人も多いのが現状……反応率0.01~0.3%というのは一般的な数字。
僕がこの方法で出したハガキの反応率はおよそ15%~20%だ。
3日以内というのは非常に効果が高くて、ほとんどのお客様が思い出してくれる。そして特典が付いている(ウチの店の場合3000円相当のワインフルボトルプレゼント)ため、友だちを誘ってくれる率も高いのだ。

「原価掛けすぎじゃないの?」
もちろんそう思うだろう……けれど、ワインの原価は1本1000円だ。(もっと安いワインもあるけれど、1000円ならそこそこ美味しいワインがみつかる)
ハガキが1枚63円。1組に対して販促費はハガキデザイン料やら印刷も含めて1100円としよう。客単価は3000円……だがミソはこのハガキには特別コースのご案内が掲載されていること。(2500円のコース料理)メニューに載ってない料理で構成されていて、このハガキ持参した人じゃないと食べられないのだ。
実際来店された場合、テーブルチャージ500円+コース料理2500円+乾杯のビール700円+食後のコーヒー380円で1名4080円とかの会計になる。(もちろん3000円で済ます方もいるが、ワインを追加したりして客単価5000円くらいになるのがほとんど)1組2名でもおよそ8000円になる。1100円が8000円になるのだ。3名なら1100円が12000円、4名なら……。
ぐるなびやホットペッパーなどで予約を取ると手数料で1名200円掛かってしまう。4名なら800円。それに毎月10万程の度契約料を払っているなら、いかにアナログDMが効率的かわかるだろう。

ちなみに500枚発送すると反応率15%として75枚。1組平均2.5名だとして客単価4000円だと75×2.5×4000=750000……75万円だ。
ハガキは63×500=31500 ハガキ用紙500枚1500円・両面カラー印刷でも3000円・デザイン料を含めても20000円かからないだろう。
つまり5万円の経費で75万円売上が計上されるのだ。
ぐるなびやホットペッパーでこれが出来るかな?

ってところで今回はここまで。次回はもう少しDMの内容や発送方法について解説します。かなり実践的な内容になってきた!





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