好きの気持ちを語り合いたい

最近思うんです。オタクってなんだろう？って。
オタクという言葉が出始めた頃は、一部の例えばアニメだったりアイドルだったりをこよなく愛している人たちの事をのみ指す言葉だった。

だけど今はそれに特化した言葉ではなくなったように感じる。好きなモノ、好きな人、その事については「何時間でも熱く語れるよー！」という時、それはオタクと言っていい気がする。そしてもう１つは、その事について語り合える”同志”がなかなかいないという状況。つまり私が思うにはそういうモノ、人、が好きなのがオタクなのでは？ということ。私はこの2つめが結構重要だと思うのだ。

韓流ブーム

10年ほど前ある韓流スターにハマっていた。当時既にヨン様、イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、ウォンビンという4大韓流スターが日本でブイブイ言わせていたが、私がハマったのは別の人で、身近にはその人の事を知っている人さえ見当たらなかった。

そんな時、その人の日本でのファンクラブが出来て、ファンクラブサイトでファン同士が交流できるようになった。プロフィール欄に住んでいる県を入力するようになっていたのだが、ある日同じ県に住む人からコメントが来た。何度かやり取りをした後、その人は他にも同じ県に住むファンの人たちと交流しているということで、一度皆で会いませんか？と誘われた。

いわゆるオフ会である。
オフ会なんて初めてだし、知らない人ばかりで不安だったが、同じ俳優さんのことを好きな同士でその人の話が出来るのは魅力的だったので参加した。

結果、とても楽しかった。その日集まったのは私を含め4人だったが皆さんいい人ばかりで、私は1番年下でもあったので可愛がってもらった。以降そのオフ会は月1回開催され、その度に人数がどんどん増えていった。毎回いろいろ新しい情報をもらい、韓国でしか手に入らないチラシやカタログが配られ、撮った写真の焼き増しをいただいた。私はただただもらうのみだったが、ありがたかった。

埼玉で開催されたファンミーティングにも皆で参加した。手作りの名刺を持参して、ファンサイトで交流のあった他県のファンの方たちと初対面したり、ファンミーティングの次の日は都内を走り回って追っかけもした。何もかも初めての経験で楽しかった。

でもある時気付いた。オフ会はいつの間にか自慢大会みたいになっていることに。
韓国に行った、たまたまスターに遭遇した、レアなグッズを手に入れた‥「わぁ、すごぉい！」「いいなぁ」もちろん話題を提供できる人はすごい人だし、みんなも楽しかったが、私みたいにもらうばかりで何も提供できない人はだんだん肩身が狭くなってくる。‥全く捻くれ者である。だけど一度芽生えた捻くれ根性で私はどんどん気後れしていった。
気後れすると無口になった。好きな人について思いっきり語りたくて参加したはずなのに。つまんない。

それに女同士のいざこざにも巻き込まれそうになって、結局オフ会に参加するのは辞めた。
オフ会参加は辞めたが、中で気の合った人とは今も時々会っている。もうお互いその俳優さんのファンではない。

SnowManと出会って

ジャニーズからSnowManというグループが今年1月デビューした。デビューの1年ほど前からYouTubeで彼らの素顔を見ていてファンになっていたが、デビュー前のジャニーズJr.の事を知る人は身近にはいないと思っていた。同僚に嵐ファンの人がいて、SnowManでなくともジャニーズの話が出来る相手が職場にいる事は嬉しかった。毎日のように嵐やジャニーズの話で盛り上がった。本当はSnowManの話もしたかったが、嵐ファンはJr.に興味はないだろうと勝手に諦めていた。そんなある日、たまたま洗面所でその人と遭遇し、話の流れを利用してジャニーズJr.がYouTubeをやっているという話をしてみた。すると「私も観てます」とまさかの返事が返ってきた。恐る恐る、どのグループの動画が好きか聞いてみると

「私、実は、SnowManが好きなんです。」

‥なんと！彼女は私と同じ、SnowManの素顔に惹かれてSnowManのファンになったと言うではないか。同志がいた。しかもこんなに近くに。灯台元暗し。もっと早く聞いてみれば良かった。お互い同志を見つけた私たちがそこからは毎日SnowManについて語り合ったのは言うまでもない。

オタクっていいな

NHKで「トクサツガガガ」というドラマをやっていたが、特撮モノが大好きな主人公がその事を周囲に隠して奮闘するコメディだ。ドラマの中で同じ趣味を持つ同志に出会い興奮する気持ちがよく分かる。同志を見つける事がオタクを楽しめるかどうかを大きく左右するような気がした。もちろん1人でもそれはそれで楽しくはあるが、私はやはり語り合いたいのだ。ああだこうだ言い合いたいのだ。

それこそがオタクの醍醐味‥！と私は思うわけだが、みなさんはどうでしょう？